ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「婚活島戦記」

2014年03月01日 | 書籍関連

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孤島に集まったのは、厳格な審査を選りすぐりの美女達。巨万の富を築いたIT業界の寵児、桐生高雄(きりゅう たかお)の花嫁を決める選抜大会が開かれるのだ。

 

勝者には、莫大な富と世界的名声誇る桐生の花嫁の座が保証される。4日間のサヴァイヴァルを勝ち抜くのは、果たして誰か?元アングラ格闘家の二毛作甘柿(にもうさく あまがき)を始め、個性豊かな女性達が繰り広げる、壮絶婚活バトル。戦いの幕が、切って落とされる!

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第11回(2012年)「『このミステリーがすごい!』大賞」の2次選考通過作品で、受賞はならなかったものの、昨年、隠し玉として文庫本上梓された「婚活島戦記」(著者柊サナカさん)。

 

選考委員の1人・大森望氏は巻末の解説で、『このミステリーがすごい!』大賞の選評でも、選考委員は挙ってアマガキの造形絶賛設定が独創性欠けるという事で授賞はしなかったものの、本書を隠し玉として刊行する事には、全員が賛成していた。其の意味では、最初から隠し玉として選ばれた作品だったとも言える。逆に言うと、何等かの形で此の小説を出版しない訳にはいかないと、原稿を読んだ人間皆に思わせる程、二毛作甘柿の存在感が素晴らしかったので在る。と記している。

 

小説「バトル・ロワイアル」を思い起こさせる設定。良くも悪くも「バトル・ロワイアル」は衝撃的な内容だったが、此の「婚活島戦記」には二番煎じ、三番煎じな感じが否めない「独創性に欠ける。」というのは、そういった点を指しているのだろう。

 

正体が良く判らない桐生高雄に付いて、幾つかの疑問(一族が、早死にしている理由等。)を持たせるも、結局、何だったのか判らないだったりと、著者だけが納得しているだけで、読者を置いてけぼりにしている様な所が、消化不良を起こさせる。甘柿以外のキャラクター設定は特筆すべき物が無く、選考委員達が絶賛した甘柿のキャラクターも、自分には大して魅力的に思えなかった。

 

読み進めるのがかったるくなる文章で、申し訳無いけれど「態々上梓する様な内容かなあ。」と。総合評価は、星2つ


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2 コメント

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Unknown (マヌケ)
2014-03-02 17:52:14
桐野作品の「東京島」の逆バージョンみたいですね。 無人島に流れ着いた大勢の男の中に女性が1人という設定で、女性は女王になってしまうのが桐野さんの作品ですが。 桐野さんの作品には他にも100万円の報酬で島に連れてこられた女性が性の饗宴の餌食にされるのですが、なぜかリピータになってしまう女性が毎回いて・・・という短編もありました。 島という閉鎖的な環境設定で、権力者が好き放題を行うというストリーは多多ありますね。
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>マヌケ様 (giants-55)
2014-03-02 21:22:13
書き込み有難う御座いました。

そうそう、「東京島」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/e4199cd48201fa146d0c05398c2a04e6)の逆ヴァージョンとも言えますね。同小説は「アナタハンの女王事件」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%82%BF%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%8E%8B%E4%BA%8B%E4%BB%B6)をモチーフにしているとされていましたので、興味を惹かれて手に取ったのですが、個人的には残念内容でした。
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