大晦日の夜、正月用品を買い足すべく、例年通りに近場のスーパーを訪れた。時間は19時半過ぎだったが、某ショッピング・センター内のスーパーは既に閉店していた。と言うか、其のショッピング・センター内の店は殆どが閉店している状態。慌てて他のスーパーを幾つか回った所、1店舗だけが営業していたものの、間も無く閉店という事で、急いで買い物を済ませた。帰宅途中に街中を見ていると、ガソリン・スタンド等を始めとして、例年なら未だ開いていた店でも、既に閉店状態。
年が明けた昨日、閉店している店が何と多かった事か。例年なら営業していた店が閉店していたのも然る事乍ら、「元日は閉店、2日から営業。」という感じだった店が、今年は軒並み「元日から3日迄閉店、4日から営業。」という形に変わっていたのには吃驚。
働き方改革や人手不足が大きく影響しているのだろうが、11年前の記事「届いた年賀状は1枚だけ」で書いた“子供の頃の風景”、即ち“晴れの世界”(「三箇日は閉まっている店が殆どで、シーンと静まり返った商店街を着物姿の男女が歩いている姿を良く見掛ける。」等の非日常的世界。)が少し戻って来た様な感じがして、何と無く懐かしかった。
で、今日は、年末に見たTV番組に付いて書いてみる。先ずは30日の「第60回 輝く!日本レコード大賞」で、きちんと見たのは2組の歌手だけ。今回が「第60回」という区切りを迎える事で、“レジェンド企画”として登場したのがピンク・レディー。「子供の頃、彼女達の大ファンだった。」事は過去に何度か書いたと思うが、共に還暦を超えた2人が踊り&歌う姿【動画】にはぐっと来た。
そしてもう1組はDA PUMP。“新生DA PUMP”となってからずっと苦しい日々が続いていたけれど、9年目の昨年に「U.S.A.」が大ヒットした彼等。喜びを淡々と語っていたISSA氏の姿も良かったが、苦しかった時代を振り返って滂沱していたKENZO氏の姿には、思わず自分も涙してしまった。
又、彼等が「U.S.A.」を歌った場面【動画】では、後半に彼等が「YOUNG MAN」【動画】の振り付け「Y、M、C、A」を再現していた。唐突に思える「Y、M、C、A」の振り付けは、恐らくⅠSSA氏が考えた事なのだろう。「U.S.A.」同様、印象深い振り付けの「YOUNG MAN」を歌っていた西城秀樹氏が急逝した事への追悼の思いも在ったのだろうけれど、もっと別の思いが在ったのではないかと推測する。
時は遡って1979年。多くのヒット曲が誕生したが、中でも大ヒットを記録したのが「YOUNG MAN」だった。此の年、音楽に関する賞の“トップ”を次々と獲得していた「YOUNG MAN」は、「第21回日本レコード大賞」の大賞受賞が確実視されていたが、「外国人の作曲作品のカヴァーで在る。」という理由から、審査対象から外されてしまった。そんな過去が在るので、同じく「外国人の作曲作品のカヴァーで在る。」という「U.S.A.」が、今回のレコード大賞でどう取り扱われるかのかが注目されていた。
過去の経緯から、「『U.S.A.』が審査対象になったとしても、大賞受賞は無いだろう。」と、ISSA氏は思っていたのではないだろうか。そして、「あんなにも『YOUNG MAN』は大ヒットしたというのに、審査対象にすらして貰えなかった事は、秀樹さんにとって凄く無念だったろうなあ。」というリスペクトの迸りが、ISSA氏に彼の振り付けを決断させた様に思うのだ。そう感じられたので、泣けて仕方無かった。
31日の大晦日、例年ならば「笑ってはいけないシリーズ」(今回は「絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時」。)を見るのだけれど、此処数年マンネリ感が在り、今回は遂に全く見なかった。
其の代わり、録画を含めて全て見たのは、「よゐこの無人島0円生活シリーズ」の第16弾。「無人島で2泊3日を、0円で生活する。」という内容で、生活者はよゐこや吉田沙保里さん等。落ちている木等を使って椅子やテーブル等を作ったり、採取した植物や魚等を使って料理したりと、生活者達の創意工夫が興味深い。又、よゐこの2人の仲の良さが改めて垣間見られたのも、仄々として良かった。
他に録画して見たのは「RIZIN.14」と「第69回NHK紅白歌合戦」。前者は総合格闘技の対戦で、見たのはエキジビジョン・マッチ「フロイド・メイウェザー・ジュニア選手(41歳)vs.那須川天心選手(20歳)」の対戦だけ。
プロのキックボクサーとして「28戦全勝」を誇り、“キックボクシング史上最高の天才”と称される那須川選手。格闘技の世界を余り知らない人ならば、「相手は21歳も年上で、2015年9月に一旦は引退した選手。」と聞けば、「那須川選手が有利なんじゃないの?」と思うかも知れない。
だが、メイウェザー選手はプロとして「50戦全勝」を誇り、又、「史上初めて無敗の儘、5階級制覇を達成した。」という猛者。那須川選手は特別ルールで自慢の蹴り技を封印された上、体重差はボクシングの3階級分に相当する4.6kgも少ないと在っては、那須川選手に勝ち目が在るとは思えなかった。
初めは相手を馬鹿にしてニヤニヤしていたメイウェザー選手に対し、左カウンターパンチを浴びせ、“本気”にさせた所迄は大した物だったが、圧倒的な体格差は如何ともし難く、3度のダウンを奪われた後、1回T.K.O.負けを喫してしまった那須川選手。無謀とも思える闘いに挑み、完膚無き迄に叩きのめされた姿は哀れだったが、今回の負けを糧にして、更に強い選手になって貰いたい。
紅白はDA PUMPと、(平成最後の紅白という事で、大トリの後に特別に設けられた)“究極の大トリ”として登場したサザンオールスターズだけ見た。デビューから40年という事で、「希望の轍」【動画】とデビュー曲「勝手にシンドバッド」【動画】の2曲を歌ったが、サザンのファンで、カラオケで良く彼等の歌を歌う自分には、至福の一時だった。
「勝手にシンドバッド」の最後では、一緒の舞台に上がった北島三郎氏に「サブちゃん!」と呼び掛ける桑田佳祐氏。ユーミンから頬にキスを受け、共に腰をくねらせて踊り乍ら、「ラララーララララ、ユーミンさん♪」と声を掛けると、「ラララーララララ、桑(田)君♪」とユーミンが返す。「此れぞ御祭り!」という感じの実に楽しい、近年では最高の演出だったと思う。