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「横浜市長、教育長発言を謝罪 原発避難虐め認定巡り」(1月25日、朝日新聞)
福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒が虐めを受けて不登校になった問題で、横浜市の岡田優子教育長が「金銭授受を虐めと認定出来ない。」等と発言した事に対し、林文子市長は25日の定例会見で「子供に寄り添った発言では無かった。大変申し訳無い。」と謝罪した。
生徒側の代理人によると、生徒は同級生等から「賠償金在るだろ。」等と言われ、ゲーム・センターで遊ぶ金等、総額約150万円を支払わされた。此の問題を調査した第三者委員会は「虐めから逃れる為だったと推察出来る。」としたが、「奢り奢られ行為」を虐めとは認定しなかった。
岡田教育長は20日の市議会の委員会で、「第三者委員会に於ても、金銭授受に付いて虐めとは認定出来ないという結論になっており、新たに認定し直すという事は難しい。」等と発言した。
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岡田教育長の発言に対し、市には200件を超える抗議が在ったのだとか。其れを受け「此れは不味い。」と、林市長は謝罪する事になったのだろう。
冒頭の記事、誤解を生じ兼ねないので補足すると、虐めを受けていた男子生徒が「中学1年」と記されているけれど、此れは飽く迄も現在の学年。彼が福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難したのは6年前の小学2年の時で、其の直後から“避難者”という事で、同級生から差別的な呼ばれ方をされたり、暴力を振るわれていた。そして、小学5年になって以降、複数の同級生から遊ぶ金として約150万円を支払わされていたとの事。
何でも彼んでも「日教組や教育委員会等が悪い!」と叩く連中には与する気が全く無いけれど(虐め問題に関して言えば、「責められるべきは加害者及び監督責任者たる其の親達。」と、“原則として”考えている。)、今回に関して言えば第三者委員会や岡田教育長の「虐めとは認定出来ない。」という発言には、「アホか!!」という思いしか無い。大人の世界でも約150万円は大金なのに、小学5年の世界なら超大金という感じだろう。「『虐めから逃れる為、ジャイアン達に所有する漫画本等を差し出すのび太。』なんていうケースとは、桁違いに酷い虐め。」と、真面な人間なら判る筈。彼等は、自身の子供が同じ目に遭った場合でも、平然と「虐めとは認定出来ない。」と言えるのだろうか?
加害者は少年院送りにすべきです。
特段に斟酌すべき事情が無い限り、悪質な犯罪に関しては厳罰を科すべきだと自分も思います。
今回の場合、加害者は(当時)小学5年という事ですが、被害者が弱き立場に在る事に乗じ、金を強請り取るなんて、もうヤクザと一緒。「避難者は、多額の賠償金を貰っている。」と、家庭内で彼等の親が“悪い意味合いとして”話していたのは間違い無いと思うし、自分の子供達が約150万円も“豪遊”していたというのに、全く気付かなかったというのも妙。監督責任者として、親達にも問題在り。
「このひと(教育長)は、ご自身がやくざから嫌がらせを受け続け、これ以上されたくなければ金を出せと脅し取られても、これは恐喝されたわけではないと仰るんでしょうね」
と皮肉っていたのが印象に残っています。
自分の身に置き換えて考えてみる、という想像力に欠けているのでしょう。
こういういう人が教育長や有識者になってはいけません。
自戒しなければいけない事では在りますが、近年は「我が身に置き換えて考える。」、「同じ判断基準で主張する。(好きな対象や自分に関しては「何をしても許される。」とする一方、嫌いな対象や他者に対しては、全く同じ事をしても「絶対に許されない。」とする等。)」等が出来ない人が増えていますね。不寛容な社会というのが、そういった人達の増加に拍車を掛けている様にも思いますが、どんどん生き辛い世の中になって行っている気がします。