ドラゴンズの優勝、心より御祝い申し上げます!
開幕前の順位予想ではセ・リーグの優勝をドラゴンズと予想していたが、開幕から7月迄の闘い振りから「流石に今季は、ドラゴンズの優勝は無いな。」と思わざるを得なかった。しかし8月以降、猛烈に勝ち星を積み上げて行き、レギュラー・シーズンで栄冠を掴み取ったというのは「見事!」の一言。落合博満監督の「指揮官としての能力の高さ」も然る事乍ら、其の 采配にきちんと応えて結果を残した選手達も高く評価したい。
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或る寒い夜、日本橋交番勤務の巡査は、1人の男に目が行った。酷く酔っているのか身体を左右に揺らし乍ら、覚束無い足取りで橋を渡り始めた其の男は、台座の辺りに凭れ掛って寝てしまった様に見えたのだが・・・。 仕方無く起こしに行った巡査が見たのは、胸にナイフが突き刺さり、息絶えんとする中年男の姿だった。何者かに胸を刺され、死に掛けた状態で此処迄歩いて来た男・青柳武明は、其の後病院で亡くなってしまう。 一方、事件の直後、或る若い男がトラックに撥ねられ、意識う不明の重体に陥る。不審人物として職務質問をしようとした警察官を振り切って事故に遭った其の男は、日本橋で殺害された武明の財布と書類鞄を所持していた。 *************************
東野圭吾氏の作家生活25周年を記念して、今春から今夏に掛けて3冊の単行本が刊行されたが、今回レヴューするのは第一弾として3月3日に刊行された「麒麟の翼」だ。此の作品は「加賀恭一郎シリーズ」の第九弾に当たり、加賀が日本橋署に着任してからは2冊目の作品となる。
日本橋(日本橋川に架かる橋。)に伝説上の動物「麒麟」が装飾された柱が在るのは知っていたけれど、「本来は無い筈の『翼』が付いた麒麟」(動画)というのは気付かなかった。「何故、麒麟に翼が付いているのか?」に関しては作品内で記されているので其方を見て戴くとして、「日本橋作品」の第一弾で在る「新参者」同様に、下町情緒溢れる記述が実に心地良い。
此の作品、「加賀恭一郎シリーズの最高傑作」と著者は自負している。事件関係者達による謎の行動の意味が、ストーリーの展開と共に明らかになって行くのは実に興味深かったし、「親子の情愛」という面でグッと来る物も在った。しかし、「最高傑作と迄言える出来かなあ?」というのが自分の思い。決して悪い内容では無いのだけれど、読む前の期待度が高かった分、犯行動機等の点でやや粗さを感じてしまったので。
総合評価は星3.5個とする。