ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「残り全部バケーション」

2013年03月13日 | 書籍関連

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第1章「残り全部バケーション

離婚する夫婦と其の一人娘が、ひょんな事から「岡田」と名乗る若い男性とドライヴに行く事に。男の素性掴めない、起こった出来事とは?

 

第2章「タキオン作戦」

路上で見掛けた小学生男子の身体に、在るべきの無い傷跡を見付けた「岡田」と「溝口」。少年の家庭状況を知った2人は、突拍子も無い策で少年の父親に近付こうとする。

 

第3章「検問

女は突然、車の後部座席に押し込められ、ガムテープを口に貼られる。運転席には、相棒に「溝口」と呼ばれる男が座っていた。前方に迫る検問を、此の車は通過する事が出来るのか?

 

第4章「小さな兵隊

クラスメートの「岡田君」は、本当に問題児なのか?普段は目立たない彼が重ねる、意味不明の悪戯に「僕」は興味を持つ。

 

第5章「飛べても8分」

仕事中に交通事故に遭い、入院した「溝口」。同室の患者達と和やかに過ごしていたが、同じ病院には意外な人物がて・・・。

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伊坂幸太郎氏の小説「残り全部バケーション」は、裏稼業コンビの「溝口」と「岡田」を描いた作品。犯罪行為をしている2人なのだが、何処かに間抜けさが漂い、特に岡田には御人好しな面が感じられたりと、憎めないコンビで在る。

 

第1章から第2章に掛けての話の繋がりからすると、第3章は話が逸れていっている感が在り、第4章になると「唐突に、無関係な話が挿入された。」という感じが在った。「意味が良く判らないなあ。」と首を捻り乍ら読み進めると、第5章の最後に“意外な事実”が判明し、全ての章が上手くリンクされている事に気付かされる。此の辺のテクニック、「流石だなあ。」とは思う。

 

、此の意外な事実に関しては、“説明過多な文章に慣れ切ってしまった人”だと、“説明不足”という事で、良く判らない儘にスルーしてしまうかも。

 

伊坂作品は概して、人によって好き嫌いがハッキリする様に思う。ネット上のレヴューを見ると、伊坂作品のディープなファンと思しき人程「『残り全部バケーション』は、伊坂氏らしい作品。」等と高い評価を下しているが、個人的には可も無く不可も無しという感じだった。

 

総合評価は、星3つとする。


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2 コメント

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Unknown (マヌケ)
2013-03-13 09:31:19
子供のへ虐待を阻止する方法が、成長した子供が親に暴力をふるい痛めつけられる側に回る親の未来を見せるというアイデアは笑えませんか。 ここら辺はグラスホッパーの劇団を思い起こさせました。 「とんでもはっぷん」の病院のシチュエーションはゴールデンスランバーでもありましたが、伊坂さんのお得意パターンです。 曲者が入院していて、病院内でひと悶ちゃく起る。や、いくつかあるパターンの憎めない悪人が時には良い事も行う、例えば連続殺人犯が主人公を救うとか、他の作品がいくつも頭の中をよぎりまして、ファンにしてみますと、そうなるのか、やっぱりねな作品でした。
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>マヌケ様 (giants-55)
2013-03-13 10:38:06
書き込み有難う御座いました。

“脅されていた側”が“脅していた側”の提案に乗っかり、結果としてノリノリで“別の悪”を脅す。此れには、思わず笑ってしまいました。

又、今や死語となってしまった「とんでもはっぷん」(http://zokugo-dict.com/20to/tondemo-happen.htm)に、ああいう謂れが在ったというのを初めて知り、今度飲みの席で薀蓄として傾けてみようかなとも。

総合的には「うーん・・・。」という感じでしたが、全く無関係と思われた事柄を絶妙にリンクさせて行くというのは、「上手いなあ。」と思います。「20年前云々」という部分も「そうだったのかあ。」と感じましたし。(此の辺が「説明過多な文章に慣れ切っている人だと、良く意味が判らない儘、スルーしてしまいそうな気も。)
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