大盤振る舞いとなってしまうのも・・・

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「安倍首相『タイミング考えて。』野村克也氏、野茂英雄氏等も検討」（４月２日、デイリースポーツ）

 

安倍晋三首相（５８歳）は１日、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏に国民栄誉賞を授与する事に付いて、永田町の首相官邸でスポーツ紙の取材に応じた。

 

安倍首相は長嶋氏、松井氏と並び、野村克也氏、野茂英雄氏、張本勲氏等にも授与の資格が在るのではとの報道陣の質問に対し「偉大な選手で在ると思います。タイミング、巡り合わせという物が在る。タイミングを考えて行きたい。」と話した。今後プロ野球界で功績を残したＯＢの授与を検討して行く事を明かした。

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４月１日の記事「こんな犬、見た事無い！」に対する書き込みの中に、「松井秀喜氏に国民栄誉賞」という記述を目にしたのは、日付が２日に変わろうとする時間帯だった。当日はバタバタしていてニュース番組を見る時間も無かったので、「エイプリル・フールの“ネタ記事”か何かに付いて、書いておられるのかな？」と思ったのだが、其の後に「長嶋＆松井両氏に、国民栄誉賞が授与される事になった。」という“事実”を知り、「本当の話だったのか！」と驚かされた次第。

 

８年前の記事「勲章の是非」で触れた様に、“個人的には”勲章やら褒章やら位階といった類いが好きでは無い。「他者の幸福の為に只管尽力した結果として、そういった栄典を授与された。」というのならば話は別だが、「社会的な権威付けを手に入れたいが為だけに、社長の座にしがみ付いていたり、授与の根回しを行ったりしているケース。」が結構見受けられるので、「何だかなあ・・・。」と思ってしまう。

 

「時の政府が、人気取りの為に創設した。」と言われる国民栄誉賞も、「社会的な権威付け」という面が無いとは思わないが、一般的な勲章等と比べると、個人的な「抵抗感」は薄い。「授与されて良かったなあ。」と単純に思ってしまう事が殆ど（中には「何で、此の人が貰えるの？」と思う人も居たけれど。）で、今回の場合も長嶋氏の受賞は素直に嬉しい。

 

一方、松井氏の受賞に関しては、正直引っ掛かりが無い訳では無い。「ジャイアンツ・ファンで、特に王貞治氏と松井氏の大ファンの自分。」だけれど、「松井氏が受賞するならば、其れ以前に受賞して然る可き選手やＯＢが居るでしょ。」という思いがどうしても在るので。(「松井氏は受賞の資格が無い。」と言っているのでは無い。「受賞しておかしいとは思わないが、其れ以前に受賞して然る可き人達が居るでしょ。」という事。）

 

松井氏の性格を考えると、「受賞をやんわり拒否する。」という気持ちが在った様に思う。「国民栄誉賞の授与を打診された際、『そんなんもろたら、立ちションもでけへん様になる。』と固辞した“おっちゃん”が居たけれど、“個人的には”そういうスタンスが好きで、松井氏にもそういうのを期待した部分も無かったと言ったら嘘になる。でも、「戦後の大ヒーロー・長嶋氏へ国民栄誉賞を与える理由付けの１つとして、自分の受賞も在る。」というのを彼自身が理解していただろうから、断り切れなかったのではないだろうか？

 

国民栄誉賞は抑、「授与する判断基準」が極めて曖昧な賞で在る。記録だけで言っても、貰って然る可き選手やＯＢは他にも居ると思っている。唯、だからと言って「功績を残したから。」と、国民栄誉賞を“大盤振る舞い”するのも違うと思う。そうなってしまうと妙な“根回し”やらが出て来るだろうし、栄典の様に“単なる権威付け”という面が強くなってしまうだろうから。

 

国民栄誉賞授与の対象者だが、プロ野球界で言えばジャイアンツ以外の選手やＯＢにもっと目を向けて欲しいし、又、他の分野（棋界とか競馬の世界とか。）でも相応しい人は居る筈だ。

 

・・・と色々苦言めいた事を書き連ねて来たけれど、長嶋＆松井両氏への国民栄誉賞授与には「おめでとう！」と言いたい。