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「田中裕二 ドラフト会議での巨人軍の対応に不満爆発『監督が籤を引くべき。』」
25日深夜放送のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で、爆笑問題・田中裕二が、プロ野球ドラフト会議に於ける読売巨人軍の対応に苦言を呈した。
番組では、「無駄使い報告会」と称し、御金や時間の無駄と思う事をリスナーから募集した。此の中で、「ドラフト会議の中継内で、各球団の代表が(新人選手獲得の為の)抽選の際に籤を何方の手で引いたかを実況するアナウンサーは無駄。」とのメールが紹介された。
此れに田中は直ぐ様同意する。籤を引くのが監督で在れば利き手かどうかで盛り上がるが、実際には球団関係者が担当する事も多く、「確かに俺も、其処はどうでも良いかなと思う。」とコメントしたのだ。
そして田中は、先月行われたドラフト会議に於いて、贔屓にしている巨人の籤引き担当が高橋由伸監督で無い事にも不満を漏らした。田中は「解せ無い。監督が引くのが良い。やっぱショーだから。御客さんも1,000人位入ってるんですよ。」と言うのだ。
今年のドラフト会議では、巨人は田中正義投手(創価大学)を1位指名したものの外し、更に外れ1位の佐々木千隼投手(桜美林大学)も落としている。此れにも田中は「何だよ!じゃ、由伸引けよって話ですよ。由伸引いて外れたら、未だ良いんだけど。」と言い、改めて不満を漏らしたのだった。
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1980年代から1990年代の頭に掛けて、ドラフト会議に関する報道では良く“黄金の左手”という呼称が使われた。「1982年は1位競合の荒木大輔投手(早稲田実業学校高等部)、1983年は1位競合の高野光投手(東海大学)、同年2位競合の池山隆寛選手(尼崎市立尼崎高等学校)、1984年は1位競合の広沢克己選手(明治大学)、1985年は1位競合の伊東昭光投手(本田技研)、1987年は1位競合の長嶋一茂選手(立教大学)、そして1992年は1位競合の伊藤智仁投手。」を(三菱自動車工業京都)、其れ其れ自身の左手で引き当てて来た相馬和夫氏(スワローズ元球団社長)を指す呼称だった。
長きに亘って籤を引き続け、且つ此れだけの実績を残すと、見ている側にも“黄金の左手”という呼称にはドラマ性を感じたし、「今年も又、“黄金の左手”で奇跡を起こすのだろうか?」というドキドキ感が在った。でも、今は其処迄のドラマ性を感じさせる引き手は居ないし、必要以上に“引く手”を実況する事に、自分も「もう良いんじゃない。」と思ったりしていた。
そして、籤を引く人間に付いてだが、「チーム編成を考え、チーム作りをするのはフロントの役割。だから、ドラフトで籤を引くのはフロントの人間が相応しい。」という考えが在るのは理解しているし、昔は自分もそういう考え方だった時期も在る。でも、今は「“基本的に”、監督が引いて欲しい。」という考えだ。「監督は与えられた戦力を元に、より良い結果を出すのが役割。」というのは確かだけれど、「フロントが熟慮を重ねた結果、指名する事になった選手を、チームを率いる指揮官が引き当てる。」という所に、ファンの多くは“夢”を感じると思うのだ。だから、自分も高橋監督が籤引きしなかった事に残念さを感じたし、彼が籤を引いて外れたなら、「仕方無いな。」と納得出来たと思う。
過剰なショーアップ化には反対だけれど、ファン在ってのプロ野球なので、ドラフト会議も或る程度のショーアップ化は必要。良く知らないおっちゃんが引くよりも、チームを率いる監督が自ら籤を引いた方が、ドラフト会議はより盛り上がるだろう。