ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「マスカレード・ホテル」

2012年06月25日 | 書籍関連

昨日、ホークス小久保裕紀選手が通算2千本安打を達成した。日本プロ野球史上、41人目の快挙おめでとう!

 

それにしても今季は、稲葉篤紀選手と宮本慎也選手が既に2千本安打を達成している。稲葉選手は4月28日、宮本選手は5月4日、そして小久保選手は6月24日に達成という事で、3ヶ月連続で2千本安打が成し遂げられており、こういう年も珍しい。一方で通算200勝や250セーヴ達成者が中々難い状況なのだから、「名球会の入会資格を変えるべきではないか?」と改めて思ってしまう。

 

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「昔、先輩からこんなふうに教わりました。ホテルに来る人々は、お客様という仮面を被っている、そのことを絶対に忘れてはならない、と。」

「ははあ、仮面ですか。」

「ホテルマンはお客様の素顔を想像しつつ、その仮面を尊重しなければなりません。決して、剥がそうと思ってはなりません。ある意味お客様は、仮面舞踏会を楽しむためにホテルに来ておられるのですから。」

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ホテルマン役として「姉さん、大変です!」という台詞を良く口にしていた役者が、今は離婚騒動で自分自身が大変な状況になっていたりするが、彼がホテルマンを演じていたドラマ「HOTEL」(動画)は、「超一流ホテルを舞台に、訪れる人々&働く人々の人間ドラマ。」を描いた、非常に面白い作品だった。今回読了した東野圭吾氏の小説「マスカレード・ホテル」も、超一流ホテルを舞台にした作品だ。因みに「マスカレード」とは、「仮面舞踏会」を意味する。

 

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内で起きた不可解な連続殺人事件。現場に残された或る手掛かりから、次の現場が超一流のホテル「コルテシア東京」と割り出された。

 

容疑者ターゲットも不明の、警察は大胆にも潜入捜査を開始。遣り手の刑事・新田浩介は、一流のフロント・スタッフの山岸尚美とコンビを組むに。其処へ、次々と怪しな客達が遣って来る

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全く無関係と思われていた3人の人間の死が、現場に残されていた或る物によって「連続殺人事件」で在る事が判明。其の或る物は、次の犯行現場を予告していると思われ、「コルテシア東京」が次の犯行現場と割り出される。、「連続殺人事件」というのも、「犯行予告」というのも、飽く迄も警察の推測で在り、故に警察としては大々的に警備する訳にもいかず、窮余の策として刑事達をホテルマンや客としてホテルに潜入させる事となる。

 

頭は切れるが、プライドが高い浩介は、仕事とはいえホテルマンにならなければいけない事に強い抵抗を覚える。又、一流のホテル・スタッフだけれど、「後進の育成」が苦手な尚美は、浩介の“教育”を命じられるが、ホテルマンの仕事を軽んじている様な浩介に対して不快を抱く。水と油の様な2人が、ホテルマンとして共に過ごす中で、徐々に御互いの仕事に対して理解を深めて行くのだが、「ホテルマンだからこそ気付く事」や「刑事だからこそ気付く事」というのが、面白い切り口だと思った。

 

ホテルには、色んな人間が訪れる。考え方や感じ方等が人其れ其れ異なるのも当然だが、善人も居れば悪人も居る。そんな“客達”に対してホテルマンは、「ホテル内で、如何に快適に過ごして貰えるか。」を第一義にして行動しなければならない。以前、「割がバイトでも最高の感動が生まれる ディズニーのホスピタリティ」 という本を読んだ際、一寸した言動で、相手を幸せにさせたり、不快にさせたりする。というのを思い知らされたのだが、此の小説からも同じ事が感じられた。

 

怪し気な客が次々に遣って来ては、彼等に関する“謎”が明かされて行く。客達の謎の数々が「小テーマ」とすれば、連続殺人事件の真犯人というのは「大テーマ」という事になり、其の“配分”が非常に上手い

 

又、真犯人は実に意外な人間で、自分は全く想像出来ない人物だった。「彼の人が真犯人だったのか!」という驚きは相当な物で、久し振りに大どんでん返し食らう事に。

 

浩介と尚美の2人は、シャーロック・ホームズジョン・H・ワトスンを思わせる名コンビ。2人の仲も気になるし、是非とも続編を期待したい。「コルテシア東京」を舞台にした作品となると、「同じホテルで、そう何度も事件が起こるものか!」という事になってしまうだろうから、「舞台を変えた上で、『ホテルマンの視点』と『刑事の視点』を組み合わせて謎を解く。」という形なら対応出来る

 

総合評価は、(星4.5個に限り無く近い)星4つとする。


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