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「土星の環の内側、何も無い広大な空間 探査機『カッシーニ』」(5月6日、AFPBB News)
米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「カッシーニ(Cassini)」は、土星の環の間への突入を2回終えたが、「其の広大な未踏の空間には、略何も無い事。」が、NASAの研究者等によって明らかにされた。
NASA研究者等は、「此れ迄に土星の環の間で、宇宙塵すら見付かっていない事。」に驚いていると言う。土星の環其の物は、氷片や岩の欠片等で構成されており、高速で移動している。
全長6.7mの探査機カッシーニは、1997年に打ち上げられ、2004年に土星の周回軌道に入った。
土星の大気圏の表面と土星の環は、約2,400km離れている。カッシーニは土星の環の間を計22回通過する予定で、其の後は今年9月に土星の大気圏に突入して燃え尽き、ミッションを終える事になっている。
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宇宙に関する知識は乏しい自分だが、今回の様な宇宙に関するニュースには興味が在る。太陽系の惑星8つの中でも、「環」を持つ土星はヴィジュアル的にインパクトが在り、「彼の環の内側は、どんな物質が存在しているのだろう?」と昔から思っていただけに、「何も無かった。」という発表は残念。でも、「宇宙塵すら存在していない。」という特異性は、其れは其れで理由が知りたくなる。
1997年に打ち上げられて以降、宇宙空間で“孤独な旅”を続け、7年後の2004年に土星の軌道へと突入したカッシーニ。其れから更に13年後の2017年に、土星と環の間を初めて通過し、今年の9月には土星の大気圏へと突入して、“宇宙の塵”となってしまうという事に、“人間の儚い一生”とついつい重ね合わせてしまう。
NASAの研究員が驚いた、というのは多分一般向けに興味をそそるためのコメントではないかと思っています。
土星本体と輪や、輪と輪の間に何もないというのは論理的にも昔から知られていたことです。
接近した大きな質量をもつ2つの物体の間に、それより小さな質量があったとして、3つともが完全に静止状態なら、2つの大きな質量の引力の釣り合う1点に存在する小さな質量はそのままの位置をキープできますが、運動をしていて互いの位置が移動する状況下では、小さな質量は次第に大きな質量のどちらかに引き寄せられていくことになりますよね。
でも土星は太陽の周りを楕円軌道で公転し、土星の輪や衛星は土星の周りを公転、さらに彗星の接近などで互いの重力バランスが乱される、そんな状況が40億年以上続いていれば、土星の周囲という狭い空間で宇宙塵などの小さな質量が、独立して位置をキープするのはかなり難しいでしょうね。
今、地球の周りをまわっている人工衛星やその残骸が、いずれは地球の引力に引かれて落ちてくるというのもその理由でしょう。
大国同士のエゴの前で、どちらに付くか右往左往する小国の姿を連想してしまいます(苦笑)。
力のない小国が独立性を保ち続けるのは、今も昔も至難の業です。
如何せん典型的な文系人間で、理系的知識に乏しい事も在り、今回の悠々遊様の書き込みは、何度か読み込んで、漸く理解出来た有り様。
成る程、御説明を読ませて戴くと、理屈として理解出来ます。恥ずかし乍ら、「土星と環との間には、一体何が存在するのだろうか?」とずっと思っておりましたので、今回の発表には脳天を勝ち割られた様な思いが在りました。
数日前、カッシーニの事を或るニュース番組で報じていた際、女性アナウンサーが「こんなにも遠い旅を“一人”でし続け、9月には役目を終えて、消え去ってしまうとは・・・カッシーニちゃん、御疲れ様!」といった発言をしていました。鉄腕アトムやドラえもん等、我々日本人って概して、機械に対して強く感情移入してしまう所が在りますけれど、カッシーニちゃんと呼んだ彼女の気持ち、自分にはとても良く判りました。