子供の頃よりミステリー作品が大好きで、推理小説やミステリー映画を数多読み、そして観て来た。推理小説に関して言えば、「海外作品の場合、登場人物の名前が覚え難い。」という理由から、今は専ら日本の作家の作品を読んでいるが、「抑、推理小説に興味を持ったのは、幼い頃に読んだ(子供向けに翻訳された)アーサー・コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ・シリーズ』が切っ掛け。」で在り、同シリーズを全て読破して以降は、アガサ・クリスティ―やモーリス・ルブラン、エラリー・クイーン、ガストン・ルルー、F・W・クロフツ、エドガー・アラン・ポー等々、有名所の推理小説を読み漁って来た。
そんな自分なので、NHKで放送されたTVドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」や「アガサ・クリスティ― ミス・マープル」は全話見たし、今は(過去に全話見たけれど)「名探偵ポワロ」を見ている。
原作に忠実な作りの「名探偵ポワロ」だが、自分は此の作品を見る際、必ず1つの“遊び”をしている。「冒頭で作品の“邦題”が表示されるのだが、録画をストップして“原題”、即ち“原作の元のタイトル”が、“英語”でどう表記されていたか?」を当てる遊びだ。
「英語から、日本語への翻訳。」という流れで言えば、「英語で書かれた原題を、忠実に日本語の邦題に直している。」というケースが殆どなのだけれど、中には「其の作品のテーマとなっている事柄(童謡集「マザー・グース」等。)を原題には使われていたが、邦題では全く違った物となっている。」なんていう物も在り、こういうのは内容を知らないと、何が何だか全く判らないだろう。
又、「原題を忠実に翻訳したら違う邦題になるのだろうけれど、絶妙な“意訳”がされた邦題。」というのも在る。先月に放送された「象は忘れない」もそんな1つで、頭の中で「『Elephant doesn’t Forget(象は忘れない)』って感じかな?」と“予想”したら、原題は「Elephants can Remember(象達は覚えていられる)」だった。象が複数形だったのは別にしても、「覚えていられる→忘れない」という翻訳には、「成る程!」と唸ってしまった。
アガサ・クリスティ―の作品の“長編小説”に限定して、“邦題から原題を予想するのが難しそうな物”を上げると、次の通り。
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① 邦題:「秘密機関」
原題:「The Secret Adversary(秘密の敵)」
② 邦題:「邪悪の家」
原題:「Peril at End House(エンド・ハウスでの危難)」
③ 邦題:「雲をつかむ死」
原題:「Death in the Clouds(雲の中の死)」
④ 邦題:「ひらいたトランプ」
原題:「Cards on the Table(テーブル上のトランプ)」
⑤ 邦題:「そして誰もいなくなった」
原題:「Ten Little Niggers(10人の黒人の子供達)」
⑥ 邦題:「杉の柩」
原題:「Sad Cypress(痛ましい糸杉)」
⑦ 邦題:「愛国殺人」
原題:「One, Two, Buckle My Shoe(1、2、私の靴の留め金を締めて)」
⑧ 邦題:「ゼロ時間へ」
原題:「Towards Zero(零に向かって)」
⑨ 邦題:「魔術の殺人」
原題:「They Do It with Mirrors(彼等は鏡を使って其れを行う)」
⑩ 邦題:「無実はさいなむ」
原題:「Ordeal by Innocence(無実での苦難)」
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⑤と⑦の原題には、テーマとなった「マザー・グース」内の童謡が使われている。