
見出し画像と今日のテーマとは、全く関係性が無い。「久米宏氏と石川秀美(現在は「薬丸秀美」)さん」という組み合わせも然る事乍ら、久米氏のテニス・ウェア姿というのも珍しかったので、紹介した次第。
では、本題に入る。「都内の銭湯で東日本大震災にて損傷を受けたのは260件。其の内、煙突が損傷を受ける等で原状回復に莫大な費用が掛かる事から、8軒が廃業に追い込まれた。」という報道を、先日目にした。公衆浴場法で「一般公衆浴場」と定義付けられ、入浴料金が都道府県毎に統制されている銭湯は、「其の他の公衆浴場」と定義付けられるスーパー銭湯やサウナ等と違い、厳しい経営状態の所が殆どと聞く。唯でさえ経営状態が厳しいというのに、多額な費用負担を求められるならば、「廃業」という決断を下すのも止むを得ないのだろう。
物心が付いた頃より我が家には内風呂が在ったので、銭湯に行ったのは恐らく1回だけしか無い。幼少時に親戚と九州を旅した際、其処で行ったのが最初で最後。だから銭湯に関して深い思い入れが在る訳では無いのだけれど、古くから在る物が寂れて行くというのは寂しくも在る。
5月30日付けの東京新聞(朝刊)に、「震災で見直される銭湯」という特集記事が載っていた。1995年度には全国で9,741軒在った銭湯も、2000年度には8,117軒、そして2008年度には5,722軒に迄激減しているのだとか。東京都の場合は1968年の2,687軒をピークに減り始め、都公衆浴場組合によると今年3月末で785軒に減少。1968年当時の3分の1以下になってしまった訳だ。因みに「銭湯が100軒以上在る都道府県」は、次の通り。
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「銭湯が100軒以上在る都道府県」(2008年度、社会・人口統計体系から)
1位: 大阪府-988軒
2位: 東京都-817軒
3位: 北海道-450軒
4位: 青森県-345軒
5位: 鹿児島県-335軒
6位: 兵庫県-262軒
9位: 大分県-191軒
10位: 愛知県-188軒
11位: 富山県-130軒
12位: 石川県-111軒
13位: 埼玉県-101軒
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激減している銭湯だが、東日本大震災によって其の存在が見直されていると言う。ライフラインが寸断されて家庭風呂が使えず、多数の「入浴難民」が出た震災地では、再開された銭湯に被災者が殺到。久し振りの入浴に、感謝する者が多かったとか。
又、銭湯は1日入浴客100人程度の規模でも、20~30トンの水のタンクを備えており、断水を考えると、街中に「生活用水」が確保されているというのは貴重。脱衣所のスペースは、負傷者の救護等に転用出来るし、そういった意味で銭湯は「災害時に有益な施設」とも言える。
政府の「被災者生活支援特別対策本部」による東北3県の避難所に対する調査では、4月13~17日の段階で「3人に1人(36.2%)が、週に1度程度の入浴。」という状態だそうだ。銭湯が無かったら、更に酷い状態だったろう。
都内では、2009年で延べ約3,160万人が銭湯を利用。持ち家率が低い事も在り、銭湯の利用者は少なくないと言う。今も重要な生活インフラの一部で在る銭湯をバックアップする自治体は幾つか在るが、今回の大震災により「災害時に有益な施設」として更にバックアップする自治体が出て来るのだろうか。