ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「後妻業」

2015年01月29日 | 書籍関連

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「金が欲しいんやったら、を紹介したる。1千万でも2千万でも、御前手練手管で稼げや。」。

 

妻に先立たれ、結婚相談所で出会った22歳歳下の小夜子(さよこ)と同居を始めた老人・中瀬耕造(なかせ こうぞう)は、脳梗塞で倒れ一命取り留めたものの、意識不明重体に。だが、其の裏で、実は小夜子と結婚相談所を経営する柏木(かしわぎ)は結託、耕造の財産を手に入れるべく、周到な計画を立てていた。病院に駆け付けた耕造の娘・尚子(なおこ)と朋美(ともみ)は、次第に牙を剥く小夜子の本性を知り・・・。

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結婚相談所に会員登録した独り身で金持ちの高齢男性に近付き、“妻”となってから殺害し、財産を巻き上げる。 そんな犯罪を繰り返す女性を描いた小説後妻業」(著者黒川博行氏)は、2012年から2013年に掛けて「別冊文藝春秋」に連載された作品だが、昨年発覚した事件内容酷似しているという事でも、大きく取り上げられた。

 

昨年発覚した事件と、どうしても重ね合わせて読んでしまう訳だが、其れだけ記されている内容がリアルという証左でも在る。リアルで在るからこそ、作品世界にぐいぐい引き込まれて行くけれど、同時にリアル過ぎて不快さを感じる読者も居る事だろう。人間のエゴ浅ましさ剥き出しになっているし、露骨な性的描写も、受け付けない人が居るかも。

 

「面白い作品。」と言ったら語弊が在るかもしれないが、兎に角読み始めたら止まらない作品。なのは確かだ。

 

総合評価は、星4つとする。


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2 コメント

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Unknown (マヌケ)
2015-01-29 12:41:03
人の死や暴力とか陰気なセックスとかに引き込まれる人間の性をくすぐる過激でリアルな表現が残るだけで、だれかにおすすめすることに少し抵抗を感じる作品が結構話題になりますね。 「果てしなき渇き」も読ませるパワーのみで、ストーリーはクソみたいな小説でした。 謎解きよりもバイオレンス重視で、全ては覚せい剤中毒者の妄想だったのではないかともとれるラストで、ホラーや超常現象のせいにしてしまうラストと変わらない、ガッカリな作品も昨今、多いです。 「その女アレックス」も大変ガッカリでした。 なんでこんなのが書店員が選ぶ人気ミステリーの6位とかなんだろう・・・
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>マヌケ様 (giants-55)
2015-01-29 16:22:16
書き込み有難う御座いました。

「後妻業」、不快さを感じさせる作品では在るのですが、登場人物達が関西弁を口にしているという事で、其の不快さがやや緩和されている様な面は在りますね。関西弁の持つユーモラスで和みの在る所が、良い意味で此の作品に潤いを与えている様にも。

文学賞受賞作品も、当たり外れが結構在る。芥川賞なんかも、近年は「何で、こんな作品が受賞したの?」と首を捻ってしまう物が少なく無い。関係者内の柵も在るのでしょうね。
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