ミステリー関連の年間ブック・ランキングで、自分が注目しているのは「本格ミステリ・ベスト10」(発行元:原書房)、「週刊文春ミステリーベスト10」(発行元:文藝春秋)、そして「このミステリーがすごい!」(発行元:宝島社)の3つ。今回、其の内の2つ「2019本格ミステリ・ベスト10」と「2018週刊文春ミステリーベスト10」が発表となった。
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「2019本格ミステリ・ベスト10【国内編】」
1位: 「アリバイ崩し承ります」(著者:大山誠一郎氏)
4位: 「グラスバードは還らない」(著者:市川憂人氏)
7位: 「探偵AIのリアル・ディープラーニング」(著者:早坂吝氏)
8位: 「少女を殺す100の方法」(著者:白井智之氏)
9位: 「ドッペルゲンガーの銃」(著者:倉知淳氏)
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「2018週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」
1位: 「沈黙のパレード」(著者:東野圭吾氏)
3位: 「ベルリンは晴れているか」(著者:深緑野分さん)
5位: 「火のないところに煙は」(著者:芦沢央さん)
7位: 「宝島 ~HERO’s ISLAND~」(著者:真藤順丈氏)
8位: 「碆霊の如き祀るもの」(著者:三津田信三氏)
9位: 「凍てつく太陽」(著者:葉真中顕氏)/「凶犬の眼」(著者:柚月裕子さん)
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両ベスト10に入った作品の中で、読んでいるのは「凶犬の眼」の1作だけ。大好きな作家・東野圭吾氏の「沈黙のパレード」は発売日に購入しているものの、未読の状態。ミステリー好きを標榜しているのに、「読んでいるのが1作だけ。」というのは、何とも情けない。
「本格ミステリ・ベスト10」は“本格ミステリー”を対象としているのに対し、「週刊文春ミステリーベスト10」及び「このミステリーがすごい!」は“大衆受けするミステリー”が対象という趣。前者が“芥川賞”とすれば、後者は“直木賞”という感じで、選ばれる作品のテーストは自ずと異なる。今回のベスト10を比較しても、双方に入っているのは「碆霊の如き祀るもの」と「沈黙のパレード」だけだし。
とはいえ、片や「2019本格ミステリ・ベスト10【国内編】」では10位の「沈黙のパレード」が、片や「2018週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」では1位というのだから、「何だろうなあ・・・。」という気はする。今年に関して言えば、「突出した出来の作品が無かった。」という事なのだろう。