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「生活保護 浪費禁止条例案 ~パチンコ熱中は駄目~」(2月28日付け東京新聞【朝刊】)
生活保護費をパチンコ等の遊興で浪費しては駄目。全国でも前例の無いこんな条例案を兵庫県小野市が27日、市議会に提出した。市民の「責務」として、過度な浪費を見付けた場合は、市に通報する事も求めており、「行き過ぎた監視社会を招く。」等と不安の声も出ている。
「社会保障制度が国民全体の協力で成り立っているという事を、改めて考え直す切っ掛けになれば。」。同市市民福祉部の担当者は、条例案の意義をこう説明した。
条例の正式名称は「小野市福祉給付制度適正化条例」。生活保護費は、福祉の増進を図る目的で給付される事を強調。生活が維持出来なくなる迄パチンコ、競輪、競馬や其の他の遊興に消費する事を禁じている。
市民には、不正受給や、生活への支障を常習的に起こしている浪費を見付けた際には、市に情報提供する事を「責務」とした。通報が在った場合には、警察官OB等の「推進員」が調査し、事実なら市が指導したり、是正させたりする。改善されなければ、支給を止める事も在ると言う。
厚生労働省は「生活保護制度の趣旨の範囲は逸脱していないが、こんな条例は他に聞いた事が無い。」とする。
生活保護費の増大が問題となり、安倍政権は削減する方針を示している。だが、実は、人口約5万人の同市の生活保護受給者数は120世帯149人(2013年2月1日時点)と、全国的に見て特に多い訳では無い。人口に占める受給者の割合は0.29%(全国平均1.68%)で、県内41市町村の内2番目に少ない「優等生」だ。
担当者は「御笑い芸人の母親が生活保護を受給していたケースも在り、社会の目も厳しくなった。『何かが起きてからでは遅い。』と、予防的な措置を含めて取り組もうと考えた。」と説明する。
此れに対し、「受給者を委縮させ、憲法が定める『個人の尊厳』や『最低限の生活をする権利』を侵し兼ねない。」と指摘するのは、同県内で生活保護相談に取り組む西部智子弁護士だ。「パチンコ店に居るのを見ただけでは、常習的か判らない。抑、受給者かどうかも判らないのに、曖昧な通報でプライヴァシーを調査されてしまう。市民の相互監視が疑心暗鬼を招く事になる。」と批判する。
関西国際大の道中隆教授(社会保障論)は「最後のセーフティー・ネットで在るべき生活保護制度の敷居が高くなってしまい、本来は受給の申請が必要な人迄、利用し辛くなる。」と危惧する。「福祉事務所のケースワーカーを増やしたり、就業支援を充実させる等の対策の方を優先すべきだ。」と提案する。
条例案では、生活保護を必要とする「要保護者」を見付けた場合にも市への情報提供を義務付けている。此の点に付いて路上生活者を支援するNPO法人「神戸の冬を支える会」の青木茂幸事務局長は、「後付けにしか見えない。此れによって、助かる受給者が増えるとは考え難い。」と疑問視する。
「生活保護受給者が少ない小野市で、何故態々こんな条例が必要なのか。強いてメリットを挙げるなら、小野市の名を全国に知らしめた事位しか無い。」。
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政治家が贅沢三昧な生活をしているという事“だけ”で、其れを批判するのはどうかと思っている。勤労で得た対価で何れだけ贅沢に飲み食いしようが、そんなのは個人の勝手で在り、其れを批判するというのは単なるやっかみだから。でも、此れは飽く迄も「正当な対価」を使った場合で在って、「政治資金」等を本来の用途外で在る「私的飲食」に用いる場合は論外で、此の場合は非難されても当然。
同様に、個人が遊興に何れだけ金銭を費やそうとも、其れは「自己責任の下、全くの自由。」だけれど、血税が投入されている生活保護費を受給している人の場合は、遊興費に生活保護費を費やすというのは、自分もどうかと思っている。
必死で働くも、かすかすの生活しか送れない人が居る。真面目に頑張っている人達が、不正受給をしている人達の為に不利益を被るという事が在ってはならない。だから不正受給者を減少させる取り組みは必要だし、こういう御時世だから「性善説」では無く、「性悪説」に基づいた取り組みも否定はしない。今回の小野市の場合、「生活保護受給者が少ないのに、何故こんな条例が必要なのか?」という事だが、「多い」とか「少ない」とかは関係無い。「予防的な措置を含めて取り組む。」という考えも、評価出来る。
だがしかし、「監視&密告の奨励」というのは好ましくない。「条例案では、生活保護を必要とする『要保護者』を見付けた場合にも市への情報提供を義務付けている。」という利点も在るのだろうけれど、其れ以上に「悪影響」が大きい様に思うからだ。
何度も当ブログで書いているが、「近年は『強きに阿り、弱きを甚振る。』という風潮が在り、其の結果として『尤もらしい大義名分を掲げるも、実際には自身のストレスを発散したいが為“だけ”に、責められるべきでは無い弱者を“集団リンチ”する。』という卑怯な手合いが、ネット上を中心に結構見受けられる。」のは、本当に残念な事。生活保護費の件で言えば、不正受給している者は非難されて当然だが、生活保護受給者を十把一絡げにして非難するのは、単なる“集団リンチ”に過ぎない。
そういう風潮が在るからこそ、「監視&密告の奨励」というのは、理不尽な“集団リンチ”を多発させるだけの様に思う。又、“悪い意味で”の「隣組」、即ち「国民を物言えぬ、そして動けぬ民にしてしまう仕組み。」の復活を感じさせ、非常に不気味。
遊興しているのが生活保護受給者かどうかも判らないで、「恐らくは生活保護受給者だろう。」という曖昧な推測の下に通報し、警察OB等によって身辺調査をさせる。此れは、実に怖い事だ。
「彼奴は気に食わないから。」といった理由で、全く無関係な人間が通報されるケースだって考えられるし、「監視&密告の奨励」によって、子供達の間に虐めの土壌を作り兼ねない。
くどい様だが、不正受給を減じる取り組み自体を、自分は否定している訳では無い。寧ろ、行うべきと思っている。でも、今回の遣り方は良くないという事。
生活保護費を「金券制」にした所で、金券ショップで金銭に交換し、得た金銭を遊興に充てる輩も出るだろう。どういう形がベターかは、皆で考えて行かないといけないけれど、少なくとも今回の条例は好ましくないと考える。
この様な報告が色んな事に適用され裏で学校近辺のいい歳をした独身男性にリストアップされ警察や学校関係者やPTAにマークされないか不安です
地域ボランティアの重点パトロールルートにならないか不安です
よく性犯罪者の出所後の居住区を警察に報告や閲覧?出来る法案などが取りざたされてますが皮肉を言えば再犯率か一番高く性犯罪者の倍以上の犯罪者が居て性別年齢に関しては老若男女全てが関わり時には10人殺害しても罪に問われない場合が有る犯罪者こそ居住区や情報公開をするべきでは?
その犯罪者とは薬物犯罪者です
どう考えても性犯罪者より薬物犯罪者が危険では?
やはり犯罪者に女性が絡むと甘くなるんですかね
邪気も無く遊んでいる子供を見ると、ついつい頭を撫でたくなってしまうのですが、こういう御時世ですから変質者と勘違いされてしまう事も頭を過り、控えてしまう。
誰しも人権は守られるべきですが、何度も犯罪を繰り返してしまうタイプの人間、特に凶悪な傾向が強い場合は、其れなりの“縛り”が在って良いと思っています。そういうタイプの人間の人権を過度に守る事で、何の落ち度も無い人々が被害に遭ってしまうというのは、どうにも納得出来ないので。飽く迄も、“一般的に許される範囲での縛り”という事ですが。
ギャンブル依存症は、脳が快楽を感じた際に出る「ドーパミン」が大きく関与していると言われますよね。
昔、ギャンブルに関する面白い実験データを読みました。記憶違いで無ければ、用いられたのはパチンコだったと思うのですが、「ジャンジャン玉が出る台」と「程々に玉が出る台」、そして「全く玉が出ない台」の3種類を用意し、何人かに遊ばせた所、「全く玉が出ない台」では、脳波等から強いストレスを感じているのが判明。此れは、当然と言えば当然でしょう。面白いのは「ジャンジャン玉が出る台」の場合で、最初は“快楽指数”が物凄く高かったものの、のべつ幕無しに玉が出る事で、徐々に低下して行った。しかし「程々に玉が出る台」では、“快楽指数”の数値が高止まりした儘だったとか。全く対価が得られないのは論外ですが、得られ過ぎても飽きてしまう。「何事も中庸が良い。」という事なんでしょうね。