移動中の車内でラジオ番組を聞いていたら、“自身が司会を務めた襲名披露宴の話”を赤江珠緒さんがしていた。襲名披露宴とは、「新進気鋭の講談師として注目を浴びている神田松之丞氏の真打昇進、そして2月11日講談の大名跡・神田伯山(かんだ はくざん)の6代目を襲名する事を祝っての宴。」だ。会場には約400人の招待客が訪れたと言う。
彼女が驚いた事の1つが“中締め”に付いて。自分は以前、何かの本で読んだ事が在ったのだけれど、こういう襲名披露宴では、宴が始まってから時間を置かずに、“中締め”が行われる。普通は宴が盛り上がった中程に中締めが行われる物だが、「芸人が多く参加する襲名披露宴の場合、演芸場に出演する時間も考え、顔を出したら直ぐに“抜けられる”様に配慮されている。」のだ。
講談の世界に付いて良く知らない赤江さんは、神田氏の奥様から色々話を聞いた。今回襲名する「神田伯山」という名跡は、過去に4人(4代目は飛ばされている。)が名乗っているが、皆“名人”と呼ばれる様な人達。「伯山」を赤江さんは「ハ→ク→ザ→ン→」とフラットに発音していたのだが、「掛け算(かけざん)」の発音と一緒で、「ハ→ク↑ザ→ン→」というのが正しいのだとか。
又、神田伯山の墓は“一番新しい代の神田伯山”が守る事になるので、奥様曰く「6代目が亡くなったら、“家族と入る墓”の他に、“7代目が守る墓”に分骨しなければいけないかも。」と。大名跡を得たら得たで、色々面倒臭い様だ。
講談は「一字一句、其れこそ“てにをは”に到る迄完璧に覚えなければいけない。」そうで、だからこそ“てにをは”1つ間違えてしまうと、後が思い出せなくなってしまう事も在るらしい。そんなにも繊細な話芸だったとは・・・。