ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「チーム・バチスタの栄光」

2008年04月01日 | 映画関連
3月30日、ラジオ番組「伊集院光 日曜日の秘密基地」が終了した。好きで良く聴いていたこの番組。特に「心に引っ掛かっている謎、埋まらない記憶を募集し、リスナーからの情報を元に調査&解明して行く。」という「秘密キッチの穴 」なるコーナーが大好きだった。謎を解明して行く過程で、付随する様々な事柄が同時に見えて来る。単なる謎解きでは無い面白さが其処には在った。ニコニコ動画で幾つか当該放送を聴く事が出来るが、中でも「大塚のデパートの中に在った学校」(当該放送)と「学校でプロ野球」(当該放送)は是非聴いて貰いたい内容で在る。

閑話休題

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難易度の高い心臓移植手術「バチスタ手術」を26例連続成功させていた、東城大学付属病院の専門集団「チーム・バチスタ」。“神の手”を持つ臓器制御外科助教授・桐生恭一(吉川晃司氏)をリーダーに、臓器制御外科講師で第一助手の垣谷雄次(佐野史郎氏)、臓器制御外科助手で第二助手の酒井利樹(玉山鉄二氏)、桐生の義弟にして病理医の鳴海涼(池内博之氏)、麻酔科講師の氷室貢一郎(田中直樹氏)、臨床工学技士の羽場貴之(田口浩正氏)、そして手術室看護師主任の大友直美(井川遥さん)で構成されたこのチームを人は「チーム・バチスタの奇跡」、「栄光の7人」等と呼んでいた。

しかしその手術が3例連続で失敗するという事態が。原因は果たして事故なのか?それとも故意の“殺人”なのか?不定愁訴外来の責任者で在り、窓際医師の田口公子(竹内結子さん)は、病院長・高階権太(國村隼氏)の命令を受けて手術失敗の内部調査を行う事になった。聞き取り調査の結果、彼女は単なる事故として調査を終了しようとするが、其処に“厚生労働省の超変人”白鳥圭輔(阿部寛氏)が乗り込んで来て・・・。
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現役の医師にして、現代医療が抱える問題点をテーマにした多くの小説を書き上げている作家でも在る海堂尊(かいどう・たける)氏。彼の処女作にして、大ベストセラーになった「チーム・バチスタの栄光」が映画化された。*1この小説は以前の記事で高く評価したが、映画ではどんな具合に描かれているか興味を持ち、映画館に足を運んだ。

先ずは配役だが、原作で白鳥と“迷”コンビを組む不定愁訴外来の医師は田口公平と男性になっている。映画では田口公子という女性に置き換えられており、ドラマ「ガリレオ」(原作は男性2人が主人公だが、ドラマでは男女に置き換えられている。)が始まる前に感じていた「安っぽい恋愛物にされてしまうのではないか。」というのと同じ不安が。しかし「ガリレオ」と同じく、それは杞憂だった。その点ではホッとしたのだが、原作を読んだ際に「優しさと頼りなさを併せ持つ田口公平:妻夫木聡氏、超変人で冴えない風貌の白鳥圭輔:柄本明氏」というイメージが自分の中で出来上がっていたので、この2人の配役、特に白鳥に関しては最後迄違和感が。近年は好んで「変人役」を演じている感の在る阿部氏だけに、この映画でも良く演じていたとは思うが、原作での「周囲に嫌悪感を撒き散らす様な白鳥の変人振り」には遠く及ばなかった気がする。

その他の配役は概して良かった。高階院長のライバルで在り、他者の手柄も自分の手柄にしてしまう臓器盛業外科教授・黒崎誠一郎を演じた平泉成氏(動画)。一癖も二癖も在る病院長・高階権太を演じた國村隼氏。頼りない田口を脇から支える、ベテラン看護師・藤原真琴を演じた野際陽子さん。そして「栄光の7人」の配役もなかなか良かったが、中でも吉川晃司氏が意外にも様になっていた。

原作がしっかりしているだけに、映画自体は面白い。唯、原作を読んだ身からすると、全体的に掘り下げが浅かったのが残念。登場人物個々の描かれ方が浅いし、医療現場でのセクショナリズムも取り上げられていなかった。原作の魅力の一つだった“毒々しさ”がかなり抜け落ちて、スッキリした仕上がりになっていた事に物足りなさを感じる。原作では“犯人”が口にした「これじゃあ、医師も壊れるぜ。」という言葉が強く心に残ったが、映画では犯人が何故其処迄追い込まれてしまったのか、イマイチ伝わり難かったのもマイナス評価。

原作の出来が良かっただけに、映画の評価は星3つとしたい。

*1 患者役の山口良一氏が病院内の庭で歌うシーン。ハードロッカーの如き衣装で決めているのに、実に弱々しい声量で「レモンティー」(シーナ&ザ・ロケッツ)を歌い上げるというギャップに爆笑。

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3 コメント

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Unknown (tak)
2008-04-01 01:39:03
いや、平泉成の動画が末吉君ってw
でも彼は平泉さん以外のモノマネも面白いですね~
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>tak様 (giants-55)
2008-04-01 01:56:39
書き込み有難う御座いました。

末吉くん氏の物真似大好きなんです。特に平泉成氏の物真似は、何度見ても爆笑。かなり特徴が在るのに、意外と物真似されて来なかった人ですよね。

「チーム・バチスタの栄光」、原作は医師達の“心の葛藤”が上手く描かれていたのに、映画ではその辺が駄目でした。何故“犯人”が其処迄追い込まれてしまったのかが、残念乍ら上手く伝わらなかった様に感じます。
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Unknown (moriyuh)
2008-04-04 17:59:26
こんにちは。
TBありがとうございました。
私もお返しさせていただきました。

>原作を読んだ身からすると、全体的に掘り下げが浅かったのが残念。

そういうご意見多いですね。
ちょっとまだ読んでいませんが、GWあたりに読みたいなぁ…と思っています。

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