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「AIで東大合格断念 『東ロボくん』偏差値伸びず」(11月14日、日本経済新聞)
人工知能(AI)で東京大合格を目指す「東ロボくん」の開発を進めて来た国立情報学研究所などは14日、2016年度の大学入試センター試験の模試で偏差値「57.1」を獲得したと発表した。昨年から略横這いで、東大合格圏には達しなかった。今後は東大合格を目標にせず、中高生の読解力を高める研究等に注力する考えだ。
プロジェクトは入試問題への挑戦を通じて、AIの可能性を検証する目的で2011年度に始めた。2021年度に、東大入試を突破する事を目標にしていた。
4回目となった今回の模試では、5教科8科目の合計得点が525点(全国平均は454.8点)だった。昨年に比べ物理の偏差値が「46.5」から「59」と大きく伸びた半面、数学は低下し、全体では横這いだった。
国公立23大学、私立512大学で合格可能性80%以上と判定された。首都圏や関西の難関私立大も含まれると言う。東大の2次試験を想定した論述式の模試では、理系数学の偏差値が「76.2」と好成績を上げた。
14日の成果報告会で情報学研の新井紀子教授は「意味を深く理解しないといけない事を聞かれると、途端に難しくなる」と話し、問題を理解する読解力に限界が在る事を明らかにした。
センター試験の模試を現在の態勢で受け続けるのは、今年で止める。今後は産業応用や、中高生の読解力を高める研究に軸足を移す。
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2016年度の大学入試センター試験の模試に於ける、東ロボ君の主な成績が記されていたが、一番偏差値が高かったのは世界史Bの「66」で、逆に一番低かったのは国語の「50」。
先日、棋士・三浦弘行九段の「将棋ソフト不正使用疑惑」が明らかになった際は、「AIも、そんな凄いレヴェルになったのか。」と驚いた。でも、東ロボ君の場合、東大入試を突破する迄には到らなかった訳で、「未だ未だ人間の頭脳の方に、優っている部分が残されているのだなあ。」とホッとする気持ちも在る。