本題に入る前に、今日「5月9日」という日、過去にどういう事が起こったかに付いて触れる。
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・1883年5月9日:日本の県として富山県、佐賀県、そして宮崎県が再置される。
・1994年5月9日:オウム真理教による「滝本弁護士サリン襲撃事件」が発生。
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「坂田山心中事件」は、亡くなった女性の死体が一時期“消えて”しまう等、多くの注目を集めたと言う。又、此の事件を表した「天国に結ぶ恋」という表現は、流行語になった事でも有名。
では、本題に入る。
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「釣り餌幼虫がポリ袋分解=酵素で塵処理可能?-英大学等」(4月25日、時事通信)
魚釣り等の餌として市販される蛾の幼虫が、ポリ袋の主な素材であるポリエチレンを食べて分解する事が判った。英ケンブリッジ大とスペイン国立研究協議会の研究チームが25日、米科学誌「カレント・バイオロジー(電子版)」に発表した。分解酵素の作用と考えられ、特定して生産出来れば、大量のポリエチレン塵の処理に利用出来ると言う。
此の「ハチノスツヅリガ」の幼虫は、釣り餌としては「ブドウムシ」、ペットの爬虫類等の餌としては「ハニーワーム」と呼ばれる。元々蜜蜂の巣を形作る蜜蝋を食べて育つ為、有機化合物を分解する能力が高い。
研究チームがポリ袋1つに約100匹の幼虫を入れた所、40分で穴が開き始め、12時間後にはポリ袋の重さが92ミリグラム減っていた。化学分析の結果、幼虫の体内ではポリエチレンがエチレングリコールに分解されていた。此の物質は自動車エンジンの冷却液に凍結防止の為、添加する用途等が知られる。
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以前、ドキュメンタリー番組「プラネットアース」にて、硫酸内で生きる魚を知り、「こんな所で生きられる生物が居るのか!」と驚いた。食べ物に関しても、我々人間の感覚では考えられない様な物を食す生物が居たりする。今回のハチノスツヅリガも、そんな類いで、「蓼食う虫も好き好き」とは、正に此の事。
合成樹脂製品は通常、分解されずに自然環境に残ってしまう事から、塵問題の1つとなっている。合成樹脂成分を分解する微生物自体は幾つか存在しているが、化学薬品による処理が必要だったり、分解に長時間を要したりと、多くの課題を抱えているのだとか。今回の発見が、塵問題解決への一助になれば良いが。