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「台所や風呂は使わない・・・当選無効の女性タレント」(5月14日、読売新聞)
埼玉県新座市議でタレントの立川明日香さん(27歳)は14日、2月の当選を無効とした市選挙管理委員会の決定に付いて、県選管に審査を申し立てた後に記者会見を開き、選挙区内に居住していた事を強調した。
市選管は、生活実態が無いと判断した根拠に、昨年9月から2月迄水道が略不使用だった事や、東京都練馬区の家族が「当選後迄一緒に住んでいた。」と証言した事を挙げた。
立川さんは埼玉県庁で開いた会見で、「トイレは使ったと思うが、台所や風呂は使っていない。コンビニのトイレを借りる事も在った。朝の洗顔はする暇が無かった。」等とし、家族の証言は「事実に基づいた物では無い。」と反論した。
又、「夫と離婚を視野に別居していた。新座市には夜、寝るのに帰っていた。」等と述べ、市選管の判断は誤りだと強調した。
担当弁護士は「今後、生活実態を立証出来る物を随時、県選管に提出する。」とした。
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「美人過ぎる市議」として有名になった立川明日香さんの(市議選の)当選が無効とされたのは、公職選挙法の「立候補する地域に3ヶ月以上住所を有する者が、議員及び長の選挙権を有する。」(第21条 被登録資格等)という点に違反している、即ち「生活実態が無い。」と判断されたから。
立川さんの話が事実とすれば、夫とは離婚間近の状況に在るという事になる。「東京都練馬の家族が『当選後迄一緒に住んでいた。』と証言した。」という部分の「家族」というのは、夫及び其の両親という事らしいので、「別れる人間なのだから、嘘を付いてやれ。」という偽証の“可能性”は零とは言えないだろう。
だがしかし、此方に載っている光熱費の詳細を見ると、市選管が「生活実態無し。」と判断したのは頷ける。電気使用量こそ一定の数字が出ているが、水道使用量は当選する迄の5ヶ月間は零乃至は略零。ガスに到っては、当選後に契約を結んでいたとか。
水道使用量が零乃至は略零の理由に付いて立川さんは「トイレは使ったと思うが、台所や風呂は使っていない。」、「コンビニのトイレを借りる事も在った。」、「朝の洗顔はする暇が無かった。」、「水はミネラル・ウォーターを飲んでいた。」等と主張。こういうケースが絶対に無いとは言い切れないが、“普通に考えれば”「極めて苦しい言い訳」に感じてしまう。
其の主張だと、市民の不信感を増させるだけではないか?彼女を支持していた人達ですら、「何か信用出来ないなあ・・・。」と離れてしまう気がする。別段、彼女に対して好印象も悪印象も無いけれど、真に政治に取り組みたいと思っている“ならば”、今回の主張は得策と思えない。
当選の正当性を訴えるならば、例えば「公職選挙法には『立候補する地域に3ヶ月以上住所を有する者が、議員及び長の選挙権を有する。』と在り、自分は選挙の約5ヶ月前に住民票を新座市に間違い無く移している。生活実態が在ろうが無かろうが、住民票を移している限り、『立候補する地域に3ヶ月以上住所を有する』という点で認められるべきだ。」という形も在ろう。
過去の判例云々が持ち出されるので在れば、“今回の当選はスパッと諦めた上で”、「抑論として、立候補の要件に「立候補地に生活実態が無ければいけない。』とする必要が在るのだろうか?」を、次の選挙に向けて訴えるのも手だ。
「極めて苦しい言い訳」と捉えられてしまう様な主張をし、ゴタゴタを延々と引っ張るよりも、認める部分はきちんと認めた上で、市民の理解を得られる様な別の主張をした方が良いと、老婆心乍ら思うのだけれど・・・。