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「被災3県で金庫5,700個、中の現金は23億円」(8月16日、読売新聞)
3月11日の東日本大震災発生から先月10日迄の4ヶ月間に岩手、宮城、福島3県の被災地で、警察に回収されたり、「拾得物」として届けられたりした金庫は5,700個で、中に在った現金は23億6,700万円に上る事が15日、警察庁の纏めで判った。
此の内96%に当たる22億7,000万円は所有者に返された。
殆どは家庭や会社に在った金庫で、行方不明者を捜索する3県警や、瓦礫を撤去する市民、自衛隊が発見し、回収された。
内訳は宮城県2,420個、岩手県2,370個、福島県910個。津波被害の大きい沿岸部に集中し、岩手県警釜石署では900個、大船渡署でも840個に上った。1つの金庫に入っていた現金の最高額は宮城県石巻市の9,900万円で、所有企業に返還された。或る警察幹部は、「現金取引の多い漁業者の金庫が多かった様だ。」と話した。
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10年以上前だったと思うが、「来日時に感動した経験」を若い外国人が記事にしていた。彼が日本を訪問するのは其の時が初めてだったが、ふらっと入った公衆トイレの余りの綺麗さに驚いてしまったと言う。「海外だとドアが壊されていたり、汚物塗れになっているトイレは決して珍しくないのに・・・。」という驚きだ。そして用を済ました彼は手を洗い、外に出て10分程歩いた時に、洗面所の脇に財布を置き忘れた事に気付く。慌てて戻った所、置いていた場所に財布は無かった。「盗まれてしまった。初めての旅行先というのに、最悪だ・・・。」と目の前が真っ暗になった彼。「日本では落し物が、きちんと交番に届けられる。」という“噂”は聞いていたが、「そんな訳は無いだろ。」と思いつつ、駄目元で近くの交番に行った所、何と財布は無事届けられていたのだそうだ。「結構な大金が入った財布、海外ならば確実に盗まれていただろう。日本人の道徳心の高さに、心が打ち震える程感動した。」と彼は記していた。
此の記事を読んで、自分は日本人で在る事が嬉しかった。「愚直」だ「融通が利かない」だと馬鹿にされる事も在るけれど、日本人の持つ「道徳心の高さ」というのは自慢出来る。「昔よりは道徳心が薄れて来た。」とは言われるけれど、今回のニュースを見ても、「未だ未だ日本人の道徳心は低くない。」と、嬉しい確信をした自分。
「世界標準」という言葉が在るけれど、「財布を置き忘れる。→盗まれて出て来ない。」というのが世界標準と言えるかもしれない。「何でもかんでも世界標準に合わせるべし。」という風潮が在るけれど、本当に良い事ならば「日本標準」に固執するべきだと思う。
自国の誇れる文化や風習に関しては、例え「世界標準」と異なっていても、其れを敢えて変える必要は無いと思うんです。寧ろ其の部分に関しては、「『日本標準』を『世界標準』にしてみせる!」位の気概が在っても良い。
唯、「日本の文化や風習は全て正しい!だから、他国の文化や風習は踏み躙っても構わないのだ!!」みたいな、余りにも狭量で独善的な考え方は、日本の美徳でも在る「慎み深さ」という点に於いて“も”どうかと思うのです。
日本で話題にされる場合の「世界標準」は、往々にして「欧米標準」にすり替わっているように思えるのは、私の僻みかもしれませんが。
日本に限らず自国の誇るべき美徳は、世界に向かってどんどんPRすべきかと。