ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

なったらなったで

2009年01月05日 | 時事ネタ関連
① 公訴時効の見直し

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殺人など重大事件、時効を撤廃含め見直し・・・法務省」(1月4日、読売新聞

法務省は3日、殺人等の重大事件の公訴時効を見直す方向で検討に入った。刑事訴訟法は殺人等「死刑に当たる罪」の時効期間を25年と定めているが、期間の延長や時効の撤廃も含めて検討する。今月中旬に法務省内に刑事局を中心とする勉強会を設置し、3月に報告書を纏める方針だ。

勉強会での具体的な検討事項としては、重大事件に限り時効を撤廃する事の可否や時効期間を40~50年に延長したり、遺族等が裁判所に請求した場合は、時効の進行を停止する制度を設けたりする事等が想定されている。

公訴時効は犯罪が終わった時点から一定の期間を経過したら起訴出来なくなる制度で、「(1)時の経過で遺族や被害者の処罰感情が薄れる。(2)証拠が散逸して公正な裁判の実現が難しくなる。(3)捜査機関が長期捜査に伴う様々な負担から解放される。」等が、時効の存在する理由とされている。法務省によると、2007年中に時効が成立した殺人事件は58件に上る。

これに対し、「全国犯罪被害者の会」が2008年11月の大会で「被害感情は時の経過で薄くなる事は無く、寧ろ日に日に増して行く。」として、時効廃止を求める決議を行った。2000年12月に起きた東京都東京都世田谷区の一家4人殺害事件の遺族等も2008年12月に記者会見し、時効制度の見直しを訴える等、被害者の側から公訴時効見直しを求める声が強まっている。

一方、証拠の散逸に付いても、近年DNA鑑定等科学捜査の進歩で、証拠の長期保全が可能になっているという事情も在る。2004年8月に東京都足立区の小学校の元警備員の男が26年前に女性教諭を殺害したとして警視庁自首し、供述通り遺体が見付かる等、時効成立後に犯人が殺人を自供するケースも在り、「真犯人だと科学的な裏付けが取れるのに時効後だから起訴出来ず、悔しい思いをする捜査員は多い。」(法務省幹部)と言う。

法務省では、時効見直しに対する遺族等の要望が強まっている事に加え、今年5月の裁判員制度開始で、一般国民が刑事裁判に参加する事から国民の間で時効制度への疑問を解消する意味でも議論を整理する必要が在ると判断し、勉強会の設置を決めた。

唯、公訴時効の期間は2005年施行の改正刑事訴訟法で「死刑に当たる罪」は15年から25年に延長されており、同省内には改定に慎重な意見も在る。
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昨年の記事「公訴時効」でも書いたが、公訴時効の延長乃至は撤廃というのに自分は賛成だ。時の経過により被害感情が薄まって行く遺族も居るだろうが、その多くは薄れる事なぞ無いだろう。悪事を為した者には、しっかりとその償いをさせる。その為にも、公訴時効を延長方向で見直して欲しい。

② なったらなったで

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明代の『万里の長城』、22%がすでに消失 ― 内モンゴル自治区」(1月2日、Record China

2008年12月31日、内モンゴル自治区測絵(測量・製図)事業局等の調査によると、同自治区内に在る代(1368~1644年)に作られた万里の長城の内、全体の約22%に当たる157.515kmが既に消失している事が判った。新華社通信(電子版)が伝えた。

同自治区内の万里の長城は、12都市(盟を含む)・70県以上に跨がっており、代(紀元前221~紀元前206年)に作られた物から明代の物迄併せると、全長約1万5,000kmに及ぶ。

この内明代に作られた物は全長712.603kmで、この程「内モンゴル自治区文物考古研究所2008年度考古学フォーラム」で発表されたデータによると、「壁」が実在している部分は555.088kmに過ぎず、全体の約22%に当たる157.515kmが既に消失している事が判った。

消失の原因として、関係者は「長時間を経過した事による自然要因に加え、人為的な要因も大きい。」と分析している。
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全長が約1万5,000kmにも及ぶというのだから、それをきっちり管理するなんて無理だろう。日本の小さな寺社ですら、その管理は難しいのだから。地域によっては万里の長城の壁を削り取って、それを建築資材等に流用しているケースも在ると聞くし、「良くぞ消失が22%で済んでいるなあ。」というのが実感だ。

名所を世界遺産に登録して貰うべく、各地方自治体躍起になっている我が国。登録となれば世界各地から旅行客が押し寄せる事だろう。唯、世界遺産になったらなったで、その管理はそれ迄以上に大変なのも確かかと。

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3 コメント

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Unknown (マヌケ)
2009-01-05 11:37:37
タイのナコンパトムという町からカンチャナブリ、ナムトックという町を旅した時、タイにも砂漠があるのだとびっくりし、その砂漠の中の小高い丘に大昔の遺跡を見つけてさらにびっくりしたことがあります。 タイなどでも、観光地から離れると頭のない仏像など、無残な状態になっている遺跡を目にすることがあります。
カンボジアのアンコールワットなどがその最たるものではないでしょうか。 自然による侵食だけでなく、内戦もですが、高値で売買されることから、持ち運びしやすい仏様の頭だけを持ち去る人間がいます。 文化遺産に対する関心が、貴重であるがゆえに、大切にするどころか、生活の糧にしてしまう方に向いてしまうのですね。 それはその国が貧しいこともあるのですが、心の貧しさまで現しているのではないかと思います。 スペースシャトルからも見える人口建造物でもある、万里の長城もボロボロなんですね。 歴史的な建造物と近代建築が一緒に立ち並ぶ今の中国はとてもおもしろいのですが、木造の建築物が自動車の排気ガスなどにやられて劣化が目立つそうです。 そして、アンコールワットもそうですが、日本が修復や保存に大きな貢献をしています。 お正月に正倉院の特集をBSで見たのですが劣化した天平の宝物を修復する学芸員の方々のお仕事にとても興味をそそられましたし、文化遺産を大切にするための英知が祖先から受け継がれていく素晴らしさにも感動しました。 中に保存されている香木の一部を信長が切り取り持ち帰った記録や、家康が貴重なモノを保管するためのヒノキの箱をいくつも献上したことなど、とてもおもしろかった。 このままではその国のその国たらしめているものが無くなるという危機感が、火災や震災、戦争、モラルの低下による放火や放置、盗難、落書き、公害、侵食などにまかせておいてよいのか、日本的なものは京都や奈良だけ、中国的なものは天安門だけなんてことになってしまったら・・・生きることに精一杯でそんなどころでない?では情けない。 世界遺産という、それこそ、デジタル高画質で見るべき番組がありますが、こういう番組は静かにうっとり感動させることによって訴えかけるものがありますね。 タイの話に戻るのですが、投資家がホテルやショップなどを建設する時に、まずは物価の安い国際都市で試して見るのだそうです。 それがバンコクなのだそうで、バンコクにはないものがないくらい最先端があるとのこと。 そこで成功すれば次はニューヨーク・ロンドン・東京・パリといった具合に同じものができるのだそうです。 儲けることしか考えない建設は手痛い破壊が伴います。 そういうことも経済の停滞で少しは考える時間ができるのかなと思います。 オリンピックのために立ち退きを余儀なくされた古い町並みに住む北京の人たちのニュースのことなんかがちょっと思い起こされました。
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>マヌケ様 (giants-55)
2009-01-05 18:34:02
書き込み有難う御座いました。

先月にもチラッと書いたのですが、「報道ステーション」で報じていたドバイ経済の崩壊には唖然とさせられました。「未来都市」を大々的に謳う裏側は、実態が全く伴っていない“張り子の虎”で在った事が露呈した訳ですが、これはドバイだけの話では無いでしょうね。

北京オリンピック絡みで著しい経済発展を遂げた中国も、内実がその数字に伴っているかどうか疑わしい。とてつもない金持ちを生み出した一方で、目先の食べ物を心配しなければならない人達も多く存在している。そんな人達が生きる為に、万里の長城を壊して生活の糧にしているやもしれない。もしそうで在れば、自分は彼等を全面的に批判出来ないというのが正直な所です。
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今年もよろしくお願いします。 (ハムぞー)
2009-01-05 21:59:15
特定の重大な犯罪については
公訴時効の延長をの意見は、賛成です。

なるほど捜査本部の云々などもありましょうが
それはそれで、何らかの証拠が見つかった場合
考えればいい話だし。

逃げ得を許さないという
その考え方が大事だと思います。
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