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アメリカはサウスダコタ州の砂漠の中に、全てをコンピューターで一元管理している病院が在った。此のコンピューター「U-18」は、頭脳(ブレーン)と呼ばれていた。
或る時、U-18の回路に、故障箇所が発生。“意思”を持つU-18は患者を人質に取り、「自分の“治療”をブラック・ジャックにさせねば、全ての患者を殺す。」と言い出す。
U-18の生みの親とも言うべきワットマン博士は、フランスに居たブラック・ジャックに治療を依頼。「治療する患者がコンピューター。」という前代未聞の依頼に対し、ブラック・ジャックは治療費として300万ドルを要求する。
治療の為、病院を訪れたブラック・ジャック。治療中はU-18と雖も、全電源を落とさなければならない。其の事に乗じ、病院の職員達はU-18を解体し、ワシントンから新しい頭脳を取り寄せ様とするが、ブラック・ジャックは「手術中だ!」と言って、彼等を追い出す。
全ての治療が済み、全電源が入れられた。元に戻ったU-18は、別室での博士等の会話を聞き、ブラック・ジャックが自分を救った事を知る。そしてU-18は、自分自身の引退を告げるのだった。
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手塚治虫氏の代表作の1つ「ブラック・ジャック」。自分の意思を持つコンピューター「U-18」が登場する「U-18は知っていた」という話は、強く印象に残っている。「人間が完璧で無いのと同様に、機械も完璧では無い。機械が“暴走”する事も在る。」というのを、此の「U-18は知っていた」で思い知らされたから。
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「行き先設定すれば目的地へ・・・日産が自動運転カー」(8月28日、読売新聞)
日産自動車は27日、「行き先を設定するだけで、ドライヴァーが運転しなくても、目的地迄辿り着ける自動運転カーの技術開発に成功した。」と発表した。
歩行者等が居る市街地でも走行出来るのが特徴で、2020年迄に実用化し、発売する計画だ。実現すれば、自動車メーカーで世界初となる。安倍 政権は成長戦略で、自動運転技術の開発を掲げており、官民の取り組みが本格化して来た事で、操作の要らない“夢の車”が現実味を帯びて来た。
試作車は、電気自動車(EV)「リーフ」がベースで、自動運転モードに切り替えて目的地を設定すると、フロント・ミラー裏等に備え付けた5台のカメラが信号の色や標識、歩行者等を認識し、自動走行する。
車体の前後や側面には、光線や音波等で位置を認識するセンサーを20個以上取り付け、標識や歩行者を認識する。アンディ・パーマー副社長は「(地図情報システム等の)インフラ(社会基盤)に頼らない運転を目指す。」と言う。
市販価格は現時点では未定だが、「一般家庭への普及が可能な程度に、手頃な価格帯。」(日産)を計画していると言う。
日産は27日、自動運転への関心が高い米カリフォルニア州で、報道陣向けのテスト走行を行った。
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昨日のニュース番組では、此の「自動運転カー」の事が大きく取り上げられていた。此方に記されている様に、「自動操縦システム」は航空機や船等に導入されているのは知っているが、自動車への導入となると、どうしても不安を感じてしまう。「前面に飛び出して来た人や車を、自動運転カーがすっと避けたり、急ブレーキを掛けたりというシーン。」が放送されていたが、「避けた方向に障害物や車が在ったり、人が居たりしたら、どうするんだろう?」とか「機械が異常を来し、何でも無いのに高速道路で急ブレーキを掛けたら、非常に危険なんじゃないかなあ?」等の懸念が在るから。
頭が良い人達が開発している事だから、其の辺の対策は十二分に講じられているとは思うが、機械も完璧では無い。何よりも自動車に導入された場合には、航空機や船等とは比較にならない程、膨大な台数となろうから、不具合が起こる可能性も高まるだろう。「自動運転時に事故が発生した場合、誰の責任になるのか?」等、法律面での問題点も在る。
ハイブリッドカーや電気自動車を街中で結構見掛ける様になりましたが、其れでも全ての自動車の中で言えば、占める割合は大多数には成り得ていない。何れはもっと増えて行くのだろうけれど、従来の自動車が消滅する迄には、相当の年月を要する事でしょうね。
自動運転カーが市販化されても、人が運転するタイプの車が大多数な状態は相当続くだろうし、そうなると「運転免許」というのも、「少なくとも我々が生きている間は、無くならないのではないかなあ。」という気がします。
昨日、リニアモーターカーのニュースが大きく取り上げられていました。「東京-名古屋間」が最短40分で結ばれるというのは驚きですが、では「乗車運賃は幾らになるんだろう?」と考えた時、結構な値段になるのは確かではないかと。金額にもよりますが、余りにも高い様だと「其処迄して乗る人が居るかなあ?」という気も。まあ開業予定が14年後という事ですから、未だ未だ先の話。「東京-大阪間」の開業予定に到っては32年後という事ですから、恐らく自分は生きていないのではないかと思ったりしています。
「機械」は人間の労力を軽減してくれる素晴らしい存在で在りますが、同時に過信し過ぎてしまうと、非常に怖い存在でも在る。自動運転カーという物に「未来性」を感じるけれど、だからと言って、全てを委ねてしまうというのには抵抗が在ります。
それどころか運転免許が要らなくなるかも・・・な訳無いですよねでも自動運転が確立されたら確実に上記の行為が増えるでしょうね
しかし高速を80~100キロで自動運転で走るなんて想像出来ませんね
素晴らしい技術ですが、実際に見かける日があれば最初はギョっとすると思います。中にはビックリしすぎてショック死する歩行者もいるかもしれません。
そしてGiants55さんご懸念のような事故もあるでしょう。AT車の誤作動を考えれば不思議なことではないです。
「自動車が勝手に動いて目的地に運んでくれるのは、公共の交通機関だけにして貰えると良いかと思います。」というマヌケ様の書き込みに、自分が感じていた違和感の1つが判りました。自動運転カーって、結局は「個室を有する交通機関」って事なんですよね。個室を有する快適さは在ろうけれど、「『XXに行こうかと思ったけど、人が多く集まっているみたいだから、△△に行く事にしよう』と自らが思考して、ハンドルを切り替えるといった気儘さが無い自動運転カーって、果たして楽しいのだろうか?」という違和感が。