ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「乙女の密告」

2010年08月22日 | 書籍関連
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京都の大学で、「アンネの日記」を教材にドイツ語を学ぶ乙女達。日本式の努力と根性を愛するバッハマン教授の、スピーチ・コンテストに向け、「1944年4月9日、日曜日の夜」の暗記に励んでいる。ところが或る日、教授と女学生の間に黒い噂が流れ・・・。
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第143回(2010年上半期)芥川賞を受賞した作品「乙女の密告」(著者:赤染晶子さん)。芥川賞受賞作品なのだから内容面で秀でているのだろうが、所謂煩型書評家”から高い評価を受けていた作品だったので、読む前の期待度は可成りの物だった。

「アンネの日記」を題材に、大人への階段を上りつつ在る“乙女達”の揺れ動く心情を描いている。「集団の中での、自己のアイデンティティーレーゾン・デートール」に不安を感じる乙女達の姿を、ナチスの“ユダヤ人狩り”から逃れるべく隠れ家に身を潜めていたアンネ・フランクの姿とオーバーラップさせているのだが、全体的には「エースをねらえ!」的な少女漫画風の匂いがするし、「乙女」という単語の連発が余りにくどく、現実離れした感じは否めなかった。様々な暗喩が盛り込まれているのは判るのだけれど、「そんなに高評価を得られる内容かなあ?」という思いが。

総合評価は星2.5個

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