今年の野球殿堂入りが昨日発表され、「プレーヤー部門」では元ドラゴンズの立浪和義氏(49歳)が、「エキスパート部門」ではベイスターズ元監督の権藤博氏(80歳)が、そして「特別表彰」では日本高等学校野球連盟の元会長脇村春夫氏(87歳)が選ばれた。
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「野球殿堂 競技者表彰 プレーヤー部門」
[対象者]プロ選手で、引退後5年を経過して、其の後15年間(但し2009年は経過措置として4年延長。)の者(詰まり、引退後20年以内の者。)。但し満65歳以上の者や故人は、5年経過していなくても良い。
[選出委員]野球報道に関して、15年以上の経験を持つ者。(今年は約300人。)
[選出方法]30人の候補を選び、選出委員1名に付き7人以内の連記で投票し、3分の2の有効投票が在れば、75%以上の得票者が選出される。
「野球殿堂 競技者表彰 エキスパート部門」
[対象者]引退した監督、コーチ、審判で、引退後6ヶ月以上経過している者。又は、プレーヤー部門の有資格者だった者で、引退後21年以上(2009年は4年延長。)経過した者。
[選出委員]野球殿堂入りした競技者及び競技者表彰の幹事。(今年は約100人。)
[選出方法]10人の候補者を選び、選出委員が3人以内の連記で投票し、3分の2以上の有効投票で、75%以上の得票者が選出される。
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「プレーヤー部門」と「エキスパート部門」に付いて、概要を記した。今年に関して言えば、プレーヤー部門の有効得票数は371票、エキスパート部門は133票との事。(選出委員の人数よりも有効投票数の数が多いのは、“連記”によって“総得票数”が増えているという事なのだろう。)詰まり、今年の場合で言えば、“有効得票数の75%”は、「プレーヤー部門:279票、エキスパート部門:100票」という事になる。因みに立浪氏の獲得票は287票、権藤氏は102票だった。
立浪氏が現役を引退したのは2009年なので、候補となって5年目に選ばれた事になる。実績を考えれば候補となった初年度に選ばれてもおかしくないのだが、11年前の記事「落合博満氏の落選に思う」で書いた様に、実績以外の部分(悪印象等)が票に結び付いている様な感じが在る。飽く迄も私見だが、「今回のプレーヤー部門で117票と、有効得票数の約41.9%しか得られなかった桑田真澄氏。」なんぞも、実績で言えば候補となった初年度に選ばれておかしくないだろう。色々考えは在るだろうが、個人的には「純粋に“プレーヤーとしての実績”だけで選んで欲しい。」という思いが。
で、今年のエキスパート部門の得票数を見てみると、権藤氏に次ぐのは田淵幸一氏(81票)だった。残り19票で涙を呑んだ訳だが、彼が選ばれるとしたらエキスパート部門では無く、プレーヤー部門が相応しいのではないか?
エキスパート部門の対象者は「引退した監督、コーチ、審判で、引退後6ヶ月以上経過している者。又は、プレーヤー部門の有資格者だった者で、引退後21年以上(2009年は4年延長。)経過した者。」と在るが、本来は「引退した監督、コーチ、審判で、引退後6ヶ月以上経過している者。」という部分に重きが置かれる“指導者部門”で在り、「引退後21年以上(2009年は4年延長。)経過した者。」というのは「プレーヤー部門では選ばれず、有資格を失ってしまった人達の“救済措置”」という意味合いが強い様に感じている。
田淵氏の場合、自分は「選手としての実績は高く、プレーヤー部門で選ばれてもおかしくないが、指導者、特に監督としての実績は低く、エキスパート部門で選ばれるのは違和感が在る。」のだ。