「ガーディアン」

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匿名生徒による自警団「ガーディアン」が治安を守る中学校に赴任した秋葉悟郎（あきば　ごろう）は、問題が少なく、安堵する。ガーディアンのメンバーは、問題の在る生徒等に「制裁」を行っていた。相次ぐ長期欠席を怪しんだ秋葉は、生徒の身を案じるが、同僚は激務に疲弊し、事勿れ主義だ。秋葉が学校の秘密に気付くと、少年少女は一変し、天国から地獄に叩き落とされる。大人と子供の思惑が、幾重にも交差し・・・。

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薬丸岳氏の小説「ガーディアン」は、表面的には穏やかな中学校の裏に秘められた真実を、突き止め様とする１人の教師の姿を描いている。一見穏やかな其の学校では、「ガーディアン」なる自警団が存在し、“問題の在る生徒達”に制裁を加えているのだが、其の“問題”というのが時には恣意的で在り、又、問題の在る生徒達に制裁を加え続ける為には、どんな手段を使っても構わないといった点に、読み手は考えさせられる事だろう。

 

読ませる内容では在るが、不満が無い訳では無い。１つは、登場する生徒達の数が多く、読んでいて「どういう人物だったっけ？」と、前に遡ってチェックする事が何度か在った。多過ぎて、個々のキャラクターに感情移入し辛かったし、巻頭に「登場人物相関図」の様な物が欲しい。

 

そして、もう１つの不満は“エンディング”に付いて。ネタバレになるので詳しくは書かないが、「どういう事なのかが、ハッキリ明示されておらず、読み手によって解釈が分かれるで在ろう。」事。解釈によっては、納得し難く感じるだろうし、モヤモヤした思いも残る事だろう。

 

総合評価は、星３．５個とする。