① 素晴らしい脚本家が又1人・・・
「好きな脚本家は?」と問われれば、自分は「山田太一氏」と共に「市川森一氏」の名前を挙げる。歴代の大河ドラマで断トツに好きな「黄金の日日」(動画)の脚本を担当していたのが彼だったし、子供の頃に夢中で見ていた「ウルトラマンA」(動画)でもメイン・ライターを務めていた。
「黄金の日日」ではキリスト教に纏わる描写が結構在り、其れがストーリーに深みを増させていた。又、「ウルトラマンA」でも「バラバ」という名前の超獣や、「ゴルゴダの丘」が登場する等、キリスト教に纏わる設定が散見された。「市川氏が敬虔なクリスチャンで在る。」というのを自分が知ったのは高校生の頃だったが、「道理で『独特な世界観』だったのだなあ。」と感じ入ったもの。「淋しいのはお前だけじゃない」(動画)もそうだったが、市川氏が脚本を担当した作品には、他者に対する優しい眼差しが感じられる物が多かった。
イエス・キリストの降誕を祝う「クリスマス」は12月25日だが、其の15日前の12月10日に、偉才の人・市川森一氏は肺癌にて天国へと旅立ってしまった。享年70歳は、余りに若過ぎる。本当に残念だ。合掌。
② 「2012年版このミステリーがすごい!」
今年の「このミステリーがすごい!(国内編)」が発表された。非常に自信を持って1位に予想した作品が、案の定1位に。
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=2012年版このミステリーがすごい!(国内編)=
3位: 「開かせていただき光栄です」(著者:皆川博子さん)
7位: 「メルカトルかく語りき」(著者:麻耶雄嵩氏)
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「ジェノサイド」の圧勝と思いきや、得点数では「317点」と、2位の「折れた竜骨」の「278点」と小差。3位以下はグンと得点数が下がっているので、今年は此の両作品が圧倒的な存在感を示したという事なのだろう。「折れた竜骨」は未読故、近い内に読んでみたいと思う。
③ “新人類”と呼ばれた彼も・・・
1980年代から1990年代前半に掛けてのライオンズは、本当に強かった。広岡達朗氏、そして森祇晶氏が監督を務めていた時代だが、特に投打に亘って若手選手が台頭して来た1985年以降の強さは半端で無く、日本シリーズで煮え湯を飲まされ続けて来たジャイアンツのファンとしては、心底憎らしいチームだったと言って良い。
「台頭して来た若手打者」で言えば、秋山幸二選手と清原和博選手が代表格。寡黙で努力型の秋山選手には王貞治氏が、そして派手で天才型の清原選手には長嶋茂雄氏のイメージが其れ其れオーバーラップし、「ON砲の再来」を思わせた。
「従来とは異なる感性や価値観、行動規範を持つ若者達。」は当時、「新人類」なんぞと呼ばれた。天衣無縫な清原選手も新人類と呼ばれた1人だが、「台頭して来た若手投手」の工藤公康投手と渡辺久信投手の2人も正に新人類。其れ迄のプロ野球選手の私服姿と言えば「THEおっさん」という感じの野暮ったさが定番だったけれど、工藤&渡辺両投手の其れはファッション・モデルの様で、喋りも含めて従来の野球選手像を一変させたもの。普段は軽い乗りの両投手も、マウンドに上がると雰囲気はガラッと変わり、鬼神の如き投球で打者を捻じ伏せた。
ライオンズの黄金時代を築き上げた選手達も、軈て次々に引退して行き、最後に残ったのは工藤投手。ホークス、ジャイアンツ、そしてベイスターズと渡り歩いた彼は昨年、古巣のライオンズへ16年振りに復帰するも、1年で退団。今季は所属先が決まらない儘で終えてしまったが、現役続行に向けてトレーニング積み重ねていた。しかし「肩の故障が治癒しない。」との理由から一昨日、「実働29年間」の野球生活にピリオドを打つ事を表明。
輝かしい記録を多く残して来た彼だが、兎に角、「大舞台に滅茶苦茶強い選手」という印象が強い。此処一番という試合で投げた時には、きっちりと結果を残す選手だった。
童顔の彼も、今年で48歳。引退報道で彼の顔がアップで映し出されていたが、思っていた以上に皺が見受けられ、経過した年月の長さを痛感。
本当に御疲れ様。そして今後は、後進の育成に当たって貰いたい。
大府高校時代の槇原のスピードにも目を見張りましたが、とにかく工藤はすごかった!
ともに甲子園を賑わせた名ピッチャーですが指導者としては果たして・・・
それから小生のブログでもちょっと取り上げましたが、市川森一さんは私としては大好きな脚本家ですが、関係者によると、いろいろ毀誉褒貶のある人だったようで・・・(笑)