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「『頭を体から切り離し他人と結合』難病男性が手術へ」(6月26日、JNNニュース)
難病に苦しむ30歳のロシア人男性が、自分の頭を体から切り離し、脳死状態になった他人の体と結合する手術を受けると発表しました。
25日に会見したのは脊髄性筋萎縮症を患う男性(30歳)です。此の病気に罹った患者の平均寿命は短く、男性も症状が急激に悪化しています。其処で、イタリア人医師が提唱している自分の頭部と脳死状態となったドナーの身体を結合する手術を受ける決意をしました。
「とても楽観的に居ます。楽しみです。出来る限り早く行われる様、実現を目指しています。」。(ワレリー・スピリドノフさん)
手術中は、頭部とドナーの身体を冷却し、細胞が死なない様にするという事ですが、100人以上の医療スタッフが必要で、手術時間は36時間に及ぶ見通しです。イタリア人医師は、手術費用1,500万ドル、凡そ18億円を集めていて、2年以内には手術を行いたいとしています。
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先日、ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルで2回に分けて、「旧ソ連の怪奇ファイル」という番組が放送された。ソ連時代、其れもミハイル・ゴルバチョフ氏が“最高指導者”になってグラスノスチ(情報公開)を行う以前は、あらゆる事が秘密のヴェールに覆われていた。グラスノスチ、そして其の後のソ連崩壊を受け、少しづつ“当時隠蔽されていた出来事”が明らかになって来ているが、「旧ソ連の怪奇ファイル」では、ソ連時代に起こっていた怪奇な出来事を幾つか紹介していた。
一番衝撃的だったのは、「生きている犬の首を切断し、“生命維持装置”を繋げる事で、何日か生かした。」り、「生きている犬の首を切断し、別の生きている犬の首の横に結合した。」りする実験を、当時、極秘裏に行っていた事実。当時の映像(カラーでは無く、白黒。)が紹介されたが、首だけの犬や双頭の犬の映像は、非常にショックだった。此れ等の実験は、後の「生体移植」に寄与したという評価も在る様だが・・・。
今回の報道を目にした際、其の映像を思い浮かべてしまった。難病に罹患し、「死」という物に直面しているからこそ、「自身の頭を切り離し、脳死した人間の身体に結合する。」という手術に踏み切る此の男性の思いは判らないでも無いけれど、自分が彼の立場だったら、そういう選択肢は選びたくない。(彼、そして此の手術自体を批判している訳では無い事を理解して欲しいのだが)感覚的に「自分の頭を切り離し、他人の身体に結合する。」というのが受け容れられないのだ。
前代未聞の手術、掛かる費用も約18億円と、此れ又前代未聞。100人以上の医療スタッフが必要というのだから、其の位掛かってもおかしくは無いのだろうけれど。