************************************** ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ氏)を倒す為、彼の魂を7つに分けて収めた“分霊箱”を破壊しようとするハリー(ダニエル・ラドクリフ氏)とロン(ルパート・グリント氏)、ハーマイオニー(エマ・ワトソンさん)。4個目の分霊箱“ヘルガ・ハッフルパフのカップ”を壊したハリー達は、秘密の通路を通ってホグワーツ魔法魔術学校に戻る。しかしホグワーツは昔と違い、校長となったスネイプ(アラン・リックマン氏)に支配されていた。ハリーがスネイプに反旗を翻した時、不死鳥の騎士団のメンバー達が再び立ち上がった。そして、不死鳥の騎士団と闇の勢力の戦いが始まる。 ************************************** ハリー・ポッター・シリーズの映画化第1作は「ハリー・ポッターと賢者の石」で、我が国で公開されたのは2001年12月1日の事。詰まり、今から10年前になる。「話題の作品」という事で自分も映画館に足を運んだけれど、記事「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」の冒頭でも触れた様に、「抑原作に嵌らなかった。」という事も在り、此の作品以降は同シリーズを(TVでの放送も含めて)全く見る事は無かった。 しかし先月から公開となった「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」が同シリーズ最後の作品(第8作)という事を知り、「第1作を観たのだから、最後の作品も観てみようかな。」と思い、映画館へと足を運ぶ事に。 先ず驚いたのは、「主役のハリーは然る事乍ら、ロンやハーマイオニー等、多くのキャラクターを第1作と同一の役者が演じていた。」事。そして10年という長い年月が過ぎ去っているのだから当然と言えば当然なのだけれど、「彼等の風貌に大きな変化が在った。」のも驚きだった。第1作の時には12歳だったダニエル・ラドクリフ氏も、当時の少年少年した面影は全く無く、「こんなにもおっさんになっちゃったんだ・・・。」と感慨一入。 21年間続いた「『北の国から』シリーズ」や、32年間続いた「『3年B組金八先生』シリーズ」等の様に、長期間に亘って放送(乃至は上映)されて来た作品の場合、初期の頃から見続けて来た人達の其れ等に対する思い入れの深さは並大抵の物では無い。勿論、作り手の側も深い思い入れが在り、だからこそ「初期の頃から見続けている人達」と「作り手」の間には「共通認識」というのが出来上がっている。作品内で「過去の経緯」を振り返る時、其れ迄の作品を全く見ていなかった人や、少し位しか見ていなかった人だと「へー、そうなんだ。」位の思いしか湧かないだろうが、ずっと見続けて来た人からすると涙物だったりするもの。感情移入度の違いな訳だが、“最後の作品”という事で「過去の経緯」を映像として組み込んでいた「「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」の場合、同シリーズに思い入れが全く無い自分にとっては、ファンの方達には申し訳無いけれど、「へー、そうなんだ。」という思いしか無かった。長期間続いて来た作品の場合、こういった「観客の温度差」をどう調整するかに制作者は頭を悩ませる事だろう。 自分は3Dヴァージョンを観たのだが、確かに映像的には迫力が在った。しかし、残念乍らストーリー的には魅了されなかった。思い入れが深かったならば、又違ったのかもしれないけれど。 最後にハリーの子供達が登場。今回の作品が最後という事だが、こういう終わり方を目にすると、「次はハリーの子供達を主役に、映画化がされるんじゃないかなあ?」と思ってしまう。何度も「此れが最後!」と銘打たれ乍ら、以降も「新作」が公開されて続けて来た「『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ」の如く。 総合評価は星3つ。