ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

思い違いが在ったのでは?

2011年12月21日 | スポーツ関連

シーズンオフジャイアンツの戦力補強が凄まじい。先月の記事「しっかりしろ、ジャイアンツ!!」でも書いたが、自分は戦力補強自体を否定している訳では無く、「出来得る限り自チーム内で選手の育成を図り其れでも“足りない部分”が出てしまうので在れば、“きちんとルールに則った上で”、足りない部分を他所から戦力補強をするのは在り。」と考えている。

 

今季のジャイアンツは“信頼出来る先発投手”が内海哲也投手と澤村拓一投手の2人だけだった事、そして其の内海投手が来年のシーズンオフにもメジャー移籍する可能性が在る事を考え合わせると、先発投手の補強を考えるのは決して方向違いでは無く、杉内俊哉投手及びD.J.ホールトン投手の獲得は理解出来る。

 

、理解は出来ても、心情的には実に複雑。パ・リーグで応援しているチームはホークスで在り、其処から主力投手を引き抜いたのは事実なのだから。そして何よりも、此処数年のジャイアンツが掲げていた「育成のジャイアンツ」という旗印を、ファンの1人として高く評価し、誇りにも思っていたので。「大補強在りき」という嘗てのスタンスに戻ってしまったとしたら、ジャイアンツから離れてしまうファンも出て来るのではなかろうか。

 

「育成」と「補強」は、絶妙バランスで行われなければならない。「育成至上主義」だったのが清武英利前球団代表だったとしたら、原辰徳監督は「補強至上主義」という話も在る。長嶋茂雄元監督も相当な物だったが、原監督の“クレクレタコラ度”(動画)も可成りの物だとか。キー・パーソン2人のチーム作りに関する考え方が余りに違い過ぎ、其れがに「大補強⇒育成一本槍⇒大補強」という極端な方向転換となってしまったのかもしれない。

 

何はともあれ、ゴタゴタ劇を繰り広げたジャイアンツに来てくれた選手達には、心から感謝したい。あんなにも醜態晒し続けたチームに、入る決心をするのは相当な物と思うから。

 

ジャイアンツ入りを決めた選手の中で、一番印象に残ったのは杉内投手だった。彼の会見を見る限り、「ホークスへの愛着」は相当在る様に感じられたし、恐らくは「ホークスに残留」という気持ちも決して小さくなかったと思う。残留交渉でホークスは、ジャイアンツが提示したのと同等額(一説には、其れ以上の額とも。)を提示したと言われている。杉内投手が強く主張していた様に、残留から移籍に心が動いたのは「感情面の蟠り」が一番だったのではないだろうか?

 

残留交渉で杉内投手は、編成育成部長の小林至取締役から相当非礼な言動をされた様だ。双方の信頼関係で成り立っている交渉の場で、小林取締役は発言内容を録音しようとしたり、ソファーに踏ん反り返って話をしたりと、非礼な態度を取ったと言う。又、昨年の契約交渉では、「新しく導入された年俸変動制度にフロント固執するので在れば、来年、FA宣言せざるを得なくなってしまう。」とする杉内投手に対して、小林取締役は(FA宣言しても)獲りに行く所が在りますか?と言い放ったとか。杉内投手の発言を“脅し”と取ったのかもしれないが、チームに長年貢献して来た選手、其れも超一流の選手に対して、絶対に言ってはならない非礼過ぎる発言だろう。

 

有名な話だが、小林取締役は東大出の元プロ野球選手で在る。現役選手として結果を残す事は出来なかったが、引退後は様々な経験を積み、6年前にホークスのフロント入りを果たした。「東大出の元プロ野球選手」という共通点を持つ井出峻氏が、ドラゴンズのフロントで四半世紀近くも頑張っている事も在り、小林取締役の手腕に期待をした時期も在ったが、伝わって来るのは芳しくない話が殆ど

 

此処からは自分の推測になってしまうのだが、プロ野球選手としては実績を残せなかった小林取締役にとって、「現役選手達、特に一流選手達に舐められてはいけない。」という思いが強かったのではないだろうか。個人事業主たる選手達と対等に接するのでは無く、虚勢を張る様になってしまったのだとしたら、其れはとんでもない思い違いだ。

 

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「ソフトバンク球団の小林至取締役、杉内流出で引責辞任」(12月20日、朝日新聞

 

プロ野球ソフトバンクの小林至取締役・編成育成部長(43歳)が20日、杉内投手が巨人に移籍した事を受け、球団に引責辞任を申し出て了承された。小林氏は昨オフの杉内側との契約更改で「フリーエージェント(FA)宣言しても取る球団が無い。」という趣旨の発言をしたとされ、左腕エースがFA移籍する引き金になった。

 

笠井和彦球団社長は、小林氏が辞任を申し出た理由に付いて、「杉内投手が残留出来ず、ファンに迷惑を掛け、責任を取りたいという事だった。」と説明。「不用意な発言、誤解を生む発言が在った。」としている。小林氏は取締役を外れて海外担当兼中長期戦略担当部長となり、後任の編成育成部長には石渡茂・同部長補佐を充てる

 

小林氏は東大からロッテに入団したが、未勝利の1993年に退団。米国留学等を経て、2005年からソフトバンクの取締役に就任していた。

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非礼過ぎる言動が事実だとしたら、小林取締役の引責辞任は当然だろう。 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>なみ様 (giants-55)
2011-12-25 22:01:05
書き込み有り難う御座いました。

杉内投手が一流投手で在るのは間違い無いし、そんな彼がジャイアンツに移籍してくれた事は非常に嬉しい。でもジャイアンツが誠意を見せる意味合いで「18番譲渡」を持ち出したのは、ジャイアンツ・ファンの1人として残念でした。「杉内投手が、18番を背負うに値しない。」と言っているのでは無く、彼の実績を考えたら18番を背負ってもおかしくはないと思います。でも「18番」は投手、取り分けジャイアンツの投手にとっては特別な背番号。ジャイアンツに入って実績を残し続けた上での譲渡なら良いのですが、「入ってくれたら、18番を上げます。」的な遣り方は、本当に残念。

欲しがっていた澤村拓一投手も然る事乍ら、「此処一番で頼りにならない。」と非難され続けて来て、やっと「真のエースの座」を掴み取った内海哲也投手に譲渡して欲しかった。

「日本的な美徳意識」で言えば、何度も辞退した上で、「其処迄仰るのならば。」と18番を貰うのが良いのでしょうが、アッサリ貰ってしまう所が杉内投手らしいとも言えます。彼は良くも悪くも“子供っぽい”所が在り、「嘗て2回7失点で早々に降板した際、利き手でベンチを殴り捲って骨折してしまい、戦線離脱を余儀無くされ、大罰金を食らった。」(http://www.youtube.com/watch?v=q8k7lW_RfQQ)という過去を思うと、「彼らしいなあ。」と思ってしまいました。
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お返事ありがとうございました (なみ)
2011-12-25 16:25:25
入団会見も終わって今更ですが、背番号18だけは今でも引っかかっています。やはり澤村投手にあげるべきだったんじゃないでしょうか。
杉内投手も辞退するどころか嬉々として受け取ってしまうあたり、一部のファンの方々の神経逆撫でしてしまったことには気がついてないようで。
まあ良くも悪くもあれが杉内、立派な実績と見合わぬ無邪気な言動込みで受け取って頂くしかありません。
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>spade様 (giants-55)
2011-12-23 21:42:34
書き込み有り難う御座いました。

様々な経験を積んで来たという事も在り、ホークス入りした小林氏には興味を持っていたのですが、聞こえて来るのは芳しくない話許りで、「トラブルの種にならなければ良いけど。」というのが近年の思いでした。「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」という川柳が在りますが、こういう姿勢は非常に大事な事ですね。

ホークス、チームとしては決して悪くない環境と思うんです。プレーオフで散々泣かされ続けて来たホークスにとって、「何としてもプレーオフで勝ち抜き、そして日本一になりたい。」とういう思いは非常に強かった事でしょう。其の思いが余りに強過ぎた為、いざ日本一になってしまった事で「虚脱感」を感じてしまった選手が、結構居たのではないでしょうか。其の虚脱感を埋めるのが「メジャー挑戦」で在り、又、「新天地への移籍」だったとしたら、今オフにドッとホークスから選手達が流出したのも、何となく判る気もします。
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まあこうなることは (spade)
2011-12-23 15:19:38
小林氏、過去の行動、言動(自由連合から出馬、著書のタイトル等々)からして、この人はちょっと…と思ってたから、まあ驚かないです。しかし日本一になったのに、ロッテみたいに貧乏ってわけでもないのにどうなってんの?よっぽど人間関係悪いのか、福岡が嫌なのかとかかんぐってしまう(福岡はとても良いところだが、やっぱ引退後の生活を考えると福岡ローカルのパイの奪い合いより、巨人とかメジャーとか箔付け必要なんだろか)
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>なみ様 (giants-55)
2011-12-22 14:24:21
書き込み有り難う御座いました。

「金さえ積み上げれば、どんな選手でも獲れる。『ジャイアンツ』という看板に惹かれない選手なんぞ、世の中に居る訳が無い。」。嘗てのジャイアンツのフロントは、そんな人間で溢れ返っていた気がします。しかし時代は変わり、そういう人間も少なくなった様な感じがし、ジャイアンツ・ファンとしては嬉しく思っておりました。

多くが納得し得る理由や状況が在れば、ジャイアンツは補強に走るのは決して悪い事では無い。でも今オフのジャイアンツの補強には、嘗ての「兎に角、大型選手を掻き集めさえすれば良い。」といった思考が少々見受けられ、非常に残念。又、幾らルールに則ったとは言え、他チームが一生懸命育てた選手を獲るというのは唯でさえ心苦しい事なのに、パ・リーグで応援しているチームから、其れも主力級が次々に流出している状況下でという事が、余計に心を重くさせます。

「1年1年に勝負を賭け、先が見えない生業だからこそ、成功すれば多くの金銭と名誉が得られる。」のがプロの世界。其れを判っている筈なのに、「安定した生活の保障」を求めるかの様な言動が在ったとされる杉内投手。「そんな主張はしていない。」という報道も在りますので真偽の程は定かで無いけれど、もし事実だとすれば其の点に於いては杉内投手を支持出来ない。他の面でも、「其れはどうかなあ?」と思う所も無い訳では無く、杉内投手を全面的に支持している訳では無いのですが、唯、小林取締役の件の発言は、プロで生きる者としてはどうしても看過出来なかったで在ろう事は理解出来ます。

こういう結果となってしまった以上、来年は杉内投手&ホークス双方にとって良い1年になって欲しいものです。
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お久しぶりです (なみ)
2011-12-22 10:35:20
杉内投手の移籍のこと、ホークスファンへのお気遣いありがとうございます。お互い複雑な心境ですね。
杉内投手が最後に小林氏の発言を持ち出したこと、正直あまりよくは思えませんでした。
FA宣言の時点で、「去年こんなこと言われたけど他球団の評価を確かめたい」というのなら納得できましたし、球団側も対応のしようがあったと思うのですが。
移籍の時に世間の同情を得られる切り札として取っておいたかな、と。ひねくれた見方ですが。
小林氏は実際トラブル多かったですし、擁護する気はさらさらないのですが、杉内投手の代理人も決して評判よくはなかったので、額面通りに受け取っていいものか迷います。
まあその代理人さんも今後は巨人のフロント相手のお仕事になりますね。杉内投手ともども、活躍されることと思います。
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