405年前の今日、即ち「1612年5月13日(旧暦の4月13日)」は、 宮本武蔵と佐々木小次郎が巌流島で決闘をした日なのだそうだ。正式な島名は「船島」とされる此の無人島、訪れてみたい場所の1つで在る。
閑話休題。
*********************************
「人間の嗅覚、本当は犬並み? 俗説覆す研究報告」(5月12日、AFPBB News)
人間の嗅覚は鼠や犬並みに鋭いとする研究結果を、米国の研究者が11日発表した。100年程前から述べられて来た正反対の「俗説」を、覆す内容だ。
米科学誌「サイエンス」に掲載された論文によると、米ラトガース大学の神経科学者ジョン・マクガン氏は、人間の嗅覚が劣っているという、同氏が言う所の「誤解」を導いた過去の研究や歴史的文献を見直した。
人間は約1万種類の臭いを嗅ぎ分けられると、長年考えられて来た。だが、其の数は実際には1兆種類近いとマクガン氏は言う。
同氏の論文によると、人間の嗅覚は貧弱だとする「俗説」の出所は、19世紀フランスの脳外科医で人類学者のポール・ブローカだと言う。ブローカは1879年の論文の中で、「人間の脳の中で嗅覚野の容積が、他の部位に比べて小さい事。」に言及していた。「此の事は、人間が自由意志を持ち、犬や他の哺乳類の様に生き残る為に、嗅覚に依存する必要が無い事を意味する。」と、ブローカは主張した。
ブローカの説は、精神分析学を確立したオーストリアの神経科医ジークムント・フロイトにも影響を与えた。フロイトは、「嗅覚が欠落すると、精神疾患に罹り易くなる。」と考えていた。
マクガン氏は「嗅覚に支配されていては、理性的な人間にはなれないというのが、長年の文化的信念になっている。嗅覚は、世俗的で動物的な傾向と関連付けられていた。」と指摘する。
マクガン氏によると、嗅覚情報を処理する脳組織の嗅球が、脳全体の容積に占める比率を見ると、人間の僅か0.01%に対し、鼠では2%に及ぶ。
だが、人間の嗅球は実サイズが可成り大きく、成人で約60mmに達する事も在り、他の哺乳類の嗅球と比べて、略同数の神経細胞を持っている。
嗅覚に関する人間と犬と鼠の間の違いは、特定の臭いに対する感受性の差に帰する可能性が在る。「人間には臭いの痕跡を辿る能力が在り、人間の行動状態と感情状態は、共に嗅覚に影響される。」とマクガン氏は記している。
但し、上等のワインの香りを嗅ぐ事に関しては人間の方が上手かもしれないが、其の辺りの消火栓に付いた様々な種類の尿の臭いを分析する事に掛けては、矢張り犬に軍配が上がりそうだ。
*********************************
犬と言えば、嗅覚が異常に優れた動物の代表格と言って良い。そんな犬の嗅覚と、人間の嗅覚が同等というのは、俄かに信じ難い話では在るのだけれど、記事にも在る様に「特定の匂いに対する感受性の差が、“表面的に見受けられる”嗅覚の鋭さに影響している。」という事なのだろう。