ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ヨモツイクサ」

2023年09月18日 | 書籍関連

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黄泉の森には、絶対に入ってはならない。」。
人なのか、なのか、禁域の森には未知なる生物が居る究極遺伝子を持ち、生命を喰い尽くす其の名は「ヨモツイクサ」。

北海道旭川に≪黄泉の森≫と呼ばれ、アイヌの人々が怖れて来た禁域が在った。其の
禁域を大手ホテル会社が開発し様とするのだが、作業員が行方不明になってしまう。現場には“何か”に蹂躙された痕跡だけが残されていた。そして、作業員は死ぬ前に神秘的蒼い光を見たと言う。

地元の道央大学医学部付属病院勤める外科医・佐原茜(さはら あかね)の実家は黄泉の森のに在り、7
年前に家族が忽然と消える神隠し事件に遭っていて、今も家族を捜していた。此のつの事件は繋がっているのか?若しかして、ヨモツイクサの仕業なのか?
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現役医師でも在る作家知念実希人氏は、読み応えの在る作品を次々と生み出しており、自分が好きな作家の1人だ。(此方に紹介されている様に、「ネトウヨ気質言動を繰り広げ、『デマ拡散や、明らかな間違いを指摘されると無視したり、見苦しい言い訳に終始している。」のは本当に残念だし、人としてどうかと思ってはいるが。)今回読んだ「ヨモツイクサ」は、未知なる生物を探る佐原茜達の姿を描いた作品で、読んでいてぐんぐんとストーリーに引き込まれて行った

一部ネタバレになってしまうが、蟷螂針金虫との関係を思い浮かべてしまう内容だった。「(残酷な部分を持ち合わせていた)少年時代、道端で蟷螂を見付けて踏み付けた際、“尻”から黒くて細長い物がニョロニョロと這い出て来て、『何だ此れ!?』と気持ち悪く思った経験。」というのは、少なからずの男性には在る事だろう。彼の黒くて細長い物が針金虫で在り、「」と付いてはいるものの「昆虫」では無く、実は「寄生虫」なのだ。そして、蟷螂の体内に寄生した針金虫は、一定期間が過ぎると蟷螂自身を“コントロール”し、泳げない彼を水の中に飛び込ませ、結果的に“自殺”させる。事でも知られている。「生物(→宿主)の体内に寄生した別の生物が、宿主をコントールする。」というのは、とても不気味で恐ろしさを感じてしまうが、「ヨモツイクサ」にも同じ感情が湧く

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黄泉軍(よもついくさ)黄泉の軍隊
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イザナギイザナミ等、日本神話纏わる設定が作品に“良いスパイス”となっている。ハッキリ言って救いが感じられない結末だし、グロテスクな表現も目立つが、“予想外の展開”(ラスボス正体、「“彼の人物”に違い無い!」と予想したが、全く違っていた。まさか“彼の人”だったとは・・・。)は良かった

総合評価は、星3.5個とする。


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