新人投手の明暗

昨日行なわれた「ホークスv.s.ゴールデンイーグルス」の試合で、先発した田中将大投手（ゴールデンイーグルス）が９回を２失点で投げ抜き、プロ入り初勝利を掴み取った。開幕からこの日で４試合目の登板となった田中投手は１回表に３連打を浴びて１点を失い、尚無死満塁で迎えるバッターはベテランの小久保裕紀選手という絶体絶命の大ピンチ。この試合をリアル・タイムで見ていた人間の殆どが「大量失点でノックアウトは間違い無い。」と思った事だろう。しかしこのゴールデン・ルーキーは小久保選手以下を三者連続三振に打ち取り、結局この回は１失点で切り抜けた。それ以降はホークス打線を相手に三振の山を築き上げ、終わってみれば１３奪三振での見事な初勝利。こうなると「初回の大ピンチも、怪物ぶりを見せ付ける為の自己演出か？」と冗談で思ってしまう程。

一言居士のノムさんをして「（田中投手は）何か持ってるね。強い星の下に生まれている気がするな。思いっ切り投げていたし、今日はケチの付ける所が無いね。」と大絶賛させた天晴れさ。こういう勢いの良い新人が出て来ると、球界が華やぐし活気も出て来る。田中投手、プロ初勝利おめでとう！

そして昨日は「カープv.s.ジャイアンツ」の試合も行なわれたが、両チームの先発は青木高広（カープ）＆金刃憲人という両新人投手。結果的には７回を投げ抜いて２失点の金刃投手が勝利投手となり、これでプロ入り２勝目を飾る事となった。

ジャイアンツ・ファンとしては彼の頑張り＆ジャイアンツの勝利は嬉しいのだが、気の毒でならないのは過去３試合に先発して総自責点は６点という好投を見せながらも初勝利を掴めていなかった青木投手。昨日の試合でも７回３分の１を投げて自責点３という、先発投手としては充分合格点を与えられる内容にも拘わらず、味方打線の貧打に泣き、又しても初勝利を掴み取れなかった。４試合に先発して総自責点は９点。つまり１試合当たり２点弱しか失っていない投手が勝てていないという現実が、彼が新人投手で在り必死で投げ抜いている姿を目にしているだけに辛くて堪らない。敵チームの投手乍ら、次の登板では何とか初勝利を奪い取って欲しいと心から願っている。