「政界＝見世物小屋」じゃない筈

昨日報じられた中で、特に気になったニュースが２つ在った。１つは裁判関連、そしてもう一つは政治関連。

裁判関連というのは、オウム真理教の元代表で教祖の麻原彰晃こと松本智津夫被告の死刑が確定したニュース。最高裁が、控訴趣意書の未提出を理由に控訴を棄却した東京高裁の決定を支持し、弁護側の特別抗告を棄却する決定を下した事から死刑が確定したもの。三審制が敷かれている我が国に在って、一審で死刑となった被告の控訴審が手続き上の理由で打ち切り＆確定するのは異例中の異例と言えるが、個人的にはこの判断を支持したい。

「これで一連の事件の真相が、曖昧なままに終わってしまう。」という声も在ろうが、初公判から既に１０年５ヶ月も経過しており、又近年では審理を尽くすというよりも弁護側の裁判引き延ばしばかりが目立った状況では、例え二審＆三審と進んだ所でこれ以上の何かが出て来るとは思えず、単に時間と経費の無駄を生じさせるだけだと思う。その容疑に大きな疑義を生じさせるものが在れば別だが、一連の事件の残虐さや松本被告の関与が明々白々と思われる状況を鑑みると死刑確定は遅過ぎたと言えよう。

唯、これで松本死刑囚の死刑執行が速やかに行われるかとなると話は別の様だ。オウム関連の他の裁判に、証人として呼ばれる可能性も無くは無いとかで、もしそうなると一連の裁判が終了する迄執行が為されない可能性が在る。又、法務大臣が執行命令書に署名しないケースも考えられるだろう。これだけ世間を騒がせた事件故、速やかな執行を望みたい。

もう一つ気になった政治関連のニュースは、政界の動きに付いて。竹中平蔵総務大臣が小泉内閣の退陣と共に議員職を辞すると発表したのには驚かされた。しかし冷静に考えれば、小泉首相の庇護の下あれだけ遣りたい放題をし、自民党内でも相当の恨みを買っている以上、その後ろ楯を失っては最早政界で存在価値を示すのは無理と判断したのだろう。個人的に彼が辞めるのはどうでも良い事なのだが、問題は彼が参議院の比例代表制で選出された議員という事。比例代表制で選出された議員が辞職や死亡したした場合には、党の名簿で次点となっていた候補者が繰り上がり当選となる仕組みになっており、今回の場合は女子プロレスラーの神取忍さんが議員となる訳だ。

これ迄にも「ファイヤー議員はもう要らない」や「小渕優子なんか飼うな！」、「国民の目線での政治」、「国会議員のセンセ」、「政治家天国ニッポン」等、何度かアホ馬鹿議員の批判を行って来た。誰が出馬しようが、誰が当選しようが、法律に定められた範囲の事で在ればそれは認められるべきだろうが、それにしても幼稚園児の様な議員ばかりで本当に良いの？と言いたくなる。タレントだろうがスポーツ選手だろうが、「議員になってこれがしたい！」という明確なポリシーが在れば良いのだが、「兎に角、議員になりさえすれば良い。」といった議員になる事自体が最終ゴールと思っている様な輩には議員になって貰いたくない。確か神取さんは出馬を決めた際、記者から公約を聞かれて、「未だ考えてない。これから決める。」といった発言をしていた筈。本当に議員として適任なのだろうか？

奇しくも昨日は、ファイターズの新庄剛志選手が来夏の参院選に出馬するのではないか？という報道が為されていた。このブログでも何度か書いているが、新庄選手のキャラクターは好きだし、非常に愛すべき人間だと思っている。でもそれだからといって、彼が出馬したら投票しようとは全く思わない。プロ野球選手、又はエンターテイナーとしての能力はそれなりに買っているが、議員としての能力が在る様にはどうしても思えないからだ。＊１

議員というのは”本来”、片手間で出来る仕事では無い筈。国民の生殺与奪の権利をも握っている職業だからだ。スポーツ選手が立候補すると、「スポーツを通じて健全な子供を育成したい。」といった何とかの一つ覚えの様な公約を口にする。こんなのは、スポーツ選手の立場で行えば良い事で在って、議員として”専念”すべきものではないだろう。議案の内容を理解しないまま（目を通さないまま？）、フィーリングだけで賛否を決めているかの様な議員が何と多い事か。こんな議員達に、我々の生殺与奪に関わる様な事項迄委ねてしまって良いものなのだろうか？

今の段階では噂レベルの”飛ばし記事”が多いのは判っているが、来夏の参院選では知名度の高い有名人を与野党問わず大勢候補者に据えるのではないかと言われている。”自らのチームを解散するだしないだで、グダグダしていた人”や”勘違い歌手”、”現職議員の妻（女優）”等、何人かの名前が既に挙がっている程。”名将と呼ばれながらも、近年では一貫性の無い出馬を繰り返し、悉く落選して晩節を汚している様なあの人”は、最近某大学の監督に就任した事も在って流石にもう出馬しないのではないかと思うが、ジャイアンツの監督就任の芽が摘み取られた（で在って欲しい！）野心家のあの御仁は、そろそろ出馬しそうな気もする。

選挙は人気投票では無い！一国の運命や国民の生殺与奪をも時には託す議員を、面白半分で選ぶのは愚かな事だ。しかし、「○○王子」だ「○○様」だと馬鹿騒ぎしている人間が多い事を考えると、来夏の参院選ではアホ馬鹿議員が増産されそうな予感もする。上記した「ファイヤー議員はもう要らない」でも触れた様に、議員数を半分にでもしないと、真面目に投票する国民は増えないのだろうか？否、それでも変わらないのかもしれない・・・。

＊１　「新庄選手が出馬したら？」というレポーターの問い掛けに、「ああいった人が議員になれば、国が明るくなって良い。」と真顔で答えたおばちゃんが居た。そんな事で国が明るくなるとでも本当に思っているのだろうか？それならば、日本の議員は全て御笑い芸人に任せれば良いだろう。

現状、新庄選手が出馬に前向きでは無いという事にホッとしている。賢明な彼だからこそ、愚かな決断は下さないものと信じているが・・・。