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「所有者不明土地、使用者から課税可能に 来年の通常国会で法改正へ」(11月24日、産経新聞)
土地の所有者に課す固定資産税に付いて、所有者が判らない場合でも、其の土地で居住や商売をしている「使用者」に課税出来る様、政府・与党が地方税法を改正する方向で検討している事が24日、判った。高齢化の進行に伴う相続の増加で、所有者不明の土地は今後も増える事が予想されており、固定資産税を払わずに土地を使用出来るという不公平な現状を放置出来なくなった格好だ。
年末に取り纏めるまとめる令和2年度与党税制改正大綱に盛り込んだ上で、来年の通常国会で地方税法の改正を目指す。実際に使用者に課税が行われるのは、令和3年度以降になる見通し。唯、固定資産税は資産所有者に行政サーヴィスの対価として課税するという原則が在る為、使用者に課税する場合は、戸籍等の調査を尽くした上でも、所有者が特定出来ない場合に限定する。
所有者不明土地は、所有者と連絡が付かない宅地や山林等で、総務省によると、現在登記簿上で所有者が特定出来ない土地数は、全体の約2割に及ぶ。所有者の遺族が相続放棄した際などに生じる事が多いが、戦争で所有者が元々判らないケースや、代表者の氏名や集落名で登記されている物も在ると言う。
最近増えているのは、地方の地価低迷や人口流出を背景に、相続しても費用と時間の掛かる登記をしないケース。増田寛也元総務相等の有識者研究会は、「防止措置を取らないと、令和22(2040)年に北海道の面積に匹敵する約720万ヘクタール迄所有者不明土地は増える。」と推計しており、固定資産税の“取りっぱぐれ”も増加する可能性が在る。
所有者不明土地に使用者が存在するのは、「稀に戦後の混乱の中で定住したり、相続放棄したにも拘らず、親族が住み続けたりするケース。」だと言う。現行でも災害で所有者が不明の場合は、使用者から固定資産税を徴収できる特例が在る事から、こうした措置を拡大する方向。又、所有者の特定に膨大な時間と手間が掛かっている事を踏まえ、「遺産相続の際に、新たな所有者に届け出を義務化する制度の新設。」も検討する。
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昔、親族が“所有”する山林が、登記簿上は大昔に亡くなった彼の祖父の所有の儘となっている事を知り、非常に驚いた。色々調べた所、「相続された土地に関し、登記簿上の所有者名を変える義務は無く、固定資産税がきちんと払われ続けていれば、登記簿上“昔の所有者名”の儘でも問題無い。」という事を知り、「変な話だなあ。実態に合う形に、義務化しないと。」と思った事が在る。なので、今回の政府の動きは賛成だ。“明らかな不公平”は、早急に改めるべきなので。
こういう不公平さは、他にも多く存在している。過去に何度か書いているけれど、「世襲議員が政治資金管理団体を通す事で、相続税を実質的に全く掛からない様にしている事。(其の結果、選挙に費やせる費用が膨大となり、能力が在るのに選挙に勝てない“非世襲候補”が多く生まれる等、世襲の悪影響が増大している。)」*1や「宗教団体に対し、異常な程の税制優遇がされている事。」等は、早急に改めるべき。真面目に生きている人間が馬鹿を見る世の中って、絶対におかしい。
*1 「小泉進次郎議員が『大衆受けする事は言うけれど、“言うだけ番長”で何も出来ていないし、何よりも自分達の身を切る事は一切言わない人物で在る。』事。」は、過去に何度も指摘して来た。彼の“中身の無さ”や“狡さ”に気付き始めた人が最近増えている様だが、世襲議員で在る彼は「『世襲議員が、政治資金管理団体を通す事で“脱税”出来る仕組み。』を無くそう!」と主張した事は、全く無い。
土地の所有に関しては、国土はすべて国有地とし、一定の条件のもとに貸し出す、としたほうがすっきりするのになあと、常々思っています。
時の権力によって恣意的な運用(森友事件のように)をされないよう、そこはしっかりと罰則付きの基準を作ったうえでですが。
極端な例えかもしれませんが、中国人富裕層による土地の買い漁りによって、佐渡島とか淡路島が買い占められたとき、そこは日本国土といえるのかどうか、四国とか九州、北海道丸ごとではどうか。
もちろんその場合でも日本の法律は及ぶのでしょうが、所有者が断固拒否した場合、強制接収によって所有者から土地を取り上げる事が出来るのか、中国との国際問題に発展することはないのか、などいらぬことを考えてしまいます(苦笑)。
「国土=全て国有地」となると、悪い意味で社会主義国家の様な感じが。
法律的な観点からすると、異国人が日本の土地を買い占めた所で、其れ等が日本の国土で在る事に変わりは無い。でも、“彼等”が選挙権又は被選挙権を有する事になったら、異国の政治家が異国にとって都合の良い形に法律を変え・・・そういう危うさは考えられるでしょうね。まあ、現実的には難しいでしょうが。
色んな意味で非常に強かな中国等、あらゆる可能性を考慮し、事前に対策を打たなければならない国は存在しますので、悠々遊様の懸念は“杞憂”の一言で片付けられないのも事実ですね。
これ実は私の場合、その通りなのです。
12年前に父が亡くなりましたが、その後もずっと土地、家屋の登記簿上の所有者は、父のままです。但し固定資産税の納付者は、父の死亡届を出した時に固定資産税課に行くと、すぐに当時存命だった母に変更され、2年前に母が亡くなった時には私に変更され、以後ずっと私が固定資産税を納めるようになって現在に至っております。
納付通知書は私の所に届くし、登記簿を変更せよとの督促もまったくありません。
早く登記簿所有者も私に変えたいのですが、これがもの凄くハードルが高いのです。簡単に行きません。
次のものが必要になります。
①被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍の取り寄せ
②相続権利者(私の場合兄弟4人)全員の署名・実印押印のある遺産分割協議書、全員の印鑑証明
③相続人の戸籍謄本、住民票
④登記申請書の作成
⑤申請時点での不動産評価証明書取り寄せ、それに基づく課税価格と登録免許税の算出
③④⑤はなんとか用意出来ました。私は全部自分でやりましたが、面倒であれば行政書士等に頼めばやってくれるので、これらに関してはそれほど手間はかかりません。問題は①②で、①は祖父母の代まで遡って除籍謄本等を取り寄せなければならないので、それを調べるだけでも大変でした。あちこちの市役所に問い合わせ、やっと揃えて相談に行ったら、祖父が途中で転居してるので、またその転居前の除籍謄本、改製原戸籍取り寄せ、と大変な目に。
次に遺産分割協議書ですが、これがまた誰がいくら取り分をもらうかでひと悶着。なんとか兄弟が納得しても、その配偶者が横やり入れて来てまた揉めて、とゴタゴタ続き。
そんなわけで、まだ決着に至っておりません。精神的にくたびれてしまいました。
こういうややこしい手続きが必要なので、多くの人は面倒がって、登記簿をそのままにしているケースが多いのではと思います。仮に首尾よく名義変更が済んだとしても、今度は家屋の老朽化で解体しようとするとまた金がかかります。うまく売れて売却益が出たら、また兄弟でどう配分するかで揉めるでしょうね。頭が痛いです。
それこそ、空き家にしてほったらかしたくもなります(笑)。
「遺産相続の際に、新たな所有者に届け出を義務化」が検討されているとの事ですが、こうした複雑な手続きをもっと簡素化しないと、いくら義務付けても改善されない気がします。
例えばインターネットでも申請が出来るようにし、次々クリックするだけで、除籍謄本等も簡単に検索出来て、入力が終わればもう手続き終了、くらいにすれば(遺産分割の問題は残りますがそれ以外については)、もっと所有名義変更が前に進む気がします。むろん厳正な本人確認、意思確認は必要ですが。
何でもそうですが、実情を考えもせず、ルールだけ作って終わり、という現行の役所仕事(英語の記述式試験導入などまさしくそれ)は、もういいかげん改めていただいたいものです。
実際に経験されているKei様の書き込み、非常に勉強になりました。
登記簿上の所有者の変更、件の親族から話は聞いてはいましたが、思っていた以上に手続きが煩雑なのですね。
一昔前の週刊誌、そして近年の週刊誌の大きな違いは、「病気や薬に関するトラブル」と「親が亡くなった際に発生する手続き」の特集が、非常に多い事。後者の場合で言えば、自分なりに知っている積りでいたけれど、「行わなければならない事柄の余りの多さと其の期限。」が、余りにも多い事を知り、“其の時”に備えて全てをコピーして保存した次第です。
日本の良く無い部分の1つで在る「セクショナリズム」が、“人の死”に関しても当該し、煩雑さを増させている感じが在りますね。Kei様も書かれている様に「ネットの利用」もそうですが、「人が亡くなった際に行わなければならない諸手続きを一本化し、其の部署に行けば(又は其の部署のサイトを開けば)、流れ作業でしなければならない事を完結させられる。」という風にして欲しいです。