「1日という時間を尺度にした数字に表してみる事で、現代日本の意外な側面や驚きの事実が浮かび上がって来る!」という惹句が付けられた本「日本で1日に起きていることを調べてみた」(著者:宇田川勝司氏)を読了。日本で起こった事象を、“感覚”で捉えるのでは無く、“具体的な数字”で捉える事により、“見えなかった(又は見様としなかった)現実”が見えて、とても興味深い内容だった。
書かれていた内容から、幾つかを取り上げてみる。
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約10.7人/日⇒約0.4人/時間
約12億6千万円/日⇒約5,250万円/時間
③ 日本人が1人当たり、1日に排出する塵の量。(環境省統計)
約939g/日⇒約39.1g/時間
④ 1日に、日本で発生する火災。(消防庁統計)
約100件/日⇒約4.1件/時間
約22.9社/日⇒約0.9社/時間
⑥ 1日に、日本国内で送受信される迷惑メール。(総務省統計)
約4億6,213万通/日⇒約1,925万5,416通/時間
約68ヘクタール/日⇒約2.8ヘクタール/時間
⑧ 1日に、日本で出版される本(新刊)。(出版指標年報)
約205点/日⇒約8.5点/時間
⑨ 1日に、日本で発生する殺人事件の被害者。(警察庁統計)
約0.79人/日⇒約0.03人/時間
⑩ 1日に、全国でリサイクル回収されるアルミ缶。(アルミ缶リサイクル協会統計)
約5,640万缶/日⇒約235万缶/時間
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「日本人が1人当たり、1日に排出する塵の量。」が「約939g」というのは、一見すると「意外と少ないなあ。」と感じるだろう。でも、日本全体で言えば年間で東京ドーム118杯分、1日当たりでは塵収集車6万台分の塵の量というのだから、物凄い量だ。又、「世界の塵焼却場の7割が日本に在り、日本の塵焼却量は世界一。」というのも驚きの事実。
「1日当たり、失われる日本の田畑。」が「約68ヘクタール」という事だが、数字だけ見ると今一つぴんと来ないかもしれない。でも、「1日で東京ディズニーランド約1.3個分の田畑が、日本では失われている。」となると、「そんなにも失われているのか。」と思われるだろう。
感覚で言えば「毎日、殺人事件の被害者が複数人出ている様な日本。」だが、実際には「約0.79人/日」というのも意外だった。
そして、改めて深刻さを感じたのは「1日に、発生する万引きによる被害額。」だ。「女性タレントの万引発言」、「万引」、「万引き」等、万引きによる被害の大きさを過去に何度か記して来たが、「日本全国で約12億6千万円もの被害額。」というのは余りにも大きな数字。万引きした本人は軽い気持ちで行った事かもしれないが、店にとっては死活問題以外の何物でも無い。