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「希望 過半数諦めた!?政権選択唱え 乍ら 民進選別、塾生不足」(10月1日、スポニチ)
新党「希望の党」(代表・小池百合子東京都知事)の若狭勝前衆院議員が30日、10月22日投開票の衆院選の候補者に付いて、政権交代に必要な過半数(233議席)の候補者擁立に拘らない考えを示した。「打倒安倍政権」を“大義”に事実上の合流を決めた民進出身の候補者を篩に掛ける為、人数不足が発生。民進関係者からは「人と金を取られるだけ。政権取る取る詐欺だ」と怒りの声も出始めた。
若狭氏は此の日、日本テレビ系の情報番組「ウェークアップ!ぷらす」【動画】に出演。「(選挙協力する)日本維新の会と政権を取りに行くのか?」の質問に「『政権交代する為の数を揃えないといけない。』となると、基本的考え方が大分だいぶ違う人も公認で入って貰う事になる。行き過ぎるのも問題。政策や理念が一致する人かどうかの見極めをしている。」と強調した。
小池氏が「政権選択選挙」と位置付けているにも拘らず、側近が過半数の議席獲得に執着しないとする立場を力説したことに政界関係者からは驚きの声が上がった。
民進からすれば、「合流」は政権交代実現への勝負手だった。前原誠司代表が政権交代の為に「名を捨て、実を取る。」として事実上の解党に踏み切った経緯が在る。
仮に民進の候補予定者約210人を全員受け容れれば、過半数の233人を上回る候補者の擁立は容易。然し、希望側は憲法や安全保障政策の一致を求めて民進からの候補者を選別、「排除」を始め、候補者不足が発生しているのが実情だ。数十人が公認されないとの見方が在る。
若狭氏の主宰する政治塾の塾生も多数擁立する予定だったが、「仕事や供託金の都合で、思う様に集まらなかった。」(若狭氏周辺)。政界関係者は、「擁立は200人程では。」と見ている。
日本維新の会は前職が15人で、1次公認は40人。最初から連立在りきの態勢に、民進党関係者は「失望した。」と語った。永田町では「希望は民進から、候補者と資金を得た。」との認識が広まっており、「此れでは、人と金を奪う詐欺」と憤る関係者も出た。
若狭氏は記者団に対し、明日2日に50人を上回る規模の1次公認を発表する事を表明。1次公認には、民進出身者(解散前の離党者は除く)は含まれず、民進前職が居る一部の選挙区に、希望の独自候補を擁立していると明らかにした。一方、前原氏は2日の公認発表に関し「そんな事は決まっていない。」と疲れた表情で語った。
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先月28日の記事「“気泡”の党」で、「来月の選挙が終わったら、希望の党は間違い無く自民党と手を組む。」と記した。過去に何度か指摘しているけれど、「『女性初の首相になる事が最終目標の小池百合子都知事にとって、自民党は手を握る必要が絶対に在る存在で在り、思考的にも自民党と変わらない。』し、一方『一日も長く首相の座にしがみ付いていたい安倍首相にとっては、小池都知事との連携は不可欠。』で、小池都知事の率いる政党は実質的に“自民党小池派”で在る。」と捉えているからだ。案の定、日を追う毎に“希望の党の胡散臭い実態”が明らかになっている事は、先月の30日の記事「ジェノサイド」で詳しく記した。
で、今回の若狭氏の発言により、選挙後に希望の党が自民党と手を組む可能性が明らかとなったと言って良いだろう。小池都知事は日本維新の会の松井一郎大阪府知事及び大村秀章愛知県知事と、今回の選挙で協力し合う事を決めたが、少なくとも日本維新の会は「安倍政権の行う事に、無条件で賛成し続けている政党。」で在り、自民党との大連立に加わるという事ではなかろうか。
今年の民進党代表選挙には、前原誠司氏と枝野幸男氏が立候補したけれど、其の際、或る人物が次の様な趣旨の発言をしていた。
「今回の代表選挙、前原氏が代表に選ばれても、又、選ばれなくても、彼にとっては“勝ち”と思える状況になるだろう。リベラル派の枝野氏が代表に選ばれれば、前原氏等の保守派は離党し、他党に移る“大義名分”が出来る。前原氏が代表に選ばれれば、様々な手を使い、リベラル派の一掃を図るだろうから。」。
「こんな事を本当に前原氏がしたら、民進党は大分裂し、結果的に解党へと向かうだろうから、流石に深読みし過ぎだろう。」と其の時は一笑に付していたのだけれど、今となっては「前原氏と小池都知事との間で、ずっと前から話が付いていたのか?」という気すらしている。若しそうならば随分と国民を馬鹿にした話だし、彼の所業は万死に値するだろう。
仮に前原代表が小池都知事に騙されていたとしたら、“滑稽な程の御人好し”と言わざるを得ない。7月3日の記事「『2017年東京都議会議員選挙』後の政局」でも書いたけれど、安倍首相にとっては小池都知事等を含めた“親自民党的議席”が全体として増え、一方で“親の仇”の様に嫌悪している共産党や民進党の議席が減れば万々歳。」と思っているだろうから、今回の民進党のごたごた劇で共産党等との野党協力を瓦解させ、民進党を崩壊させたとのだから、言う事が無い筈。仮に前原代表が「話が違う。」と希望の党との連携を解消したとしても、今回のごたごた劇で御互いに疑心暗鬼となったリベラル派と保守派は、もう1つになる事は無理。“今回の手柄”を安倍首相への手土産とすれば、小池都知事には“次の首相の座”が約束されるに違い無い。
選挙後、希望の党は間違い無く自民党と手を組む。小池都知事はマスメディアから「安倍政権を倒すとしていた筈なのに、手を組むのはおかしいではないか?」と批判されるだろう。其の時、彼女はどう発言するのか?自分は、次の様に予想する。
「あら~、妙な事を言いますねえ。私は安倍政権を批判はしていたけれど、前原さんみたいに『安倍政権を倒す。』なんて全く言ってませんよ。過去の私の発言を、確り確認して下さいね。安倍政権を内部から変えて行く。其れに尽きます。」。