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「平田容疑者“盥回し”の挙句、丸の内署でも『嘘~。』」(1月4日、スポニチ)
公証役場事務長仮谷清志さんの逮捕監禁致死事件で警視庁に逮捕されたオウム真理教元幹部の平田信容疑者(46歳)が丸の内署に出頭した際、女性警察官に「嘘。」と言われた事が3日、判った。既に警視庁本部で“門前払い”されていた平田容疑者は「ほら僕、背が高いでしょう。」と説明し、やっと署内に入れて貰えたと言う。警察当局は当時の対応に問題が無かったか経緯を確認している。
接見した滝本太郎弁護士によると、平田容疑者は12月31日午後9時頃、JR大崎駅から歩いて大崎署へ行ったが、署員が不在で署の玄関の入り方が判らず諦めた。
駅へ戻る途中の公衆電話でオウムの特別手配容疑者に関する情報提供を呼び掛けるフリーダイヤルに約10回電話したが、ずっと話し中だった為断念。今度は110番して名乗らずに「平田信の担当部署は何処か?」と尋ねると「警視庁だ。」と告げられたと言う。
其の後、時間を潰し乍らJRと地下鉄日比谷線を乗り継いで警視庁本部に向かったと話しており、警視庁の捜査でも恵比寿、霞ケ関両駅の防犯カメラに平田容疑者が写っているのが確認された。
午後11時35分頃、警視庁本部の正面玄関で名乗り出て出頭しようとしたが、警備の機動隊員が悪質な悪戯と判断。丸の内署に行くように指示した為、平田容疑者は歩いて同50分頃、同署に出頭した。其の際、女性警察官に「嘘。」と言われた為「ほら僕、背が高いでしょう。」と説明すると「本当にそうなの?」と署内に引き入れられたと言う。
出頭した理由に付いて平田容疑者は、東日本大震災を挙げ「自分は罪深い人間だ。(大震災で)罪の無い人が犠牲になった。それなのに自分が生きている。」と説明。滝本弁護士は震災が理由になったと見られるとしている。
又、警視庁本部前で“門前払い”した機動隊員に付いて「自分が悪いのに責任を問われるのは可哀想だ。」とも話していたと言う。
17年近くに及ぶ逃亡生活に付いて「ずっと国内に居た。」と話した他、逃亡中の高橋克也(53歳)、菊地直子(40歳)の両容疑者に付いては「逃亡後、接点が無く、連絡を取っていない。」と説明していると言う。警視庁は平田容疑者の詳しい足取りを解明し、潜伏先の割り出しを急ぐ。
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「昨年の大晦日に、平田容疑者が出頭&逮捕された。」というニュースには本当に驚かされたが、続報として「平田容疑者が出頭時、警察が大失態を演じていた。」事を知り、呆れ返ってしまった。「17年近くも逃亡していた容疑者が、出頭する筈が無い。」といった思い込みが在ったり、「手配写真の雰囲気と、全く違っていた。」という事も在ったとは思うが、出頭して来たからには「悪戯の可能性」が考えられたとしても、取り敢えずは身柄確保するというのが鉄則ではないだろうか?結果として逮捕出来たから良かったものの、もし平田容疑者が気持ちを変えて再逃亡していたら、警察の上層部の“首”が幾つも吹っ飛ぶ大問題になっていた事だろう。
世の中には、バッシングされ易い職業というのが在る。政治家や教師、公務員等と並び、警察関係者もバッシングされ易い職業と言って良い。「特定の職業に就いている者達を、十把一絡げにしてバッシングする。」というのはどうかと思うし、そういう事をしない様に極力注意している。「平田容疑者出頭時の警察の大失態」も呆れ返りはしたが、「無事逮捕出来た事だし、手配写真と雰囲気が全く違っていたので、警察を責めるのも気の毒な感じもする。」という思いも在り、此の点に関しては記事にしなかった。しかし・・・。
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「台湾留学生2人殺害、容疑者が任意同行中に自殺」(1月10日、読売新聞)
東京都台東区のマンションで住人の台湾籍の女性2人が殺害された事件で、殺人容疑で指名手配されていた台湾籍の留学生・張志揚容疑者(30歳)が9日、名古屋市内で警視庁の捜査員に任意同行される途中、隠し持っていた刃物で自分の首を刺し、自殺した。同庁は任意同行の方法に問題が無かったかどうか調べている。
同庁の発表によると、組織犯罪対策2課の捜査員が同日午後6時20分頃、名古屋市中区内の商業ビル地下1階で張容疑者を発見。身体検査を行い、車で愛知県警中署に任意同行したが、同署の玄関前に到着した際に果物ナイフ(刃渡り11cm)で自分の喉元を刺したと言う。張容疑者はナイフをズボンの中に隠し持っており、同庁は身体検査が不充分だった可能性が在ると見ている。署で指紋採取して本人確認をした上で逮捕する予定だった。
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台湾は、非常に親日的な国で在る。東日本大震災発生以降、莫大な額の義捐金を我が国に送ってくれて、「其の総額は、世界で最も多かった。」とも言われている。感謝しても感謝し切れない国の1つで在る台湾。
「其処から留学生として日本に滞在していた女性2人が、何者かに殺害された。」というニュースを知った時、同国に対して凄く申し訳無い思いが在ったけれど、其の後、「台湾籍の男性が、容疑者として指名手配された。」という続報に接した時は、申し訳無いけれど「日本人で無くて良かった。」というホッとする気持ちが。「我が国で殺害されただけでも申し訳無い思いが在るのに、加えて容疑者が日本人という事になったら、大恩の在る台湾に顔向けが出来ない。」という思いが在ったので。
容疑者の身柄を確保出来たのは亡くなられた2人の女性、そして其の御遺族にとって良かったと思うけれど、容疑者を自殺させてしまったというのは、捜査員の対応が御粗末だったと言わざるを得ない。
「捜査員から任意同行を求められた際、容疑者は大人しく其れに応じていた。」という目撃証言も在り、「よもやおかしな事はしまい。」という油断が捜査員に在ったのかもしれないが、「容疑者の身柄確保の際は、徹底的に身体検査を行う。」というのは基本中の基本だろうに。