被災地に歳費の一部を寄付せよ！

昨日行われた衆議院の本会議では、自民党、公明党、そしてたちあがれ日本の野党３党が提出した「菅内閣に対する不信任決議案」を、民主党や国民新党等の反対多数で否決した。不信任案の採決は記名投票で行われ、共同提出した３党とみんなの党が賛成、共産党及び社民党は棄権、民主党からは松木謙公前農林水産政務官と横粂勝仁氏（離党を表明。）が賛成に回り、小沢一郎元代表等１５人が欠席＆棄権という結果に。具体的な票数は「反対２９３票、賛成１５２票、欠席＆棄権３３票」。

 

「大山鳴動して鼠一匹」という諺が在るけれど、今回の場合は精々「大山鳴動して鼠数匹」といった感じか。余りにも馬鹿馬鹿しい。昨日の記事で詳細を記したが、菅首相が「リーダーの資質」に欠けているのは自分も否定しないが、だからと言って「過去の過ちの数々を殆どの所属議員が素っ惚けている様な自民党が、其れも“具体的な案”を出さない儘に、唯『辞めろ！辞めろ！』と繰り返しているだけ。」というのも広く支持を集められるとは思えない。与野党共に「国民の為」と叫んでいるが、実際には何方も「自分達の利益だけを優先」しているのは見え見え。とんだ茶番劇だ。（賛成を意味する「白票」を投じた松木前農林水産政務官は、投じる直前迄ポケットに白票を入れていた。白票を投じる事を決めていたのだから、最初から手に持って登壇すれば良いのに、彼じゃあ「カメラを意識した演技」としか思えない。）

 

欠席＆棄権した小沢元代表は常々「最後の御奉公」を口にしているが、奉公する相手は「国民」で無く、（表現は変だが）「小沢氏自身」というのが露骨に見えてしまった。

 

 又、「菅首相の退陣表明を引き出せたので、此れは勝利だ！」と騒いでいる野党の議員達も、国民を全く見ていないという意味では同様。（みんなの党も「与党のしている事は全て駄目！」といった、嘗ての“駄目野党”と同じスタンスなのには幻滅させられた。）

 

平時なら未だしも、未曽有の大震災を受けて多くの被災者が苦しんでいる最中に、こんな茶番劇を繰り広げた“政治屋”達に怒りを覚える。「国会議員は全員、高額な歳費から無駄に費やした日々の分を日割りして、其の金額を被災地に寄付しろ！」と言いたい。

 

公の場で「退陣表明」をした菅首相。「彼は退陣表明という訳では無い。」といった声が彼や其の周りから出ている様だが、「何時何分何秒に、誰がそんな事言った？」的な不誠実さは見せないで貰いたい。彼は誰がどう見ても、「退陣表明」以外の何物でも無いのだから。「原発事故の収束等、先が見えない懸案事項が多く、『何時何時迄に退陣する。』という具体的な日時は出せないし、具体的な日時を出す事で“完全に”レイム・ダック状態になってしまっては外交にも差し障る。」という理由が在っての“誤魔化し”なら判らないでも無いが、少なくとも一国の長が公の場で「退陣表明」した以上は、言っていた通り“一定の目途が付いたら”、首相の座を降りるべきだ。（毎年、首相が変わるというのは、対外的にみっともない事此の上無いが。）

 

何はともあれ、「こんな状況下で解散総選挙を行う。」という愚行に到らなかったのは良かったと思う。兎に角、与野党共に私利私欲を捨て、真に国民の為に汗を流して貰いたい。＊１「政争」を楽しむのが、政治家の役目では無いのだから。

 

＊１　６月３日の読売新聞に、次の記事が載っていた。「野党が多数を占める参院での首相問責決議可決は政権を追い詰める有力な手段で、自民党の若手議員からは『問責決議案の早期可決で国会を空転させ、衆院解散・総選挙に追い込むべきだ。』との声も漏れる。」。「国会を空転させる為の問責決議案可決」って、一体何なのだろうか？「与野党共に国民の考えと著しく乖離した盆暗揃いだけれど、何方も若手議員は比較的真面なのではないか。」と思っていたが、どうやら若手議員の中にも「政治を陣取りゲームか何かと勘違いしている。」様な盆暗が居る様だ。

 

又、「『菅降し』が急激に進んだ背景には、『発送電分離』や『浜岡原発の運転停止』等、菅首相が『タブーとされて来た原発問題』に手を突っ込んだ事で、与野党及び経済界でずっと原発利権に授かって来た連中が『此れでは不味い。』と危機感を募らせた事も在るのではないか。」という一部報道も在る。事実ならば、許し難い話。