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「官房機密費、一部開示命じる=初判決、大学教授が請求-大阪地裁」(3月23日、時事ドットコム)
安倍晋三元首相の官房長官時代に支出された官房機密費(報償費)に付いて、「政治資金オンブズマン」(大阪市)共同代表の上脇博之神戸学院大教授(53歳)が、使途や相手先等の情報公開を求めた訴訟の判決が23日、大阪地裁で在った。山田明裁判長は、支払いの相手方や個別の金額等が特定される部分を除き、国の不開示決定を取り消した。
内閣官房によると、官房機密費の開示を命じた判決は初めて。原告側は、開示対象を拡大する様求め控訴する方針。
2005~2006年に支出された機密費に関する文書の内、「領収書」、「支払決定書」、「政策推進費受払簿」、「出納管理簿」、「報償費支払明細書」の5種類、計約770点の開示の可否が争点となった。
山田裁判長は、相手方の氏名や金額、支払い目的等が書かれた領収書や支払決定書に付いては「開示されると相手や他国との信頼関係が損なわれ、関係者への不正な働き掛けが行われる恐れが在る。」として、不開示が妥当と判断した。一部をマスキングする部分開示の請求も退けた。
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「機密費使途、一定期間後に公開へ・・・官房長官表明」(3月25日、読売新聞)
藤村官房長官は25日、大阪府吹田市で講演し、情報収集や首相の交際費等に使われて来たとされる官房機密費(内閣官房報償費)に付いて、支出から一定の年月を経れば使途を原則として公開する方針を表明した。今後、公開の範囲や時期の検討を急ぎ、今年秋にも基準を定めるとした。
藤村氏は「報償費は国の予算の一部で、(野田政権は)公開性、透明性が必要と主張して来た。昨年9月以来、外国の例等を様々研究している。」と述べ、使途公開の具体的な検討に入った事を明らかにした。
公開時期に関しては「今直ぐ(表に)出ると、今居る人に迷惑が掛かるので、一定期間は公表しない部分が在って良い。其の先には基本的には全部公開という形が在り得る。」と明言。公開基準の策定では、30年以上を経た文書を原則公開すると規定された外交文書の扱いを参考にするとした。
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「国政を運営して行く上で、どうしても必要と官房長官が判断した場合に支出される経費。」が、所謂「官房機密費」。年間10数億円と言われる官房機密費は「領収書不要」、「会計検査院による監査の免除」、「原則的に使途は非開示」となっており、新年度を迎える時には綺麗さっぱり全額支出され切っているのが常。毎年、使途が色々変わる筈なのに、決まって全額が支出され切るというのは何とも不思議な話だ。
過去に官房長官を務めた人物等の証言から、官房機密費がおかしな使われ方をして来た事が明らかになっている。中には、私的な飲み食いに使われていた様なケースも。国の根幹を成す「納税」を免れたと指摘されていた安倍元首相(愛国を声高に叫ぶ者程、「他者に厳しく、自分や身内に大甘で、国から金銭を毟り取る様な事を平気でしている。」ケースが多い気がする。)を始めとして、歴代の官房長官には人間として信を置けない者が少なくない。そんな連中ならば、官房機密費を自分の金の様に不適切な使い方をしていたとしても、別に驚かない。野党時代に「官房機密費の使途の胡散臭さ」を糾弾していた民主党も、自身が与党になったら自民党と同様の事をしているのだから、全く呆れ返ってしまう。
3年前の記事「内閣官房報償費」でも書いた様に、血税を投入している以上、官房機密費の開示は当然の事だ。国益を守る為のスパイ活動等に用いられるケースも在るだろうし、(真っ当な形で用いられた場合の)関係者を守る意味でも、一定期間非開示というのは必要だと思う。でも、一定期間を過ぎたならば、全てを開示すべきだろう。
野党時代に訴えていた主張を、与党になって以降は取り下げて許りいる民主党。歴代政権が出来なかった(する気が全く無かった)「官房機密費の開示」位は、断行して欲しいもの。