昔書いたけれど、御笑い大好き人間の自分にとって「ザ・ドリフターズ」と「ビートたけし氏」は別格の存在。たっぷりと時間を掛け、練りに練り上げたドリフの笑いは、自分にとって“御笑いの教科書”と言って良いし、“瞬発力に抜きん出たビートたけし氏の笑いは、其れ迄の笑いの概念を一変させた“エポックメーキングな物”だったと思っている。
メンバーの内、2人が鬼籍に入ってしまったザ・ドリフターズ。一方、ビートたけし氏は未だにメディアへの露出度が高いけれど、昔の彼の凄さを知っている身としては、「老醜を晒しているなあ。」という感が強い。元々滑舌が良い方では無かったが、其れを補って余り在る瞬発力が在った。然し、今は滑舌の悪さが半端では無く、何を言っているのか聞き取れない事も少なく無い。直ぐに言葉が出ない事も多いし、何よりも言っている事に面白味を感じない事が結構在る。どう考えても面白く無い事を言っているのに、周りが“追従笑い”しているのが露骨に伝わって来るので、見ていて辛くなり、チャンネルを変えてしまう事も屡々。
昨日、移動中の車中で、或るラジオ番組を聞いていた。TBSラジオの「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」で、永六輔氏の番組を聞くのは4年振り位だろうか。最後に聞いた時も彼の言葉はハッキリしない部分が多かったけれど、昨日は殆ど話さず、話しても何を言っているのか良く判らなかった。周りが逐一“通訳”し、「そう言っていたのか。」と判る始末。
永氏が放送界に残した功績の大きさは認めているし、彼の言語が此処迄不明瞭になったのには病気(パーキンソン病やバセドウ病等)が大きく影響しているのも理解しているけれど、“腫れ物に触る様”な感じで周りに気を遣わせてしまう様では、正直どうかと思う。*1
今月末で「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」は終了するそうだが、「もっと以前に、永氏自らが終了を決断した方が良かった。引き時を間違えたなあ。」と、昨日の番組を聞いて痛感。
*1 大昔、高座に上がった際、眠ってしまったものの、其れが又“味”とされた落語家が居たそうだけれど、周りに気を遣わせてしまうという意味では、プロとしてどうかと自分は考える。(そういうのも含めて“味”と考える人が居ても、其れは其れで良いとは思っているが。)