調整不足なら、じっくり調整させた方が良い

昨日、日本プロ野球は開幕を迎えた。此の２日間で各チームは其れ其れ２試合を消化した訳だが、今季の我が順位予想からすると、予想を裏切る試合が多かった様に感じる。

 

パ・リーグで言えば、１位を予想したライオンズがまさかの連敗を喫し、４位と苦戦を予想したファイターズが連勝。栗山英樹監督が開幕投手に斎藤佑樹投手を指名した事で、「実績等、総合的に考えたら斎藤投手は無い。人気を優先しての起用だろうけれど、開幕投手を務めるに相応しい者は他にも居り、開幕で負けを喫したら、チーム内に不協和音が生じるだろうな。」と思った。しかし蓋を開けてみれば、斎藤投手は９回を投げ抜き、僅か１失点で勝利投手に。此れでチームに勢いが付き（逆にライオンズは、出鼻を挫かれてしまった。）、ファイターズは連勝。斎藤投手に賭けた栗山監督も見事ならば、期待に応えた斎藤投手も見事。

 

一方セ・リーグでは、４位に予想したドラゴンズが連勝。チェン・ウェイン投手が抜ける等、投手陣に大きな不安を感じていたのと、何よりも名将・落合博満氏が監督を退いた事が、ドラゴンズの弱体化を予想させたのだが、ところがどっこい２試合共に、投げた投手達は皆素晴らしかった。特に「活躍は難しいだろうな。」と期待していなかった川上憲伸が、今日の試合に先発し、６回を投げて無失点というのには唖然。「恐れ入谷の鬼子母神。」と、平伏すしか無い。

 

オープン戦は好調も、「公式戦に入ったら苦戦続きで、結局は最下位になるだろう。」と予想したベイスターズ。少なくとも此の２試合を見る限りでは、粘っこい試合をしていると思う。選手達が今のスタイルを持続出来れば、大番狂わせが在るかもしれない。

 

２位に予想したタイガースは、抑えの藤川球児投手が思っていた以上に不安定。「絶対に打てない。」と思わせた全盛期からすると、近年は衰えが見受けられていたものの、其れでも此処迄は不安定で無かった様に感じる。一時的な不調で在れば良いのだが・・・。

 

自身が大ファンという事も在るが、最も予想を裏切られたのは、１位に予想したジャイアンツだ。開幕３連戦の相手がスワローズという事で、（スワローズ・ファンには申し訳無いけれど。）ジャイアンツの「２勝１敗」と読んでいた。しかし２戦を終えて、結果はジャイアンツの「０勝２敗」。打撃陣が中々点を取れないのは織り込み済みだったけれど、投手陣が意外にも大不調。今日の試合に先発し、６回３分の１を投げて２失点の澤村拓一投手も、失点数だけを見れば責められないが、失点の仕方が余りに悪い。他に投げた投手達も、「“略”総崩れ状態」と言って良い。スワローズ打線が“決め打ち”していた様な所も在り、投手達の癖、又は阿部慎之助捕手の配球傾向が見破られている可能性も。

 

特に心配なのが、昨日の試合で澤村投手の後に投げた久保裕也投手。昨シーズンは獅子奮迅の大活躍を見せた彼だが、シーズンオフには右股関節唇の修復手術を受けていた。無理を押して開幕戦に間に合わせたという感が在ったけれど、案の定と言うべきか投球時に上半身が突っ込み気味で、コントロールが儘ならない。昨年の実績を考えての起用とは思うが、幾らヴェテランとは言え、大手術を受けた後の、其れも明らかに調整不足（オープン戦では、１度しか登板していない。）な中で投げさせるというのは、どんなものだろうかか？

 

原監督の性格を考えると、「失敗を引き摺らせず、出来るだけ早く切り替えさせたい。」と、今日の試合にでも久保投手を起用しそうな気がする。一時的な不調ならいざ知らず、調整不足が要因ならば、久保投手が再び失点する可能性が高く、そうなると彼が受けるダメージは決して小さくないだろう。下手をすれば、其のダメージから立ち直るのに結構な時間を有する事にも成り兼ねない。

 

消化したのは、僅か２試合。残り約半年の長丁場を考えれば、無理して久保投手を１軍に帯同させるのでは無く、２軍で十二分に調整させた方が、本人にとってもチームにとっても良いのではないか？次の登板できっちり結果を残し、以降も問題無く投げてくれれば、其れは嬉しい事だけれど。