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「鰐約300匹殺される、男性1人死亡の『報復』 インドネシア」(7月16日、AFPBB News)
インドネシアで、男性1人が鰐に殺害され、此れに激怒した集団が300匹近い鰐を殺す事件が在った。当局が16日、明らかにした。
警察と野生生物保全当局によると、現場は同国最東部パプア州。男性(48歳)が家畜の餌となる牧草を捜していた所、保護種に指定されている鰐の養殖場に落下。男性は鰐に脚を噛まれた上、尾で打たれたのが致命傷となって亡くなったと言う。
住宅地の傍に養殖場が在る事に激怒した男性の親族と近隣住民等は、14日に行われた葬儀後に、地元警察署へ押し掛けた。
同地の野生生物保全局は、養殖場側が賠償金を支払う事に同意したと説明したものの、「数百人」規模で暴徒化した一行は納得せず、ナイフや鉈、シャヴェルを手に養殖場へ向かい、「報復」として292匹の鰐を殺したと言う。死んだ鰐の中には、10cm程の幼体から2mの成体も居たとされる。
警察や保全当局者の方が数では上回ったにも拘らず、鰐への非情な攻撃を阻止する事は出来なかった。当局は捜査に乗り出しており、刑事責任を問う可能性も在ると言う。
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爬虫類が好きでは無い。だから、動物園で遠くから鰐を観察は出来ても、近寄ったり、況してや触りたいとは思わない。そんな自分だけれど、今回の事件の映像を見た時、鰐達に対して「可哀想に。」という思いが湧いた。
件の養殖所、保護種に指定されてるいる鰐を保護&養殖すべく、政府によって設けられたそうだ。住宅地の傍に設けられたという事で、元々近隣住民から反対する声が結構在ったのかもしれない。又、養殖所の管理体制、例えば「外部から、簡単に入れない様にしていたのかどうか?」というのも、良く判らない。そういう判らない部分が結構在るので、軽々にどうこう言えないのだが、「必要最低限の管理体制が取られていた。」という大前提で言うならば、亡くなった男性の過失は否定出来ないだろう。
又、元々施設に不満が在った近隣住民達、そして被害者の遺族の怒りというのは理解出来なくも無いけれど、だからと言って「鰐を惨殺する。」という行為は筋違い。「頭部に紐を掛けられ、次々と水の中から引き摺り出される鰐達の姿。」、そして「惨殺された鰐達が、地面に山の様に積み上げられている光景。(非常に小さな鰐も居た。)」は“ジェノサイド”を思わせる悍ましさが在り、正視するに忍びなかった。