ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“一人一殺”は、もう見られない!?

2020年02月06日 | スポーツ関連

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ワン・ポイント・リリーフ: 野球で、攻撃チームの或るある打者のみを打ち取る目的で、守備チームが救援投手起用する戦法
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1960年代の球界を知っていても、当時の大洋ホエールズに在籍していた平岡一郎投手の事を覚えている方は、そう多くないかも知れない。「プロ生活11年の通算成績は『22勝30敗』で、防御率は『3.51』。」と、はっきり言って一流と呼べる選手では無いけれど、“特別な投手”で在ったのは事実。「当時の三原脩監督により、
王貞治選手相手のワン・ポイント・リリーフとして起用され、王選手に対しては『通算50打数13安打打率:.260、10奪三振被本塁打。』という記録を残し、“王キラー”と呼ばれた。」ので。平岡投手は日本球界に於て、“ワン・ポイント・リリーフの的存在”と言って良いだろう。

又、ワン・ポイント・リリーフと言えば、タイガースに在籍していた遠山奬志投手も忘れられない1人だ。1999年6月13日、甲子園で行われた「タイガース対ジャイアンツ」の一戦。7回表のジャイアンツの攻撃は、23塁で打席に入ったのは石井浩郎選手。此処でタイガース・ベンチは、「マウンド上の投手に対し、“敬遠”を指示。そして、遠山投手を登板させ、次打者の松井秀喜選手と勝負。」という策を選択した。

前年の1998年、松井選手は本塁打王打点王の“二冠”に輝いており、“日本最強のスラッガー”という存在だった。そんな打者に対し、“左打ち対左投げ”という異例の選択をしたタイガース・ベンチ。「指示を聞いて驚きましたよ。松井君が怒っているのは、顔を見なくても伝わって来ました。」と、遠山氏は当時を振り返っている。結果、遠山投手は松井選手を空振り三振に仕留め、タイガースはピンチを脱する。此の年、遠山投手は松井選手を「13打数ノー・ヒット」と完璧に抑え込み、“松井キラー”と呼ばれる様になった。

先発投手としても結果を残したが、遠山投手と言えば「1人の打者だけ、又は1イニング以下でマウンドを降りるショート・リリーフ。」という印象が強い。特定の打者“だけ”を抑えるべく、特定の投手を登板させる。』という“一人一殺”の戦法が、早ければ来年から、日本球界で見られなくなる可能性が在る。と言う。

AERA(2月3日号)に、「『ワンポイント』を奪うな 消えるかもしれない野球の『醍醐味』という記事が載っていた。メジャー・リーグでは今季から、「投手は最低でも打者3人と対戦するか、イニング終了投げなければならない。(故障・急病の場合を除く。)」という新ルールが導入されたのだとか。「試合時間の短縮を図る。」のが目的だそうだが、事実上の“ワン・ポイント禁止”と言える。

ワン・ポイント禁止はメジャー・リーグでの導入で、日本球界は「今後1年間掛けて検討する。」との事。でも、“ボール・カウントの表示変更”や“申告敬遠”、“本塁上の捕手へのタックルやブロック禁止”等、メジャー・リーグ・スタイルに追随し続けて来た日本球界なので、ワン・ポイント禁止になるのも遠い事では無いのかも。

メジャー・リーグが“力の野球”とするならば、日本球界は“戦略的な野球”と呼んだりする。「選手間やベンチ間での駆け引きを楽しむ。」というのが野球ファンの楽しみの1つで在り、「試合時間の短縮を図る。」という理由だけでワン・ポイント禁止というのは、どんなのものかと思う。

遠山氏も「ワン・ポイントは戦略。」とした上で、頭を使い、戦略で戦うのが日本野球の面白さで、ワン・ポイントも其の1つ。使う、使わないは監督次第ですが、取れる戦略を狭めれば、野球が均一化してしまいます。と、懸念を示している。

一方、スワローズに在籍し、ショート・リリーフがメインの投手として働いた久古健太郎氏は、「ルール導入に付いては、必ずしも否定しない。」とした上で、現段階で導入する意義は感じませんが、大事なのはファンがどう考えるか。『戦略的な投手交代を楽しみたい。』という声が多いなら避けるべきですし、『投手交代で流れが切れるのがだ。』というファンが多いなら、導入も在りだと思います。と述べている。


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