昨夜行われた「タイガースvs.ジャイアンツ」の最終戦は、藤川球児投手“JFK”の最後の1人が引退への引退試合でも在った。9月2日の記事「“JFK”の最後の1人が引退へ」の中で「彼の全盛期、“火の玉ストレート”と呼ばれた剛速球は本当に凄かった。『唸りを上げて、打者に向かって行く。』といった感じの球は、とても打てそうな気がしなかったっけ。」と書いたけれど、自分が見て来たセ・リーグの投手の中では、津田恒実投手と並ぶ剛速球の持ち主だった。
9回表に登板した藤川投手は、坂本勇人選手及び中島宏之選手を三振、そして重信慎之介選手をセカンド・フライに打ち取ったが、「藤川投手の引退試合なのだから、重信選手も“派手な三振”をすべきだった。空気が読めていない。」という声も。自分は此の考えに、全く反対だ。10月26日の記事「ズバリ聞きます!(65) 」の中で書いた理由からだが、全盛期の藤川投手の凄さを知っているだけに、相手打者が真剣勝負しないのは失礼だと思う。中島選手の三振なんぞは、どう見ても“演出”だったし、逆に「バットに当てた重信選手は、藤川投手に対して礼を尽くしている。」と言える。くどい様だが、全盛期の藤川投手が凄かったからこそ、妙な演出はしない方が良かった。
そういう演出は残念だったけれど、藤川投手が物凄い投手だったのは間違い無い。22年間、本当に御疲れ様!!!
昨夜の試合で「良かったなあ。」と思った事は、「打点王と本塁打王を競い合っている岡本和真選手(ジャイアンツ)と大山悠輔選手(タイガース)に対し、両チームの投手達がきちんと勝負した事。“故意四球合戦”なんて、見ているファンをがっかりさせるだけなので。
“従来の美学”で言えば、引退試合の演出に協力しない選手は、「何してるんだ!」と非難の対象になってしまうのでしょうね。昨夜の試合では解説者の掛布雅之氏が、そういう論調でしたが、大好きな野球人の1人だけに、正直がっかりしました。
中島選手程の“演技下手”では無かったけれど、坂本選手の三振も演出の雰囲気が在りました。彼の3人の中では重信選手だけが真剣に対戦していた様に思うのですが、そんな彼が批判の対象になってしまうのは、どうしても解せません。若しも3人目の選手が岡本選手だったら、タイトル争いをしている選手でも演出に協力しなければいけないのか?
記事でも書いた様に、藤川投手は類い稀なる名投手だけに、妙な演出をする事無く、真剣勝負で臨んで欲しかった。真剣勝負した重信選手がセカンド・フライに打ち取られたのですから、演出しなくても藤川投手に軍配が上がった様に思います。