
先だって「永井豪作品ベスト10」という記事を書いたが、今回は藤子不二雄氏の作品に関する我がベスト10を挙げてみたいと思う。
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【藤子不二雄作品ベスト10】
1位: 「ドラえもん」
藤子作品と言えば恐らく多くの人が真っ先にこの作品を挙げるだろうし、1位に据えるのも在り来たりと言われてしまうのだろうが、総合評価で言ったらやはり「ドラえもん」になってしまう。「こんな事が出来たら良いな。」という思いを数々の秘密道具で叶えてくれるというのは、子供のみならず憧れる事だろう。と同時に、「安直さに頼り切ってしまうと、必ずその竹篦返しを食らう。」という教訓も盛り込まれている。道徳教育の一環としてなら抵抗は在っても、子供にとっては漫画の形で触れると意外とスンナリ受け入れてしまう物。笑いの中にも「おばあちゃんの思い出」や「のび太の結婚前夜」、「さようなら、ドラえもん」等、涙無しでは読めない作品が在るのも魅力。
2位: 「劇画・オバQ」
以前の記事で詳細を書いたし、こちらでその内容を見る事が出来る。典型的なギャグ漫画の「オバケのQ太郎」の劇画版は、読んでいて切なさを覚えてしまう。大人になるにつれ得て行く物が在る一方で、失って行く物も少なくない。そんな事を、改めて認識させてくれる作品。
3位: 「オバケのQ太郎」
キャラクター達の愛くるしさ&ユニークさでは、藤子作品の中でも突出していると思う。ラーメンを見ると「ラーメン大好き小池さん」というフレーズが口を衝いて出てしまう人も結構居るのではないか。最後のアニメ「オバケのQ太郎(新)」の放送終了が22年前の1987年で、原作が絶版状態に在る事から、今の20代前半は“オバQ”を知らないで育った者が多い事になる。
4位: 「魔太郎がくる!!」
藤子不二雄氏が藤子・F・不二雄氏と藤子不二雄Ⓐ氏の共同ペンネームなのは有名だが、藤子・F・不二雄氏の作品には概して「明るくて楽しい。」物が多いのに対し、藤子不二雄Ⓐ氏のそれにはブラック・ユーモアに溢れた物が少なくない。この「魔太郎がくる!!」も虐められっ子の魔太郎が、魔術「恨み念法」で以て復讐するというストーリー。恨み念法を用いる際の決め台詞「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か。」は、当時の子供達が多く口にした物だった。
5位: 「少年時代」
太平洋戦争末期、東京から富山に疎開した少年を中心に描いた作品。“余所者”に白い目を向ける排他的な人々との遣り取り、そして哀愁漂う結末が印象的。
6位: 「エスパー魔美」
連載されていた当時は多感な時期だった事も在り、主人公の魔美が父親のアトリエで一糸纏わぬ姿でヌード・モデルをしているシーンに心ときめいた物。
7位: 「ウメ星デンカ」
連載時の人気は今一つだった様だが、好きなギャグ漫画の一つだ。
8位: 「ジャングル黒べえ」先にアニメ(動画)を見て、後から原作を読んだ。兎に角、アニメのインパクトが強烈で、非常に面白かったのだが、言い掛かりとしか思えない糾弾によって作品自体が封印されてしまっているのは残念だ。差別問題はきちんと取り組まなければならない問題だが、表面的な部分“だけ”で全てを闇から闇に葬ってしまうというのは不毛としか思えない。
9位: 「バケルくん」
様々な人形の鼻に触れる事でその人形に乗り移り、“人間”として行動するというストーリー。「変身」に憧れる子供というのは今も昔も少なからず居る事だろうが、そんな思いを充足させてくれる。
10位: 「ブラック商会変奇郎」
骨董品店の一人息子・変奇郎が、店に置かれている魔力が秘められた品々を用いて悪人を恐喝し、金銭を巻き上げるというストーリーで、上記した「魔太郎がくる!!」に似たテーストが在る。そのテーストは作品の後期になるにつれ強まっていくものの、「魔太郎がくる!!」程の暗さは無い。
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この他にも「みきおとミキオ」や「黒ィせぇるすまん」、「パーマン」、そして「コロリころげた木の根っ子」に代表される短編等、多くの作品が思い浮かぶ。
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【藤子不二雄作品ベスト10】
1位: 「ドラえもん」
藤子作品と言えば恐らく多くの人が真っ先にこの作品を挙げるだろうし、1位に据えるのも在り来たりと言われてしまうのだろうが、総合評価で言ったらやはり「ドラえもん」になってしまう。「こんな事が出来たら良いな。」という思いを数々の秘密道具で叶えてくれるというのは、子供のみならず憧れる事だろう。と同時に、「安直さに頼り切ってしまうと、必ずその竹篦返しを食らう。」という教訓も盛り込まれている。道徳教育の一環としてなら抵抗は在っても、子供にとっては漫画の形で触れると意外とスンナリ受け入れてしまう物。笑いの中にも「おばあちゃんの思い出」や「のび太の結婚前夜」、「さようなら、ドラえもん」等、涙無しでは読めない作品が在るのも魅力。
2位: 「劇画・オバQ」
以前の記事で詳細を書いたし、こちらでその内容を見る事が出来る。典型的なギャグ漫画の「オバケのQ太郎」の劇画版は、読んでいて切なさを覚えてしまう。大人になるにつれ得て行く物が在る一方で、失って行く物も少なくない。そんな事を、改めて認識させてくれる作品。
3位: 「オバケのQ太郎」
キャラクター達の愛くるしさ&ユニークさでは、藤子作品の中でも突出していると思う。ラーメンを見ると「ラーメン大好き小池さん」というフレーズが口を衝いて出てしまう人も結構居るのではないか。最後のアニメ「オバケのQ太郎(新)」の放送終了が22年前の1987年で、原作が絶版状態に在る事から、今の20代前半は“オバQ”を知らないで育った者が多い事になる。
4位: 「魔太郎がくる!!」
藤子不二雄氏が藤子・F・不二雄氏と藤子不二雄Ⓐ氏の共同ペンネームなのは有名だが、藤子・F・不二雄氏の作品には概して「明るくて楽しい。」物が多いのに対し、藤子不二雄Ⓐ氏のそれにはブラック・ユーモアに溢れた物が少なくない。この「魔太郎がくる!!」も虐められっ子の魔太郎が、魔術「恨み念法」で以て復讐するというストーリー。恨み念法を用いる際の決め台詞「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か。」は、当時の子供達が多く口にした物だった。
5位: 「少年時代」
太平洋戦争末期、東京から富山に疎開した少年を中心に描いた作品。“余所者”に白い目を向ける排他的な人々との遣り取り、そして哀愁漂う結末が印象的。
6位: 「エスパー魔美」
連載されていた当時は多感な時期だった事も在り、主人公の魔美が父親のアトリエで一糸纏わぬ姿でヌード・モデルをしているシーンに心ときめいた物。

7位: 「ウメ星デンカ」
連載時の人気は今一つだった様だが、好きなギャグ漫画の一つだ。
8位: 「ジャングル黒べえ」先にアニメ(動画)を見て、後から原作を読んだ。兎に角、アニメのインパクトが強烈で、非常に面白かったのだが、言い掛かりとしか思えない糾弾によって作品自体が封印されてしまっているのは残念だ。差別問題はきちんと取り組まなければならない問題だが、表面的な部分“だけ”で全てを闇から闇に葬ってしまうというのは不毛としか思えない。
9位: 「バケルくん」
様々な人形の鼻に触れる事でその人形に乗り移り、“人間”として行動するというストーリー。「変身」に憧れる子供というのは今も昔も少なからず居る事だろうが、そんな思いを充足させてくれる。
10位: 「ブラック商会変奇郎」
骨董品店の一人息子・変奇郎が、店に置かれている魔力が秘められた品々を用いて悪人を恐喝し、金銭を巻き上げるというストーリーで、上記した「魔太郎がくる!!」に似たテーストが在る。そのテーストは作品の後期になるにつれ強まっていくものの、「魔太郎がくる!!」程の暗さは無い。
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この他にも「みきおとミキオ」や「黒ィせぇるすまん」、「パーマン」、そして「コロリころげた木の根っ子」に代表される短編等、多くの作品が思い浮かぶ。

Q太郎が時折見せる寂しげな表情に、子供乍らグッとさせられる物が在りました。人間臭さを感じさせるオバケでしたね。
今でも藤子・F・不二雄氏の全集再刊行を望む声は非常に多く、出版社サイドとしても再刊行したいのはやまやまだと思うんです。漏れ伝わる話では、藤子・F・不二雄氏の御遺族が再刊行に消極的との事で、何とか意向を変えて戴けると嬉しいのですが。
「キテレツ大百科」、掲載誌が家の光協会の子供向け雑誌というのは初めて知りました。作品自体はアニメの影響で有名なのですが、掲載当時はそれ程有名な存在では無かったんですね。
「エスパー魔美」、高畑君の純情さが何とももどかしかった。
意外にはまったのは「キテレツ」です。これは甥の守りをしていたときにCSで見て、面白いマンガだったんだなと初めて知りました。
若い連中が「ノゼローゼ」と言っていたのの語源を知ることが出来ましたし、コロッケの歌と「初めてのチュウ」がこのマンガ由来ということも知りました。確か最初の掲載誌は農家に行くと良く置いてあった「家の光」関係の雑誌なんですよね(笑)。
パーマンも大好きです。あの4号のがめつさが意外に好きでした。Qちゃんや初期のドラえもんにも見受けられますが、昭和40年代のマンガなので「炭鉱の事故」とか「集団就職した兄貴が蒸発した」なんていう話があったのを覚えています。
シリアスものだとgiantsさんが上位に挙げておられるものたちも良いですが、「エスパー魔美」も比較的シリアスというか、青春物、どこかNHKの少年ドラマシリーズみたいな雰囲気が好きでした。
山下達郎氏が自らを『アトムの子』と歌うなら、さしずめ自分は『オバQの友達』ですかね…?
親から聞いた話ですが、自分は幼少の頃、オバQの人形を肌身離さず持っていた様です。
一連の作品はだいたい視聴しましたが、こちらに取り上げられた作品の他に愛読した物は『キテレツ大百科』ですね。
小学生時代に友人宅にてコミック本をちょっと読んだだけでしたが、大人になってからアニメ化されると『サザエさん』からの流れでつい見てしまいました(^_^;)ゞ
余談ですが、告別式に足を運びました。
A先生なら、最終回が感動的な『怪物くん』と、自伝的作品『まんが道』も読みました。続編の『愛、しりそめし頃』も時々読みます。
「T・Pぼん」も面白い作品でしたね。スライム(と言っても「ドラゴンクエスト・シリーズ」のスライムでは無く、大昔に流行ったスライム。[http://suzuiro.air-nifty.com/shiritori/2006/02/post_58c3.html]に似た「ブヨヨン」が印象に残っています。
掲載誌は確かに地味だったし、発行元が某宗教団体系列の出版社だったのが何でしたが、「三国志」や「ブッダ」、「風雲児たち」等、味わい深い作品を載せていた功績は大きかったと思います。
ジャングル黒ベエは、ちょっと前まではカラオケでしか動画が見られなかったんですが、良い時代になりました(苦笑)
藤子作品のベスト10を選ぶ時、「ドラえもん」は老若男女を問わず上位に入る作品ですよね。
「ひっとらぁ伯父サン」は藤子不二雄Ⓐ氏のブラック・ユーモアが溢れた作品の一つで、自分も好きです。そう言えば藤子不二雄Ⓐ氏の作品には、ナチスドイツを連想させる設定が少なく無い気が。
特定の漫画家のベスト10を選ぶ記事、実は既に1つ書き終えており、取り敢えずこれで完結させようかと。と言うのも、その漫画家に関してはベスト10というのが選べるものの、他に好きな漫画家の場合はその漫画家の世界観が好きというのが優先して、作品をベスト10形式で挙げるにはそぐわない気がして。
幼少期、「『ドラえもん』と『魔太郎がくる!!』とでは、同じ漫画家なのに何故これ程迄に雰囲気が違うのだろうか?」と不思議でした。その頃既に「藤子不二雄」なる漫画家が2人の共同ペンネームで在るのは知っていたのですが、一つの作品を2人で描き上げているものと思っていたからです。後年になって、“原則的には”別々で作品を描き上げていた事を知り、作風の違いが存在するのを納得したもの。
順不同です。
どらえもん
海の王子
黒いセールスマン
プロゴルファー猿
パーマン
おばけのQ太郎
魔太郎がくる
ひっとらーおじさん(短編)
忍者はっとり君
まんが道
この企画いいですね。
手塚治虫
白土三平
石森章太郎
梶原一騎
たちもしませんか?
巨泉の番組でやってたアレが
記憶に新しいです。
これほど違う作風が
同じチーム(ペンネーム)でやっていたというのも、面白いです。