
「鬱々とさせられる出来事が多かった今年だけに、締めの月は“彼の人”からパワーを貰い、元気になろう!」と思い、昨夜は渋谷に足を運んだ。今年で63歳(小倉智明氏とは、中学時代の同級生とか。)とは思えない若々しいルックス&声の持ち主で、“アニソン界のアニキ”とも呼ばれる水木一郎氏。彼がアニメ・ソングを初めて歌ったのが1971年で、今年がアニソン歌手として40周年という事を記念して行われた「アニメ・ソング・デビュー40周年記念ライヴ!水木一郎テレビまんが主題歌のあゆみ」を観に行ったのだ。アニキのライヴ(イヴェントでのミニ・ライヴは除く。)を観に行くのは、2007年以来4年振りの事。
場内は矢張り中高年の客がメインだったけれど、近年はヴァラエティ番組にも積極的に出演している事も在ってか、若い客も少なくなかった。又、アニメや特撮番組と同様、アニソンも「カルチャー」として確固たる地位を築いた事を示す様に、海外からの客も結構見受けられた。(4年前のライヴにて、隣で乗り乗りだった金髪のおねえちゃんが、今回も居たのは笑ったが。)
年代的には1970年代から1980年代前半に掛けての歌が何とも懐かしく、何れも空で歌えたが、其れ以降の歌となると「聞いた事が在る様な・・・。」というレヴェルが精々。なので、個人的には前半が一番乗り乗りになれた。喋りでは所々で度忘れする事も在ったアニキだけれど、迫力の在る歌声は全く衰え知らずだったのが嬉しい。
40周年記念という事で、アニソン界から“ビッグな後輩”が3人もゲストとして登場。“アニソン四天王”の1人で、“ミッチ”こと堀江美都子さん。個人的には、「レイジーのMichell」という印象の方が強い影山ヒロノブ氏。そして、串田アキラ氏の3人だ。ミッチとの“苦節時代”の話が、非常に面白かった。
場内には客として来られた著名人が何人か居られ、漫画家の松本零士氏が紹介された際には、場内がドッと沸いた。又、ライヴの合間には10分の休憩時間が設けられていたのだが、何気無く斜め直ぐ前を見た所、端正なマスクにオールバックの髪型、黒いコートに、首からは床に付きそうな程の長さの白いマフラーを巻いた(丸でフランク・シナトラの様な出で立ち。)50歳代の男性が座っていた。「あれ?見覚えが在る顔だけれど・・・。」と思っていたら、何と役者の高野浩幸氏だった。
若い方は御存知無いだろうけれど、中高年の方々ならば「『超人バロム・1』(歌)では白鳥健太郎役、少年ドラマシリーズ『なぞの転校生』では岩田広一役を演じていた少年。」と言えば「嗚呼、彼の事かあ。」と思い出す人も多かろう。1960年代後半から1970年代に掛けて、様々なTV番組に出演していた天才子役の1人。アニキが「超人バロム・1」の主題歌を歌っていた事も在り、観に来られたのだろう。握手を御願いしたかったのだが、プライヴェートで来られている事も在り、御声を掛けるのを遠慮させて貰った。
「歌って来たアニソン等は、1,200曲を超える。」とも言われるアニキ。アニキが歌って来たアニメ&特撮番組の主題歌から、我がベスト10を挙げると、次の通り。
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【水木一郎氏が歌って来たアニメ&特撮番組の主題歌ベスト10】
3位: 「ぼくらのバロム・1」
5位: 「ルパン三世 愛のテーマ」(動画)
6位: 「セタップ! 仮面ライダーX」(動画)
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「東日本大震災」発生以降、概して取り乱す事も無く、冷静に行動する日本人の姿に、世界中から賞賛の声が上がった事は嬉しくも在ったが、「周りの目を過度に気にする国民性」というのも大きく影響しているのではないかという気がしていた。しかしライヴ後にふと思ったのは、「幼い頃よりアニメや特撮番組を見て育って来た事で、『規範』やら『道徳意識』といった物が、自然と我々の中に育まれて来たのではなかろうか。だからこそ多くの日本人は意識しない儘に、自らを律して行動出来たという面も在るのかなあ。」と。