「妻を亡くした大学時代の恩師は、子供が居なかった事も在り、有料老人ホームに入所。自分は学生時代より恩師には可愛がって貰っていたので、何か在った時の緊急連絡先に指定され、時間が在れば恩師に会いに行っていた。数年後、恩師は亡くなる。『遺品を引き取って欲しい。』との連絡がホームから在ったので行ってみた所、入所時には結構な金額の貯金が在ったのに、“実に上手い具合に”残高は略零になっていた。ホーム側からは『此れだけの費用が掛かった。』と明細書が渡されたけれど、意味不明で高額な支出が多い。其れも、亡くなる数ヶ月前より急増。『おかしいな。』とは思ったが、財産目当てで文句を付けていると思われるのも嫌だったので、何も言いはしなかった。『(ホームは)阿漕な事をするんだなあ。』という思いは、今も在るけれど。」。
何年か前、知り合いの高齢者から聞いた話。身寄りの無い高齢者を食い物にする輩というのは、悲しいけれど少なからず存在する。高齢者に限らず、“弱者”を食い物にする輩は、本当に許せない。
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「成年後見、弁護士等の不正最悪 認知症患者から財産着服」(4月13日、中日新聞)
認知症等で判断能力が充分で無い人の財産管理を行う成年後見制度で、後見人を務めた弁護士や司法書士等「専門職」による財産の着服といった不正が、昨年1年間に37件(被害総額約1億1千万円)確認され、件数としては過去最悪だった事が13日、最高裁の調査で判った。
後見人全体の不正件数は、2010年の調査開始以降初めて、前年を下回った。
高齢者社会に対応する為、制度の利用促進を目指した法律が、今国会で成立。弁護士会等の団体は、不正防止への対策強化が一層求められそうだ。
調査は、後見人が高齢者等の預貯金を着服する事件が相次いだ為、最高裁が2010年6月に始めた。
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「高齢化が進み、認知症患者の数が増加する。→成年後見制度の利用者が増える。→成年後見人の数が不足する。→成年後見人制度を強化する。」という考えから、「成年後見制度を強化する様、政府に促すための法律。」が、8日の衆議院本会議で可決&成立した。
「成年後見人の担い手への研修の機会等を充実させ、又、後見人による財産の着服等を防ぐ為、裁判所等による監督体制を強化する。」という内容だそうだが、不正防止の為には監督体制の強化に加え、不正を働いた際の厳罰化というのが大事だと思う。「不正を働き、仮にバレても、厳罰に処せられない。」という現実が在れば、“遣った者勝ち”の考えから、不正は増えこそすれ、減る事は無いと考えているので。