ジャイアンツが7連勝し、首位・カープに5ゲーム差として乗り込んだMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島。「今回の3連戦、ジャイアンツが2勝1敗で乗り切れれば御の字。」と思っていたが、終わってみればジャイアンツの3連敗。「エース・菅野智之投手を立て、滅多打ちされて『7対5』で負けた一昨日の試合。」も然る事乍ら、「4回表を終えて『0対6』とジャイアンツが大量リードしていたのに、5本の本塁打を浴びて『8対6』で負けた試合。」は、「今日は勝てるかも。」と期待しただけに、ジャイアンツ・ファンとしてはショックが大きい。
此れで首位・カープとは8ゲーム差となり、自力優勝の可能性が消滅した。一昨日、菅野投手で負けた事から、「今季のジャイアンツの優勝は無理。」と思っていたので、今更「自力優勝の可能性が消滅した。」という事は想定内だが、「昨年8月から、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島同球場では12連敗。」という事実は、重く受け止めなければいけない。
今季、カープが各チームと闘った際の成績を下記する。飽く迄もカープが主体で在り、「『得点』は、『其のチームからカープが得た点数。』。」、「『失点』は、『其のチームにカープが与えた点数。』。」、「『本塁打』は、『其のチームからカープが打った本数。』。」といった具合だ。又、括弧内の数字は、1試合当たりの平均を意味する。
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「今季、カープが各チームと戦った際の成績」
対ジャイアンツ-16試合消化
得点:88(5.5)
失点:78(4.8)
本塁打:31(1.9)
打率:.269
防御率:4.09
対スワローズ-12試合消化
得点:54(4.5)
失点:42(3.5)
本塁打:13(1.0)
打率:.238
防御率:3.33
対タイガース-11試合消化
得点:70(6.3)
失点:34(3.0)
本塁打:14(1.2)
打率:.265
防御率:2.85
対ベイスターズ-10試合消化
得点:55(5.5)
失点:31(3.1)
本塁打:7(0.7)
打率:.273
防御率:2.86
対ドラゴンズ-15試合消化
得点:70(4.6)
失点:68(4.5)
本塁打:16(1.0)
打率:.259
防御率:4.40
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数字を見ると、「3位のスワローズが、カープに対しては結構健闘している。(スワローズの投手陣は、カープの打者を比較的抑えている。)」事が判る。
一方、ジャイアンツはと言えば、「カープの投手陣を相手に打者はまあまあ打っているけれど、投手陣がカープの打者に打たれ過ぎ。」となっている。「カープの打者に、矢鱈と本塁打を打たれている。」という印象が今季は在ったが、カープに対する1試合当たり平均の被本塁打数が「1.9」とリーグ最多で、最少のベイスターズの「0.7」と比べると、約2.7倍なのだ。
今季、ジャイアンツはカープに対し「4勝12敗」と大きく負け越している。対カープ戦で借金「8」を作っており、カープの貯金「15」の半分以上を占めている計算になる。
ジャイアンツが此処迄大きくカープに負け越している理由を、幾つか考えてみた。(大声援等、本拠地という事の“地の利”を否定はしないけれど、其れだけでカープが、こんなにも大勝出来ないだろう。)
前監督の原辰徳氏にもそういう傾向が見られたけれど、「チームが大量得点した際、相手チームを侮って不調な先発投手を引っ張り過ぎたり、“格下投手”に変える。そして、其の投手が滅多打ちされて大量失点してから、慌てて“格上投手”に変えるも、悪い流れが変えられずに負ける。(勝ったとしても、ギリギリの勝ち。)」というのは高橋由伸監督にも見受けられる。順位が下のチームならば、こういうスタンスでぎりぎり勝てたとしても、粘っこい打撃を身上とするカープ打線を相手にしては、致命傷となるのは必定。早め早めに手を打つ事が、カープ打線相手には求められる。
カープ投手陣を相手に頑張っているジャイアンツ打線に、ああだこうだ言うのはどうかとも思うけれど、カープ打線の粘っこさと比べると、どうしても淡白さを感じてしまう。「1点取っても、更に1点を捥ぎ取る。」といったカープ打線の貪欲さに対し、ジャイアンツ打線の場合は「此の位得点したら、もう大丈夫だろう。」といった淡白さを感じる事が多い。得点し、更にチャンスが残っているのに、あっさりと凡打(乃至は三振)してしまう。結局、更なるチャンスを活かせなかった事で負けてしまう。
そして、1番の理由は「バッテリーの問題」だろう。ジャイアンツ投手陣に対するカープ打線を見ていると、“狙い打ち”している様な感じが在る。昔からカープというチームは分析力が凄いけれど、「ジャイアンツのバッテリーの問題を見抜いている。」様な気がする。
スパイ行為とかそういうのでは無く、「ジャイアンツ投手陣の癖」や「ジャイアンツのキャッチャーの配球(特にカープがチャンスを迎えた際)の癖」がカープに見抜かれているのではないだろうか?そうでも思わないと、ああも狙い打ちされ、本塁打を増産される事は無いだろう。
「投手陣の癖の有無」や「(カープ打線を比較的抑えている)スワローズやベイスターズのバッテリーの配球」を徹底分析する事が、ジャイアンツには必要。そうしないと、此れからもジャイアンツは、カープに負け続ける事だろう。