夏目漱石氏に志賀直哉氏、そして谷崎潤一郎氏。“明治の文豪”として知られる3人だが、彼等には面白い共通点が在る。其れは、引っ越しが大好きな“引っ越し魔”だったという事。
「英語の教師として熊本に住んでいた夏目漱石氏は、4年3ヶ月の間に6回も引っ越しした。」、「88年の人生で、26回も引っ越した志賀直哉氏。」、そして「79年の人生で、40回も引っ越した谷崎潤一郎氏。」というのを知ると、相当の引っ越し魔だった事が判る。
自分の場合、此れ迄の引っ越し回数は4回。赤ん坊だった頃も含めた回数で、半世紀近く生きて来た人間として多いのか少ないのかは判らないけれど、上記した3人の回数からすれば、足元にも及ばないのは間違い無い。
成人になって以降、引っ越しの経験は皆無。4回全て、子供時代の事。「新しい環境に馴染むのは、とても厄介。」と感じる自分にとって、「引っ越しなんか、したいとは思わない。」訳だけれど、世の中には好んで引っ越しをする人も居たりする。40代後半の知り合いの女性なんぞはそんな1人で、しょっちゅう引っ越しをしており、酷い時には「3年間、毎年引っ越した。」なんて事も。
「引っ越しするのは、気分転換の為。」と彼女は言うが、個人的には理解不能。独身ならば、其のフットワークの軽さは判らないでも無いけれど、彼女は既婚で子供も居る。子供の学校の関係も在るので、引っ越しと言っても近場を転々としているのだが、其れだって少なからずの費用が発生する。「パートをしているのは、引っ越し代を稼ぐという面も在る。」とも言っているが、此れ又、個人的には理解不能。
金銭面の大変さも在るが、何よりも「新しい環境で、新たな人間関係を構築する。」というのは大変。まあ彼女の場合、直ぐに引っ越すのだから、新たな人間関係を構築する気が無いのかもしれないけれど・・・。
若い頃には大掃除を兼ねて何年かに一度やりました。
そう思うと引っ越しが気分転換になる・・・なんとなくですがわかる気がしないでもない(笑)。
身近にはいなかったけれど、昔はサーカスの子供は巡業で各地を転々とするので、しょっちゅう転校だと聞いたことがあります。
根が不精な人間ですので、家具の配置換えとかは殆どした事が在りません。一旦設置したら、ずっと其の儘という感じ。ですので、配置換えとかをちょこちょこされている方は、「本当に偉いなあ。」と思ってしまいます。
サーカスで働いているスタッフの子供もそうですが、旅芸人一座の子供も、絶えず引っ越ししていると聞きますね。「数週間単位で、学校を移る。」というのは、友達との思い出作りという点では、寂しさを覚えるのではないかと。
それじゃ街の事が何も解らないじゃん!
そう思いましたけど。
“引っ越し”って肉体的な負担も然る事乍ら、精神的な負担が凄く在ると思うんです。其れなのに、好んで引っ越しをするというのが個人的には理解不能なのですが、引っ越し好きな人に言わせれば、「引っ越し=ストレス発散」なのだそうです。うーん・・・理解不能。