以前の記事「殺人ピエロの孤島同窓会」で触れたが、近年10代で文学賞を受賞する者がチラホラ見受けられる様になった。「殺人ピエロの孤島同窓会」の著者・水田美意子さんは、応募当時12歳の中学1年生という事で、その早熟な才能には驚かされたものだが、今回読んだ「平成マシンガンズ」の著者・三並夏さんも、この作品で第42回文藝賞をした時は15歳だったいうから大したもの。同賞受賞者としては、史上最年少記録という。
主人公は女子中学生・朋美。母親は家出をし、たった一人残った肉親で在る父親は、自分に無関心な態度しか見せてくれない上、家に愛人を引っ張り込んで来る始末。けばけばしい彼女は、父親の前で見せる”女の顔”と、朋美の前で見せる”敵意を示した顔”を使い分け、その事が朋美を苛立たせ、家での居場所を失わせて行く。学校でも或る出来事をきっかけに、友人達から村八分を食らい、此処でも居場所を失ってしまう朋美。そんな彼女の夢に登場するのは、襤褸のジーンズに出刃包丁を持つ男の死神。彼が差し出すマシンガンで、父母や愛人、友人達を撃つ朋美を、彼は頭を撫でて褒めてくれる・・・。
10代の生活というものが、”恐らく”リアルに描かれているのだとは思う。「零落」といった言葉(恥ずかしながら、この言葉は初めて知った。)を使う等、かなり読書を積んでいるのだろうし、文章は決して下手では無い。でも、受賞する程のレベルかと言えば、「うーん。」と唸ってしまう。
ジェネレーション・ギャップと言われてしまえばそれ迄なのだが、余りに読点の無い文章にはダラダラ感を覚え、読み難かった。登場する者達も、今一つ人物像の掘り下げが足りなかった様に思えたし、ハッピー・エンドorバッド・エンドどちらとも取れる結末に到る主人公の心の変わり具合が、余りにも極端過ぎて違和感だけが残った。
物書きとしての才能は間違い無く在るとは思うが、文章により深みを持たせる為には、それなりの年月&経験が必要なのかなあという気がする。まあ、年を食えば良いと言うものでも当然無く、若さ故に紡ぎ出せる瑞々しい文章というのも好感を持てるが。
総合的には、星3つの評価としたい。
主人公は女子中学生・朋美。母親は家出をし、たった一人残った肉親で在る父親は、自分に無関心な態度しか見せてくれない上、家に愛人を引っ張り込んで来る始末。けばけばしい彼女は、父親の前で見せる”女の顔”と、朋美の前で見せる”敵意を示した顔”を使い分け、その事が朋美を苛立たせ、家での居場所を失わせて行く。学校でも或る出来事をきっかけに、友人達から村八分を食らい、此処でも居場所を失ってしまう朋美。そんな彼女の夢に登場するのは、襤褸のジーンズに出刃包丁を持つ男の死神。彼が差し出すマシンガンで、父母や愛人、友人達を撃つ朋美を、彼は頭を撫でて褒めてくれる・・・。
10代の生活というものが、”恐らく”リアルに描かれているのだとは思う。「零落」といった言葉(恥ずかしながら、この言葉は初めて知った。)を使う等、かなり読書を積んでいるのだろうし、文章は決して下手では無い。でも、受賞する程のレベルかと言えば、「うーん。」と唸ってしまう。
ジェネレーション・ギャップと言われてしまえばそれ迄なのだが、余りに読点の無い文章にはダラダラ感を覚え、読み難かった。登場する者達も、今一つ人物像の掘り下げが足りなかった様に思えたし、ハッピー・エンドorバッド・エンドどちらとも取れる結末に到る主人公の心の変わり具合が、余りにも極端過ぎて違和感だけが残った。
物書きとしての才能は間違い無く在るとは思うが、文章により深みを持たせる為には、それなりの年月&経験が必要なのかなあという気がする。まあ、年を食えば良いと言うものでも当然無く、若さ故に紡ぎ出せる瑞々しい文章というのも好感を持てるが。
総合的には、星3つの評価としたい。
それに躍らされないことが大切だと思います。
そうすればそういうことは自然と起こらなくなるはずですから。
giants-55さんのおっしゃるような文章のダラダラ感、登場人物の掘り下げ不足などは、たとえ作者が子供であろうとはっきりと言うべきでしょうね。それでも受賞したのだから、他の受賞対象であった作品はそれ以下・・だったということでしょうか?ちょっとそれも怖いですね。
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